特別支援学校高等部を卒業した後の進路について、ご存じですか?
特別支援学校高等部を卒業しても、「高卒資格」にはならないということは?
「高卒資格」にはならないけれど、大学は受けられるということは?

僕は少し前まで、大学を受けられるということを知らずに、「高卒資格がないから、大学に行けない」と思っていました。自分の無知を恥じ入ります・・・。
そういったことを教えていただいている「全国連絡会」の案内チラシを見て、昨日はオンラインで、「障害児の高校進学を実現する全国交流集会」に参加しました。
生の声をたくさん聞けたのがありがたかったです。
支援学校から大学へ進学する事例については、ずっと気になっていましたので、情報を得るまたとない機会となりました。
お話を伺えた当事者の方々はそれぞれ、自分の進路を自分で決めて進もうとされているところが、素晴らしかったです。進路選択は人それぞれですが、自分に合った進路を選び、仲間と過ごす機会を保障していくことは本当に大事なことだと思います。
報告の中では出席されていないお知り合いの方の事例も紹介していただき、ありがたかったです。
具体的な話がたくさん聞けました。
自分でも調べてみたいことがたくさんありました。
障害のある方の進路については、当事者から学ぶことがたくさんあります。
以下は、会の後で調べてみて参考になったサイトです。
(参考情報)
▼教えて!goo Q&A掲示板「特別支援学校 高卒資格 知的障害」
「特別支援学校は、高卒資格が、もらえるのでしょうか。~」
(質問日時:回答数:3件)
▼特別支援学校の高等部は高卒扱いになるの?大学入学の資格は取れるのか?
(WelSearch ウェルサーチ|福祉の専門家や当事者たちが発信する福祉情報サイト内、)
▼知的障害の若者に大学教育を。福祉型大学「カレッジ」の挑戦
(LITALICO発達ナビ、2016/09/21記事)
3つ目のサイト記事の2ページ目に
「日本の知的障害のある若者は社会から隔離されていることが多いんですね。
一方、海外では障害の有無なしに学ぼうとする取り組みが増えてきています。」
という記述があります。
日本でも「障害の有無なしに学ぼうとする取り組み」を支援し、広げていく必要性を強く感じます。
カテゴリー: 特別支援教育
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特別支援学校卒でも、大学は受けられる
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iPadを使った通級授業「きもちをおちつけて、集中しよう」
気持ちがあせって、なんでも速くやってしまう子がいます。
それはそれで、その子の個性なのですが、速くやってしまうので雑になり、ケアレスミスも多くなるので、テストとかでは、とれるはずの点数がとれなかったりします。
落ち着いて丁寧にやれば、実力的には80点なのに、65点になってしまうとしたら、くやしいですよね。
そういう子たちのために、たとえば通級教室で「気持ちを落ち着けて○○する」というトレーニングをすることがあります。
今回は珍しく僕の授業の実践報告です。
ICTを自分の授業の中でどんな風につかっているのか、報告する必要があったので、まとめたものです。
せっかくなので、ちょっと編集して、共有します。
「こういう目的でiPadのアプリを教材として使っている人もいるんだな」くらいの感覚で、読んでもらえたらと思います。
ある日の通級授業
「きもちをおちつけて、集中しよう」
<本時の目標>
教師やタブレット機器からのフィードバックをもらいながら、注意深く見たり聞いたり書いたり考えたりする。
<使用する機能等>
iPadを使用:カメラ、写真(マークアップ機能)、「ひとコマ漢字」、「じゃんけん将棋」
<ICT活用のねらい>
・その場で撮ったノートの写真は具体的な見本を書いて見せるために使う。
・「ひとコマ漢字」は手書き漢字テストの文字認識精度がよく、きれいに書けたかどうかのAIによるフィードバックも信頼できる。
・将棋の対戦相手を人間ではなくAIが務めると、思考レベルがどの程度向上したかの指標が明確に得られる。
<授業の流れ>
1. 注意深く聴くトレーニング
・文章の読み聞かせを聞いて頭の中にメモを取り、質問に答えることを5問おこなう。
(対象児童が選んだ本の中から、あるページを読み聞かせ、その記述内容について後で質問をした。)
2. 算数の分数の計算で途中の式を書くトレーニング(ノートに書く)
(この項目は、児童の普段の学習と直接つながりのある内容)
・最初の3問は教師が書いてやったものをする。
後の問題は教師が書いたものと同じように自分でも「見やすい式」を書いてから取り組む。
・間違ったものは、気持ちを落ち着けてやり直す。
・教師は児童のノートを写真に撮ったものにマークアップ機能で書き込み、随時見本を見せる。
3. iPad「ひとコマ漢字」(児童の学年の漢字)
・筆順に気を付けて画面上に漢字を書く。
・今後も正しい筆順で書けるように、「女は、くの一」などの聴覚的ヒントを教師から声掛けしてもらい、筆順を覚えるきっかけとする。
・ゆっくり丁寧に書くと結果判定で★がもらえるので、それをめざしてゆっくり丁寧に書くことを意識する。

iPa小学生の手書き漢字学習 : ひとコマ漢字
(App Store)
4. iPad「じゃんけん将棋」
・自分で難易度を選んで、コンピュータと対戦する。
・状況に応じて指し手を考えて、相手に勝つことを目指す。
・見落としがあると負けにつながるので、盤面全体を注意して見ることを心がける。
・一度負けても、悪かったところを反省してから再度挑戦する。
・コンピュータ対戦で気づいたことを踏まえて、教師と対戦する。

対戦!じゃんけん将棋
(App Store)
5. ふりかえり
・本時のふりかえりをする。
・本時以外のことでも、学校生活で気になることや、前回の通級以降にあった出来事などを話す。
<補足>
・ICTのみを使用した通級指導は、原則として行っていない。
今回も、部分的に使用している。
・算数の普段の学習で「途中の式を書かずに間違えてしまう」と担任から聞いていたので、途中の式を書くことをあらかじめ示してから計算をさせたところ、ちゃんと計算できるようになった。
<補足の補足>
僕の通級では基本的に最初に「普段あったこと」を子どもに聞くのですが、なぜかこの日は最後に聞いていました。
iPadは毎時間ふんだんに使っているわけではなく、いつもは最後の5分とかだけ使っていますが、この日は珍しく長めに使っていました。
将棋型の思考ゲームは、「じゃんけん将棋」のほかに、「どうぶつしょうぎ」のアプリ版もよく使います。こちらのほうが、難易度の段階がかなり小刻みに分かれているので、上達がより一層はっきり分かると思います。

どうぶつしょうぎ
(App Store)
GIGAスクール構想の端末としてiPadが入っている自治体もあるようですので、ご参考になれば、幸いです。
通級でなくてもできる内容がほとんどなので、児童がiPadを手元に持っているようなら、普段の取組として自主的に続けることで、より一層効果は期待できると思います。 -
研修受講メモ「学びの土台となる認知機能と『コグトレ』 ~学校での実践事例と効果~」
昨日10/15(土)に、教職員向けのコグトレのオンライン研修会がありました。
主催は、東京書籍です。
▼学びの土台となる認知機能と「コグトレ」 ~学校での実践事例と効果~
https://eventregist.com/e/EhYcGGOV9JWR

勤務市のICT研究チームのメンバーに共有した、そのときの研修メモを、こちらでも共有します。
コグトレは特別支援教育の分野ではかなり有名になってきた認知機能のトレーニングです。
今、勤務市の通級担当者は、少しずつコグトレを指導に取り入れようとしています。
今回はオンラインでコグトレを考案された宮口先生のお話と、小中学校の先生方からの実践発表の両方が聞けて、とてもありがたかったです。
2022/10/15
「学びの土台となる認知機能と『コグトレ』 ~学校での実践事例と効果~」
研修メモ
△ブレーキがかけられない。
△立体図が描けない。(立体図は7~9歳で描けるようになる。高学年なら描けるはず)
・葉っぱの絵の点つなぎは、アセスメントに使いやすいので、よく使っている。
★認知機能は、学習の基礎体力!
・認知機能の弱さがある児童ほど、コグトレで伸びている。
・通常学級で週3回程度トレーニング。
・正しい鉛筆の持ち方でトレーニングする。(○▲■などのぬりえワーク)
→意識化することで変化する。
・斜め線を把握するのが苦手だと、文字を書くのは厳しい。
→コグトレで改善する。1人で文字を書けるようになる。
・集中力が上がり、考えられる子に変わっていった。学校全体で取り組むことにより、学校全体が落ち着いた。
・紙とオンラインを併用する方がいい。デジタルは、充電できていないなどのトラブルがあってできないときもある。
・月1~2回では効果が出ない。九九や漢字の練習と一緒。最低でも週2回か。
・コグトレオンラインをGIGA端末ですると、聴覚的記憶課題が1人でできるので、すごくよい。ただ、要支援の子ほど、充電できていないなどのトラブルは多い。
・コグトレオンラインなら、子どもたちはどんどん取り組んでいく。
・聴覚的記憶課題は集中力が付く。
・最初に「これは難しいで」と言ってからさせている。うまくいかなくてもフォローする。
★コグトレオンラインの紹介
・自動採点 ・教材送信機能あり
僕たちの研究チームでは11月から「コグトレオンライン」を使ってみようという話になっています。
子どもたち一人一人が持っているGIGA端末でアクセスできるWebアプリです。
1日5分の短時間で、子どもたちがゲーム感覚で取り組めるもので、無理なく続けられそうです。
▼コグトレオンライン
https://cogtr-online.jp/service/
コグトレオンラインは学校の先生が教材屋さんに注文する対象になっており、教職員であれば注文できるようです。個人ライセンスでも月あたり100円と安くなっていますので、利用する価値は十分あるかと思います。
学年の子どもたち全員や、学校の子どもたち全員が一括で利用する場合は、それよりもさらに安くなりますよ。
ちょうど研修会の日が宮口先生のコグトレに関する新刊本の発売日でした。
安いのでこちらは速攻で注文しました。
研修会で宮口先生が示された図や事例は、こちらの本からの引用が多かったです。

『「立方体が描けない子」の学力を伸ばす』
(宮口 幸治、PHP新書、2022/10/15、990円)
↓コグトレ教材のいろいろについては、過去記事で書きましたのでそちらもご参照ください。
(関連する過去記事)
▼衝動的な心にブレーキをかけるトレーニング ~宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』
(2020/07/12の日記) -
アンデシュ・ハンセン『運動脳』その2 ~ADHDの投薬への警告
『運動脳』の読書メモ、第2回です。
(第1回は、こちら。)

『運動脳』
(アンデシュ・ハンセン、サンマーク出版、2022、税別1500円)
今回は、第3章
「集中力」を取り戻せ!
の章を、紹介します。
アンデシュ・ハンセン『運動脳』
2(今回の範囲は、第3章:p113からp162まで)
(・太字部分は、本の引用。
顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)
・2000年前後に『タイム』誌は、あまりにも多くの子どもたちがADHDの投薬を受けていることに警告を発し、「子どもたちを薬漬けにしていいのか?」という疑問を投げかけて、おおいに議論を呼んだ。
(p89より)
・薬に頼らずにドーパミンの分泌量を増やす方法はないのだろうか。
ある。
そう、身体を動かすことだ。
(p138より)
ADHDについては一応いろいろと勉強してきましたが、投薬治療の是非については、なかなか悩ましいところです。
基本的にはクスリを飲んでなんとかするというのは、避けれるものなら避けた方がいいと思っています。
ただ、状況により一概に言えないところはあるので、一時的に試してはみるものの、すぐにやめれるようにしておくことや、周りの大人が投薬の副作用に気づきやすいように気をつけておくことは必要だと思っています。
僕がクラス担任から相談を受けたときには、「まずは、環境調整ですね」とお伝えすることが多いです。
もちろん、医療との連携を否定するものではありませんが。
実は、自分自身もADHDのことを初めて知ったときに、「自分もそうかも」と思いました。
そして、「クスリを飲んでよくなるなら、試してみたい」と思っていました。
魔法のクスリのような気がして、それに過度に期待したり、依存したりしてしまうのです。
ふりかえってみると、それはやはり問題であったと思っています。
ところが、この本では、なんとクスリよりも運動でADHDによる困難さも改善するということが、具体的に科学的に証明されているのです。
これは、ビックリです。
具体的な事例は、たとえばp145などを参照してもらえばと思います。
「息が上がり、心拍数を増やすことを目安にした遊び」により、「3分の2を超える子どもに集中力の改善」、「『行動の抑制』と呼ばれる力が改善」といったことが報告されています。
(黒地部分はp145より)
p147においては、「わずか5分ほど身体を活発に動かすだけでも子どもの集中力が改善され、ADHDの症状も緩和される」と書かれています。
僕たち「教育」に携わる者にとっては、かなり役立つ情報であると思います。
「ADHD」と診断されている子どもたちが増えていますが、その背景には、子どもがあまり運動しなくなったということも、あるのかもしれません。
「クスリに頼りたくないけど、困っているんだ」という多くの人にとって、有益な情報ではないかと思います。
本書にも書かれていますが、クスリの効用を謳ったほうが製薬会社が儲かるので、そのことばかり喧伝されているということは、気をつけておくべきことです。
運動はタダでできて儲けにつながらないから、服薬以上の効果が実際にあったとしても、資本主義社会の中でその効果はどんどん忘れ去られていってしまうようです。
本書を鵜呑みにするわけではありませんが、「ADHD→クスリで改善」といったことしか頭になかった人は、バランスをとるためにも、本書を読んでおくといいと思います。
・科学の研究は、本当に効果のある「精神を集中するためのギア」はサプリメントでも、脳トレ用のアプリでもなく、身体を動かすことだという事実を明らかにした。
(p159より)
ここもまた、驚いたところです。
僕が「効果があるだろう」と思っていた「脳トレ用のアプリ」も、本書では否定されているのです。
アンデシュ・ハンセンさんは精神科医。
その主張は、もちろん学会などにも発表しないといけませんので、根拠を明確に、しっかりとした調査・研究にもとづいてされています。
実はこのブログでも「脳トレ用のアプリ」に似たものはたくさん紹介してきたのですが、これからは、それにもあまり頼ることなく、「運動」を一番に考えた方がいいのかもしれません。
いかがですか。
やっぱり今回も、運動したくなりましたか?
長くなりましたので、第4章以降はまた明日以降に持ち越します。
第4章は
うつ・モチベーションの科学
という章タイトルです。
これまた、興味深い内容です。
では、また、次回!
(つづく)

▼【休校期間お役立ち情報】その13 登校後の運動を保障しよう(齋藤 孝『子どもの集中力を育てる』)
(2020/05/23の日記) -
LDの俳優が主人公のマンガ『君の名前をよんでみたい』
特別支援教育のメーリングリストで教えていただいたマンガがおもしろかったので、紹介します。


『君の名前をよんでみたい』(1) (ジュールコミックス)
[ 飯田ヨネ ]
「よんでみたい」がひらがななのが、ミソですね。
僕は趣味で演劇をやっていたので、「俳優×発達障害」というテーマは僕の興味関心にどんぴしゃでした。
第1巻中盤の、本人の意志を尊重するエピソードのところでじんとしました。
(p89~91あたり。第2話の終わり際)
興味を持たれた方、
第1話の試し読みが、以下のURLからできますよ。
これも、メーリングリストの先生に教えてもらいました。
https://comic-action.com/episode/3270375685448195618
ちなみに第2巻は5月発売予定です。
通級教室を舞台にしたマンガも、第4巻がこのあいだ、出ました。
こちらも愛読しています。

『みんなが輝くために4 舞台は通級指導教室』
(梅田 真理・河西哲郎)
両者に共通する感想ですが、学校でも社会でも、障害に対する理解ということについては、人それぞれで、理解してもらえないことだって、多くあります。でも、そんな中で、理解者がひとりでもいれば、そこから明るい展望がひらけてくることも、あると思うのです。
僕は以前ある団体の会報で「通級の先生はカウンセリング的なかかわりで本人の思いを聞き取って、周りに伝え、その子が過ごしやすくなるように環境を整える役割をする」といったことを書いたことがあります。
学校の場合でも社会の場合でも、担任の先生や身近な人に必ずしも「障害」についての知識や理解があるわけではない。むしろ、現状はまだまだ不十分なことが多いと思います。
ただ、それだったら、媒介になるような人とつながりをもって、その人に調整してもらったらいいんじゃないかな、と思うわけです。
このブログも、「媒介」になりたいと思って続けているところがあります。
理科でいう、化学反応を起こすきっかけになる「触媒」ですね。
「きょういくユースフル! ~僕は触媒になりたい」

▼特別支援学級や通級に入るために、診断書は必要???
(2019/08/23の日記)
▼『うちの子はADHD 反抗期で超たいへん!』『発達障害 うちの子、将来どーなるのっ!?』
(2020/06/21の日記)
▼『光とともに・・・』の未完のラスト2話が、雑誌掲載
(2016/02/28の日記)
↑上のリンクに関連して、『光とともに・・・』も今ならネットでかなり試し読みできることも、メーリングリストで教えてもらいました~
https://manga.line.me/product/periodic?id=S114592&t=1667779200015
▼『海ちゃんの天気今日は晴れ』 ~いわゆる「大変な子」を含めた学級指導の一例として
(2013/05/07の日記)