カテゴリー: 共に生き、共に育つ

  • ガンがV字編隊で飛ぶ理由 ~木下晴弘『涙の数だけ大きくなれる!』

    今の時期、勤務市の5年生は椋鳩十の「大造じいさんとガン」を読んでいます。

    大造じいさんとガン』 (偕成社文庫) [ 椋鳩十 ]
    この作品は、名作ですよね。
    昔から小学校の国語教科書に載っています。スマイル
    今日は、「大造じいさんとガン」には直接関係ありませんが、ガンの話を、ある本から引用します。
    ガンという鳥は、群れをなして飛びますよね。

    一羽で飛ぶのと、群れをなして「V」の字になって飛ぶのでは、どんな違いがあるか、知っていますか?
    木下晴弘著『涙の数だけ大きくなれる!』には、次のような話が書かれています。


    ・前を飛ぶガンが羽ばたくと上昇気流が起きて、後ろのガンが少ないエネルギーで飛ぶことができる
    ・そのガンが羽ばたくと、今度はその後ろのガンがもっと楽に飛べるようになる。
    (p106より)
    ・疲れた先頭のガンは編隊を離れ、ほかのガンが前に1つずつ詰めていく。
     離れたガンは楽な後ろに移るんだ。
     一方、今まで楽をしていたガンは、まだエネルギーが余っているから、先頭を切って飛ぶことができる。
    ​・こういう方法により、ガンは単独で飛ぶのに比較して71%の力で、同じ距離を飛ぶことができる。​
     しかも、疲れているガンに対して鳴いて励ますこともする。
     また、1羽が編隊から脱落すると、2羽のガンが編隊からはずれていってサポートするんだ。
    (p107より)


    「大造じいさんとガン」でも、ガンのリーダーである残雪が、我が身を呈してほかのガンを助けるシーンが描かれています。
    ガンというのは、仲間を大切にする鳥なのですね。
    このガンの話をすることで、「人間も含めて動物というのは、ほかのサポートがあって初めてより良く生きられる」(p107)ということを、著者の木下先生は、子どもたちに教えられているのだそうです。
    #もともとは、木下先生が比田井和孝先生からお聞きした話だそうです。

    『生きる力がわいてくる「自分へのメッセージ」 涙の数だけ 大きくなれる! 』
    (青春文庫) [ 木下晴弘 ]

    ​​​
    上の本は文庫本で小さいのですが、こういった「子どもたちに伝えたい、いい話」がたくさん載っています。
    ご存じなかった方は、一度、読んでみるといいかもしれません。
    そして、自分が感動した話を、子どもたちにしてみて、「いい話のリレー」をしていけると、ステキですね。ぽっ

    「説明ではなく、物語に」 ~中野敏治『一瞬で子どもの心をつかむ15人の教師!』
     (2023/03/22の日記)

  • 病気や障害などで外出が困難な人が遠隔で働く職場の事例

    ナニコレ珍百景」が好きで、毎回、録画しています。
    日本中のユニークな取組や先進的な取組を紹介してくれるので、毎回の放送を楽しみにしています。
    学校が取り上げられることも多いですね。
    #前の勤務校の児童も、これに応募しようとしたことがありました。
    いつも想像を上回る取組が紹介されているのですが、先週の放送回も、とてもよかったです。
    メインで取り上げられているところではなく、後半に短時間で紹介されていたものなのですが、
    病気や障害などで外出が困難な人が遠隔で働く職場の事例
    が紹介されていました。

    (画像は​該当店舗公式サイト内「ギャラリー」​より)
    #分身ロボットカフェ
    ↓下のリンク先のTVer見逃し配信で、24分50秒のところから再生してみてください。
    ▼​TVer「ナニコレ珍百景」3月17日(日)放送分
    ※3月24日(日)19:00 配信終了予定
    以下、番組公式サイトから、その部分の紹介だけを転載します。


    ●遠隔操作のロボットカフェ 東京都中央区日本橋 DAWN
    東京の日本橋にある一見普通のカフェだが、入るとロボットが接客をしている光景。
    そのロボットは、富山県在住の方が遠隔操作していた。
    接客しているロボットは、病気や障害などで外出が困難な人が自宅から、パソコンやタッチパネルを使って遠隔でロボットを操作しているという。
    現在約20台のロボットが、調理以外のほとんどの工程を担っているそうで、職業支援より孤独の解消が目的なんだとか。
    「ナニコレ珍百景」公式サイト内 2024年3月17日放送内容​より)


    「おお!これは、インクルーシブ教育にもつながる取組だな!」と思いました。びっくり
    インクルーシブ教育というのは多様な個性を持った子どもたちが同じ場で共に学ぶ教育のことをいいます。
    ご存じのように、現在は通常の学校以外に特別支援学校があり、また、特別支援学校に通えないお子さんの中には、支援学校の教師が病院等に出向く訪問学級という制度もあり、病気や障害を理由に多様な子どもたちが別々の場で学ばざるを得なくなっている、というのが実情です。
    別々の場で学ぶことの弊害は、友だちとの出会いや交流の機会を奪ってしまうことにあります。
    本来はもちろん対面で出会いや交流の機会を保障することが一番だとは思いますが、今の世の中、オンラインでの出会いや交流がどんどんやりやすくなってきています。
    こういう技術も、「全く出会いや交流の機会がない」という状況を打破するものとしては、かなり可能性を感じるものであると思っています。
    コロナ禍で登校を制限される子がどんどん出てきた時に、オンラインで自宅から授業を受けるということがかなり一般的に行われていました。
    長期的な不登校の場合にも、「せめて友だちとの心のつながりを持たせたい」との思いから、授業は無理でも休み時間とか朝の会とかだけでもオンラインでつなげて、不登校のお子さんの顔を画面で見ながら、タブレット越しに友だちが手を振る、という光景が生まれました。
    院内学級とか訪問学級といったケースも含めて、「遠隔でつながる」ということは、実験的にどんどんやっていけるのでは、と思っています。
    また、社会に出た後も、今回番組で紹介された会社のように、たとえば寝たきりであったとしても働ける、画面越しに職場でコミュニケーションをとれる、ということができると、どんなにいいだろうと思います。
    皆さんは、どう思われますか?ぽっ
    ▼遠隔操作のロボットカフェDAWNさんの公式サイト
     ​https://dawn2021.orylab.com/


    ・『分身ロボットカフェ DAWN ver.β』とは、株式会社オリィ研究所が運営する、さまざまな理由で外出することが困難な方々が分身ロボット『OriHime』&『OriHime-D』を遠隔操作しサービスを提供している常設実験カフェです。
    私たちはテクノロジーによって、人々の新しい社会参加の形の実現を目指しています。

    (上のリンク先の公式サイトより)


    ↓公式サイトだけでなく、ぜひ、他のサイトで紹介されているのも、見てみてください。大笑い
    (参考サイト)
    ▼​分身ロボットで人々がつながる、日本橋の実験カフェ
     (TOKYO UPDATES(トーキョー・アップデーツ)、2022年09月07日記事
    「分身ロボットカフェDAWN ver.β」常設実験店レポート 難病や外出困難の人達が活き活きと働けるカフェがついに常設店に
     (ロボスタ、2021年6月21日記事)
    ↓こちらの体験レポートもかなり詳しいです!
     先に働いて慣れている人が、後輩に教える光景も!(遠隔で!)びっくり
    ▼​【体験レポート】分身ロボットカフェDAWNは障がいやロボットを感じない最高に楽しい場所だった
    ファミケア様、2024/1/4記事
    #「ロボットがロボットに教える、という光景がとても斬新で、微笑ましく見届けました。」という記述を探してみてください。
    #遠隔でここまでできるんだ!



    「​インクルーシブ教育​」がなぜ必要なのか~『「共に生きる教育」宣言』などから考える その2
     (2023/07/08の日記)

  • 4/20(土)とっておきの音楽祭in篠山に出演します。

    4月になったら、やっぱり怒濤のように忙しくなりました。
    そんななか、明日の夜は地元のラジオに、「とっておきの音楽祭」のPRのために出演します。
    もちろん、音楽祭本番も出ます。
    日にちは、​4月20日(土)​
    兵庫県丹波篠山市の、篠山城周辺の各会場で、各団体がそれぞれ20分ほどの演奏を次々と行います。
    参加者と一緒に歌ったり踊ったりする時間も、かなりありますよ♪

    無料です。というか、入場口とかは特にない、ストリート演奏です。
    田園交響ホール西横の広場に本部テントがあります。
    そこに開催時間帯中に行くと、パンフレットがもらえます。
    そのパンフレットを見れば、どこでいつどんな団体が演奏するかが分かります。ウィンク
    ▼​公式サイトで昨年のハイライト映像をご確認いただけます。
    #僕も映っています!
    「とっておきの音楽祭」は、​障害のある人もない人も、共に音楽を楽しみ、音楽のチカラで心のバリアを取り払いたい、そんな想いが結集し、受け継がれてきた音楽の祭典​です。
    もともとは仙台市で始まったのが、発祥です。
    丹波篠山市でもかなり長く続いており、僕も第1回から、出させてもらっています。
    僕が出演するのは、円応教篠山協会さんの前に設営する特設ステージです。
    教会名でネット検索しても出てきませんが、青山歴史村のすぐ西隣です。
    時間は、13:40~14:05になります。
    その前後にも他のアーティストさんが次々と出演されます。
    僕のステージ内では、みなさんでいっしょに歌う合唱のステージも企画しています。
    能登地震の被災地への祈りをこめて、みなさんで「しあわせ運べるように」を歌いたい!
    また、卒業式の定番曲「旅立ちの日に」も歌いたいと思っています。
    ぜひ、いっしょに歌いましょう。大笑い
    ラジオ出演に関しては、もともとの予定にはなかったのですが、今年から運営委員もさせていただいている関係で、お呼びがかかりました。
    なんと、人生初のラジオ出演です。びっくり
    #ラジオに投稿ハガキが読まれたことは、学生時代に一度だけ、あります。
    出演するのは、丹波市にあるラジオ局、FM放送の「805たんば」です。
    ラジオ出演日時:     2024年4月3日(水) 20:00〜20:45  FM80.5MHz✨
              ↑なんと、明日!
             再放送 4/7(日) 12:45〜13:30
    インターネット放送⇒ ​http://805.tanba.info/internetradio
    もしよかったら、聴いてみてください。ウィンク
    ​​

    【みんなで歌おう】「しあわせ運べるように」
     (2024/02/24の日記)
    「シャボン玉とんだ宇宙(ソラ)までとんだ 2023年公演版」♪
     (2024/01/16の日記)
    「障害をもつ人も、もたない人も・・・」~『クラス合唱名曲秘話 楽譜に書ききれなかったこと』より
     (2023/07/11の日記)

  • 「中絶、不妊強いられた夫婦の半生が映画に」映画「沈黙の50年」

    昨日のブログ​は映画の話でした。
    #すずめの戸締まり
    本日も、映画の話です。
    ただ、今回の映画は上映前の映画の話。
    今朝の神戸新聞に載っていた記事に、目を奪われました。
    中絶、不妊 強いられた沈黙」という大きな文字の柱が僕の目に飛び込んできました。
    (神戸新聞、2024/4/29朝刊社会面(23面))
    兵庫県明石市のご夫婦の半生をもとにした映画が、この5月4日に神戸で初上映されるという記事でした。
    ネット上でそのWeb版を見ることができます。
    ▼​授かった命、何の説明もなく奪われた 中絶、不妊強いられた夫婦の半生が映画に 5月に神戸で初上映
     (神戸新聞NEXT、2024/4/29記事 ※会員限定記事
    旧優生保護法のもと、やっと授かって喜んでいた命を、説明もなく奪われ、その後子どもを授かることもなくなったというご夫婦の話に、「自分がもしこの立場だったら・・・」と思いました。号泣
    ​優生保護法自体は、今は失効していますが、「子どもを産み育てる権利」というのが現代の日本社会でちゃんと守られているのか、みんながそれを認識しているかというと、僕は危うい気がしています。
    優生保護法については、NHKのものが詳しいと思いますので、そちらへのリンクを貼っておきます。
    ▼​旧優生保護法について
     (NHKハートネット)
    なお、上の法律の説明ではあまり出てきませんが、「親に障害があるんだから、そもそも子育てが自分たちでできないでしょう」という考え方も、社会に根強くはびこっているように思います。
    これもまた、障害者への差別にほかなりません。
    20年ほど前ですが、障害のある保護者に対して「親として親の義務を果たせるのか」を心配され、「子どもを持うこと自体に反対だ」と仲間内にぽろっとお話された方がいらっしゃいました。
    僕はそのときに「子育て支援は親だけでなく福祉などのいろいろな領域でいろいろな人が関わっておこなっていくものである」ということをその方にお話ししました。
    その思いは、今も変わっていません。
    そのためにも、みんなで知り、みんなで考えなくてはいけないことだと思います。
    普段はあまりこういった話をする機会自体が、ないかもしれません。
    でも、話題にすることがないと、無意識の差別として、社会全体で何も変わらないまま、結局は法律はなくなっても社会的に差別されてしまうということが、残ってしまいます。
    今回の映画を作られたこと自体が、大変意義のあることだと思いました。
    おそらく神戸以外でも、順次、上映会が行われると思います。
    ぜひ、見ておきたい映画です。
    ▼映画「沈黙の50年」公式サイト
     ​https://aboutme.style/chinmoku50.m
    ▼映画製作の支援を求めるリーフレット
     ​https://ida-hp.normanet.ne.jp/tinnmokuno50nennri-huretto.pdf

  • 子どもたちをつなごう! ~拝野佳生『関係支援を核とした学級づくり』その1

    1ヶ月ほど前に、以下の本を読み終わりました。
    大変共感し、感銘を受けました。

    関係支援を核とした学級づくり 「特別でない」特別支援教育をめざして』
    (拝野佳生
    (はいのよしき)、解放出版社、2023/11、税別2000円)
    タイトルに「インクルーシブ教育」という言葉はありませんが、学校現場におけるインクルーシブ教育の実践を追求している本です。
    「特別支援教育」が個別支援や個別指導に重きを置きすぎていることを問題視し、通常学級の集団内における関係支援こそ重要であると説かれています。
    具体的なエピソードも多数紹介されており、通常学級の中でインクルーシブ教育を実践しようとする際のまたとない参考書になると思います。
    今日から何回かにわたって、本書の内容を読書メモとして残していきます。
    冒頭部分だけでしたら、ネット上で試し読みができますので、皆さんもぜひ、チェックしてみてください。
    出版社公式サイトなどで、試し読みできます。ウィンク
    ▼​〝関係支援〟を核とした学級づくり
     (出版社公式サイト)
    「​版元ドットコム​」でも、「前書き等」のところで、少し読めるようになっています。
    今日は、その冒頭のところから1つだけ、引用させていただきます。
    本書における著者の主張は、次のフレーズに集約されているように思いました。


    ・たまにしか行けない教室で、私がいないときにこそ、子ども同士の支援が必要ではないかと考え、子どもたちを〝つないで〟いました。
    (「はじめに」ⅶより)


    僕も全く同じ考え方で、支援学級担任や、通級担当をしてきました。
    僕が以前働いていた勤務市の特別支援学級担任にとっては、この考え方は、当たり前だったのです。
    「支援学級担任の役割は、周りの子とつなぐことだ」と言われていました。
    ただ、全国的には、これが当たり前の考え方にはなっていません。
    でも、これは、今こそ必要な考え方だと思うのです。
    インクルーシブ教育関係の研修が増えてきて、国連の勧告もあり、子どもたち同士がつながりあって、いろんな子を包摂して一緒にやっていくことが、より一層求められてきています。
    「子どもは、子どもの中で育つ」
    僕が前の勤務市で教わったことです。
    「子どもたちをつなぐ実践」こそ、今まさに僕たち教職員が互いに実践交流をしあいながら、学んでいくべきことではないでしょうか。
    多くの皆様が本書を手に取って、読んでいただけることを、切に願います。
    明日以降のブログでも、本書の中の具体的なところで、僕が印象に残ったところを書いていきたいと思います。ぽっ


    動画「分離教育をやめたイタリアのインクルーシブ教育の挑戦」
     (2023/11/05の日記)

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