月: 2024年6月

  • 「インクルーシブ教育」を考えるテキスト『「みんなの学校」をつくるために』

    「​インクルーシブ教育」に関する本が多く出版されるようになりました。
    一昔前にも「インクルーシブ教育」(障害のある子も通常学級で共に学ぶ教育)に関する実践はありましたが、全国規模ではなく、ある特定の地域で取り組んでいて、なかなか周囲に広がらない、という状況であったかと思います。
    それが、全国的な広がりが見え始めた、と言っていいかもしれません。
    現段階での「インクルーシブ教育」について考えるワークショップがそのまま本になったものがあります。
    読んで非常に衝撃を受けました。
    「インクルーシブ教育」について考える際には、ぜひ読まれてみては、と思います。

    ​『「みんなの学校」をつくるために ~特別支援教育を問い直す~』​
    ( 木村 泰子×小国喜弘、小学館、2019、1500円)
    (リンク先で「立ち読み」ボタンを押すと、試し読みできます。)

    ▼​出版社公式サイト
    このブログでも一時期とりあげさせていただいた映画「みんなの学校」
    2017/6/8「みんなの学校」上映会&木村泰子先生講演会 in兵庫県西脇市
    インクルーシブな学校の代名詞のように使われ始めていますが、やはり、公立の小学校で取り組まれていることがそのまま映画になったというのが、大きいと思います。
    この映画をきっかけに、公立小学校のインクルーシブ教育を考える、というのは、たとえ映画の内容に批判的な考えを持っていたとしても、有効な研修方法ではないでしょうか。
    この本はワークショップを編集して収録したものですが、その場に登壇される先生方が、すごいです。
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    ​木村泰子、小国喜弘、星加良司、川上康則、川村敏明、前川喜平ら錚々たる講師陣の講義を受け、参加した全国各地の現役教員(大空小の現役教員を含む)らが白熱した議論を展開。​​

    (出版社公式サイトより)
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    考えと考えがぶつかりあい、対話から深化を図る。
    非常に質の高いワークショップだと感じました。
    上の商品写真では本のオビが表示されていません。
    オビにはこう書かれていました。
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    ​全ての子どもが安心して学べる「空気」をどうつくるのか――?​
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    本来の欧米型の「​インクルーシブ教育」は必ずしも「障害のある子も通常学級で共に学ぶ教育」だけを指すのではなく、もっと広範囲にいろいろな子どもを包摂する教育を意味します。
    本書では、そういった一歩進んだ「​インクルーシブ教育」に向けての議論がなされます。
    東京大学教育学部「特別支援教育総論」のテキストになっているようです。
    キーワードはいろいろ示されますが、「障害の社会モデル」「学習権保障」の話は、おさえておかないといけないところだと思います。
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    ・「障害」は個人の心身機能の障害と社会的障壁の相互作用によって創り出されているものであり、社会的障壁を取り除くのは社会の責務である。
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    (内閣府​「ユニバーサルデザイン2020行動計画​」より)
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    ・授業のやり方やルール、そういったものをしんどい子に合わせて変えていく努力をすること自体が、インクルージョンの中身なのだということが(障害者権利条約の中で)改めて強調されている
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    (p69 小国喜弘さんの講座より)
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    ・子どもにとって必要でないルールは極力なくしていくという発想が必要
    ・多くの学校で行われている学習規律や学習スタンダードのようなものは問題である

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    (p80 小国喜弘さんの講座より)
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    「〇〇スタンダード」には、利点もありますが、問題もあります。
    市内や学校内で統一してやっていくのは、大切なことではありますが、その中で不適応を起こす子どものことも、考えたうえで、子どもを中心に再考していくことこそ、大事にしていきたいと思います。
    学校現場での非常に具体的な場面に関する再考としては、次のような場面も本書の中で取り上げられています。
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    ・「わかる人?」と挙手を促す場面。
     あれはもしかしたら、わからない子の居場所を失わせている発言かもしれない

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    (p111 川上康則さんの講座より)
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    こういった、現行の教室で当たり前にみられる光景を再考する、というのが、本当に大事だと思います。
    川村先生が本書の最後のほうの対話で、
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    ・私自身は凄い先生でなくていいんです。
     私の役目は何よりも、楽しそうにやっていることです。

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    (p151より)
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    と言われていました。
    僕は、非常に共感します。
    木村先生も、こう言われていました。
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    ・空気は自分がつくるものですね。
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    (p162より)
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    明日の教室を作るための参考となる考え方と、勇気をもらえる本です。

  • 「いろいろな未来のオプションを考えること自体に治療的意味がある」~『心理療法の本質を語る』1

    ​​いよいよ、この本を紹介するときがきました。

    ​『心理療法の本質を語る ミルトン・エリクソンにはなれないけれど』​
    (森俊夫ブリーフセラピー文庫1)
    (森俊夫・黒沢幸子、遠見書房、
    ​2015,2200円)
    僕は森俊夫先生の弟子でも何でもありませんが、著書によって大きく影響を受けた一人です。
    本書を読んだときは、第1章がまるごと、僕の好きな演劇の話だったので、これまた感激しました。
    かなり詳しく演劇のことが書いてあって、これを機会に寺山修司の芝居DVDをネットで取り寄せて観た、というぐらい、またまた影響を受けました。
    僕という人間は森俊夫先生に操られているのかもしれません。
    実際にお会いしたことはないのですけど。
    今日は、森俊夫先生の遺された「心理療法の本質」から、「これぞ」という1点を紹介したいと思います。
    それは、「未来」に焦点を当てる、ということです。
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    『心理療法の本質を語る』
    読書メモ ロゴ​1​​

    ​​​(一応、p134(第4章の終わりまで)より。)​​
    ・未来って思ったようになる(p122)
    ​・とりあえず、いろいろな未来のオプションを考えること自体に治療的意味があるかもしれない。​
    ・最初はなんで予想課題で患者さんがよくなるのか、よくわからなかった。
    ​ でも、予想をすることで未来のオプションをつくっていたのよ。​
     (p123)
    ​​​​・​一直線でもないし、一方向性でもない。全部逆転できるんだよね​。​​​​(p125)
    ​​・何ならできるんですか?
     未来は思った通りになりますからね。
     思わない未来はできませんからね。
     今晩、どんな未来を思うんですか?
     これが心理療法なんですよ​​
    (p128)
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    過去のことで、思い煩っていませんか?
    未来は、あなたとイコールです。
    思わない未来は、こない。
    思えば、未来は、来るんです。
    僕の教育実践の中で、「よそうをしよう」というのがあります。
    予想を考えさせるから、結果がどうなったか、ワクワクしながら学習に参加するようになります。
    ひとごとでは、ありません。
    自分事として、自分の未来を、思いましょう。
    そして、未来の自分にとりもちをつけ、ひっぱられるようにして、未来へ飛んでいってください。
    ほら、意識を、未来へ!大笑い
    森俊夫先生のことを全くご存じない、という方は、安くて薄いブックレットでめちゃくちゃ面白く読める本がございますので、そちらをまずお読みください。(^^)
    その紹介は、僕のこのブログの最初期の頃にしています。
    ​▼​ブリーフ・セラピー(短期療法)は知る価値アリ!!(2006/6の日記)
    「なんだ、こんなカンタンなことだったんだ!」と笑っている自分、思い浮かびましたか?(^0^)

  • 「イメージが伝わっているんです​。」 ~鴨頭 嘉人『夢を叶える5つの力』

    ​鴨頭嘉人さんの『​夢を叶える5つの力​』を読み終わりました。

    『夢を叶える5つの力~根拠のない思い込みで駆け上がれ!』
    (鴨頭 嘉人
    、かも出版・サンクチュアリ出版、税別12000円、CD付)

    【中古】 夢を叶える5つの力 根拠のない思い込みで駆け上がれ! /鴨頭嘉人
    かなり高い本です。
    目ん玉が飛び出ます。
    ただ、僕は過去に1万円の本を買って読んでみたらすごくよかった経験があるので、思い切って買ってみました。ただし、中古で・・・。(^^;)
    本を開いてみて、驚きました。
    かなり高い本だから、文字がびっしりなんだろうと思っていましたが・・・
    文字数少なめで、余白が多い。(笑)
    ただ、本書の場合、この余白がポイントだと言えます。
    かもがしらサンは「炎の講演家」を自称されているのですが、講演でいうところの「間の取り方」を余白で表現されています。
    また、文字数が少ないからこそ、大事なことが要点を絞って短く記載されており、頭の中にスッと入ってきやすいです。
    タイトルには「5つの力」とありますが、ほぼ1つの力です。
    その1つについては、本書でも付属CDでも力強くその重要性を力説されています。
    付属CDでは「炎の講演家」の熱い講演が見事に再現されています。
    このCDだけでも、買う価値があると思います。
    著名人の講演CDというのは、昔から割と高値で販売されていたりしましたが、それを考えると12000円という価格設定もうなづけるところです。
    ただ、かもがしらサンの講演自体はYouTubeで無料公開されているものも多いので、まずはそういったものでファンになって、「これはぜひお金を払って買わなくちゃ」という気になった人向けではあります。
    間口が広いのは、いいことだと思います。大笑い
    結論を言うと、大変いい本だと思いました!
    ​この本で僕が学んだことを一言で言うなら、「未来イメージ」です。
    他の成功者も語っておられますが、「絶対こうなる」「絶対こうする」という、
    ​ワクワクする未来イメージ​
    それを、具体的にはっきりと持って、行動すること。
    これって、本当に大事ですね。
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    ・あなたが発した言葉が伝わるんじゃないんです。
    ​ あなたが喋ってるとき、あなたの脳の中に思い描いている
     イメージが伝わっているんです​。​

    (p339より)
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    また、「依存ではなく、覚悟」というメッセージも、身につまされました。
    日頃から覚悟がなくて環境に依存しているので、そのループを断ち切りたいと思いました。
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    ​・「もしも誰もいなくなっても、俺はやる!
      1人でもやるんだ!」​

    (p371より)
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    かもがしらサンを見習って、
    本から受けた影響を実際の行動に移していきたいところです。
    ちなみに、文字数は少ないですが、本の厚みは、かなりあります。
    辞書みたいな、厚さです。
    さすが炎の講演家、アツイ!(笑)

    ところで、本書付属のCDは「人間力大學」での講演を収録したものです。
    ​人間力​」とは、今まさに求められているチカラそのもの。
    AIが幅をきかせ始めました。
    だからこそ、人間にしかできないこと、人間力が求められています。
    人間力大學」のホームページをのぞいてみました。
    ▼​人間力大學オンライン
    今ならオンラインでの講演視聴ができるんですね。
    利用料も割と安く設定されていました。
    継続して学び続けるなら、こういったサービスに申し込むのもいいですね。大笑い

    鴨頭 嘉人(さんの子どもの、)『自己肯定力』
     (2021/07/04の日記)
    「こぼれ球でいいんです。」 ~税所篤快『突破力と無力』
     (2020/05/31の日記)
    『解決志向ブリーフセラピー』第2回~イメージを描いてから、電信柱を立てよう
     (2007/08/19の日記)

  • 「いじめ」に真正面に対する学校ぐるみのとりくみ

    先月の「いじめ」関係の日記のコメントで、
    Ryanoさんより、情報提供をいただきました。

    Yahoo!ニュースのFNN(フジテレビ系)ニュースで紹介されている
    新潟県の中学校での「いじめ」に対する取り組みです。
    http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/fnn/fnn_top_2.html

    さっそく視聴してみましたが、
    なるほど、確かに参考になる取り組みです。
    (テレビ放送された内容をそのまま動画で見ることができます。)

    11年前、当時中学1年生だった伊藤 準(ひさし)さん(当時13)が、
    いじめなどを理由に自殺する事件がありました。
    その学校がこの学校なのですが、
    確かにその名前には記憶があります。

    「いじめによる自殺があったこと」にフタをするのではなく、
    このように全校を挙げて意識的に「いじめ」に対する取り組みを進めていることに
    非常に敬意を覚えます。

    私の勤務校も阪神淡路大震災の被害が大きく、
    震災教育、「いのち」の教育を学校ぐるみで重点的におこなっているので、
    子どもたちは「いのち」を大切にしようとする意識が育っています。
    学校全体ではっきりとすすめていく
    このことは難しいことかもしれませんが、大変もとめられていることです。

    多分この学校の生徒は毎年ずっと「いじめ」についての教育を受けてきて、
    その蓄積により、身近な出来事で考える以上の、
    もっと広い範囲でいじめをなくすためにどうしたらいいかという
    教師が考えるような高次の課題意識を持っているのではないかと思います。

    ちなみに、この学校で実践されている
    マイノート」(担任と生徒との交換日記のようなもの)は、
    私が不登校補助員で行っていた兵庫県の黒田庄中学校でも実施されていました。
    毎日のことなので全員のものを読んで返事を書く先生は大変ですが、
    その効果は計り知れません。
    担任と生徒が毎日の「交換日記」によりつながりをもてれば、
    いじめに限らずさまざまな悩みや問題事象に早期に気づき、
    早期に対応することができます。

    あと、気づいたことをパソコンに打ち込んで、
    全職員で瞬時に情報の共有化ができるのもいいところです。
    私もこれをやりたいのですが、ちょっと時間がかかるかも・・・(^^;)

    Webで民放のニュースが動画で見られることも知らなかったので
    これを知らせてくれたRyanoさんに感謝です。(^0^)

  • 「アネックス湊川ホスピタル」訪問コンサート

    昨日のブログに書いたとおり、
    しあわせの村のホスピタルに慰問コンサートに行ってきました。

    合唱団の皆さん、そして会場の皆さんと共に
    たくさんの歌を歌ってきました。

    最後には入院されている患者さんと同じ目線で、
    すぐそばで気持ちを込めて「ふるさと」を歌いました。
    患者さんの笑顔で、私の歌う力も引き出されたようでした。

    言葉を交わさなくても、
    目と心で通じる、ということを最近強く感じます。
    「聴く人」「歌う人」という関係であっても、
    それは成立するものだと、あらためて感じた次第です。(^^)

    明日は、午前中キャスト練習(合唱団のミュージカルの役者練習)、
    午後は震災を扱った映画『ありがとう』を観る予定です。

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