月: 2024年6月

  • すべての教科を芸術的に学ぶシュタイナー教育 ~『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』

    前回​・​前々回​と、鳥山敏子『賢治の学校』の読書メモを書きました。
    鳥山敏子先生が「​賢治の学校​」として設立されたのが、
    「​東京賢治シュタイナー学校」でした。
    賢治の思想と、シュタイナーの思想は、重なるところが多いようです。
    「東京賢治シュタイナー学校」公式サイト​の「​賢治とシュタイナー​」によると、
    2人の共通点として、次のようなことが挙げられています。


    ​・一人ひとりの人間が​自分の中にある「本当の自分」​を見つけ出し、自らの“天の才”を最大限に生かして生きていける​
    ​・人間形成における​​芸術​​の重要性​


    これだけでは分かりにくいので、今日はシュタイナー教育にかかわる本を読み返してみたいと思います。
    マンガで描かれたシュタイナー教育についての入門書を取り上げます。

    『マンガでやさしくわかるシュタイナー教育』
    (井藤 元
    、日本能率協会マネジメントセンター、2019、税別1500円)
    ★​出版社公式サイト​に行っていただくと、試し読みができます!ウィンク
     試し読みの部分だけでも、基本的な部分がよく分かります。
     ぜひ、見てみてください。


    ​​​​​・ドイツで生まれ、オルタナティブ教育の代表格として知られるシュタイナー教育は、モンテッソーリ教育とならび、教育界では世界的に有名な教育実践です。
    教科書がなく テストもない、この一風変わった学校で、子どもたちは国語、算数、理科、社会……すべての科目を芸術的に学んでいます。​​​

     (p3より)


    特に幼児教育ではかなり取り入れられているのだとか。
    具体的にどうやって学ぶのか、気になりますよね?
    マンガの中ではもちろん具体的な授業場面も描かれています。
    たとえば、算数。
    (マンガの中では「エポック授業」として紹介されています。)
    日本の標準的な教え方は、「1+1=」とかですよね。
    対応する答えが、ひとつしかない。
    ところが本書で紹介されている教え方は、
    リスさんがどんぐりを見つける、というお話の中で、絵と一緒に
    「6個のどんぐりは、いくつといくつに分けられますか」

    という問いがなされ、
    「6=2+4」
    「6=3+3」
    などの式が示されていました。
    (p46)
    本書の最後の「エピローグ」でも、
    ・無限の可能性に目を向ける「逆向きの足し算」は、シュタイナー教育のあり方そのものを象徴する実践
     (p210)
    と書かれています。
    右辺と左辺を逆にするだけで、いろんな可能性があることに子どもが気づけるなんて!
    「こんな単純なことで!」と、魔法のように思いました。びっくり
    この本を読むと、僕たちが普段よく使う言葉の使い方に関する気づきも、生まれました。


    ​​​・「したいこと」と「せねばならないこと」が一致した状態のうちに、人間の「自由」は見いだされる​
     (p59より)


    「しなくちゃいけないことが あるんだ」
    は、名作「お手紙」の中の「かえるくん」のセリフですが、
    僕は、普段からこの言葉を好んで使っています。

    そうすると、妻から、「しなくちゃいけないと思うことはストレスになる」という指摘がありました。
    僕は、これは、ちがうんだよなあ、と思うんです。
    「いやいや、しなくちゃいけないことは、したいことなんだ」
    と説明していました。
    しなくちゃいけないことと、したいことが一致している状態が、幸せな状態だと認識していました。
    「お手紙」の中の「かえるくん」も、そうですよね。
    そのことが、本書の中にも説明として出てきたので、びっくりしました。
    シュタイナーは、これこそが、「自由」だと考えていたのですね。
    したいことをする自由が、しなくちゃいけないこと、たとえば仕事や勉強と一致する。
    これこそが、理想というやつです。
    いやいややるようなのは、勉強じゃない。
    「勉強」という漢字の語源から言うと、そうかもしれないけれど、
    学習ではない。
    学ぶということの語源は、「まねぶ」から来ているそうです。

    まねをしたいからまねるのであって、それは、自由なものであるはずです。
    強制からは、学びは、生まれません。


    ​​​・子どもたちはすべての教育を芸術的に学んでおり、あらゆる教科が芸術に満たされています。
    ・音楽は音楽の授業でだけ取り扱われるのではありません。
     すべての教科の中に音楽性が満ちているのです。
    ・学びの集大成として、クラス全員参加の「卒業演劇」も行われます。

     (p68より)


    僕は以前、「音楽のような授業」が僕の理想だと書きました。
    釣りキチ三平の作者が実際に受けた授業が、まさに「音楽のような授業」だったと。
    「ミュージカルのような授業」 ~マンガ家矢口高雄さんの体験より

    ほんとうに、今の授業というやつには、もっと音楽などの芸術の要素が必要な気がします。

    本書ではこの後も、子どもの前に立つ教師の心構えや、環境についてなど、非常に気付かされることの多い指摘が続きます。
    ただ、それをいちいち挙げていると、引用が多くなるので、それらを集約した言葉を引用しましょう。


    ​​​​・教師や大人にできるのは、子どもの「環境」として在ることだけです。​
     (p148より)


    子どもの主体性を重視し、大人のあり方を戒める、見事な一文だと思います。
    教師や大人が出すぎてしまうと、子どもの学びを奪うことになるのです。
    宮澤賢治が生徒を連れてよく山や川に出かけたのも、生徒に「環境」を提供するという意味が大きかったと思います。
    子どもの前に立つ教師の心構えを象徴することとして、1つだけ、印象的だったことを、最後に付け足します。
    シュタイナー教育では、教科書を使いません。
    では、国語の学習は、どうやっているのか?
    なんと、「モチモチの木」などのお話を、教師は全文を覚えて、「素話」(すばなし)と言って、暗唱するのだそうです。
    ううむ、シュタイナー教育、本気でやろうとすると、なかなか覚悟がいりそうです。
    ただ、その理想としているところは、すごく分かります。
    教えるということは、教科書を読んで聞かせてできるような、簡単なことではないのですね。

  • 娘が修学旅行から帰ってきました。

    ​コロナ禍に緊急事態宣言により延期されていた修学旅行でしたが、この土日に無事うちの子の修学旅行が実施され、無事に帰ってきました。
    とても思い出に残る修学旅行になったようです。
    娘がいない土日は、少しさびしいものがありました。しょんぼり
    今日は、家に残った弟にも「お姉ちゃんはここと似たようなところに行っているんだよ」と近場の文化財的なお寺に連れて行ってみました。
    でも、弟の方は昔の建築とか仏像とかにはあまり興味がないようでした。(^^;)
    聖徳太子の弟が建てたという由緒あるお寺だったのですが。
    ▼長安寺(京都府北部 福知山市)
     ​https://www.chouanji.jp/
    そうです。お姉ちゃんの修学旅行先は、京都・奈良
    二条城や金閣寺、清水寺など、有名どころを順調に回ってきたようです。

    (写真提供:PhotoAC)
    そして、最後には、僕も子どもの頃から行きたいと思っていた東映太秦映画村が、最終行程に組み込まれていました。
    時代劇の撮影所かと思っていましたが、いろんな映画の要素が取り入れられ、子ども向けのアトラクションも多数あるみたいですね。
    エヴァンゲリオンに乗ったことや、立体迷路がめっちゃ楽しかったことなど、いっぱい土産話を聞かせてもらいました。大笑い
    東映太秦映画村
     ​https://www.toei-eigamura.com/

  • やる気の出ないときの気持ちの切り替えに、BGMの効果!

    僕の通級指導教室では、たまにBGMを鳴らして気持ちの切り替えを図っています。
    今日は、やる気がでなくて、簡単なアンケートに「わからない~」とうにゃうにゃ言っていた子に、スマホで自作のロックを聴かせました。大笑い

    すると、条件反射的に設問に答えるようになり、今までうにゃうにゃ言っていたのがウソのように、「書いて答える」という作業が進むようになりました。
    ううむ、これはまさにBGMの効果ですね。
    上の自作BGMはレースの映像を動画に使っているようにアップテンポで「どんどんいけー」という気持ちになる曲なので、気持ちのテンポを上げるには、向いているかもしれません。
    もし使いたいという要望があれば、ぜひお使いください。(笑)
    僕も、そんなにしょっちゅうBGMをかけているわけではありません。
    ただ、場合によっては、BGMが効果的なときは、あるように思います。
    ゲーム好きな方は、ちょっと想像してみてください。
    BGMが流れる中でゲームをするのと、無音のBGMの中でゲームをするのは、どっちが先に進みたくなりますか?
    子どもたちも高学年ぐらいになると、好きな音楽をかけながら勉強をするということを好む子が増えてきます。
    それは本人の「作戦」なので、そういう作戦を考えて実行する力というのは、むしろ、今後の人生に役立つことだと思っています。
    学校では必ずしも授業中にBGMを流せるわけではないのですが、個に応じた指導をする通級指導教室なら、場合によってそういうことをやってみるのも、いいかもしれません。大笑い

  • オンラインのLD学会は、参加障壁が低い!(^0^)

    ​最近は学会もオンラインです。
    今週末は、LD学会
    ▼​一般社団法人 日本LD学会 第30回大会(神奈川)
    土日がメインではあるのですが、オンラインだと、なんと、今の時期からすでに、多くの講演が視聴できます。

    ICT活用に関する講演動画をいくつか観させていただきましたが、とても勉強になりました。
    特に、杉浦徹先生の教育講演「学びを支える文房具とICT」は、とてもおもしろかったです。
    専門知識がなくても十分理解できるお話しでしたので、ぜひ多くの方に聞いていただきたいと思いました。
    オンラインで、かなり参加の敷居が低くなりました。
    移動時間ナシ交通費ナシは、当たり前。
    以前なら学会のときでないと聞けなかった話の多くが、事前から公開され、事後も視聴できるのです。
    (期間中ずっと視聴できる講演と、ライブ配信の講演に分かれています。
     ただ、ライブ配信に関しても、事後のアーカイブ配信が予定されています。)
    視聴期間は、今回のLD学会の場合、12/31~1/31と、なんと約2ヶ月間もあります。
    これだけ長い期間があると、時間を見つけて、聞きたい話はぜんぶ聞けます。
    あいだをスキップして聞くこともできますし、巻き戻してもう一度、なんてこともできます。ウィンク

    学会員でない方も参加できます。
    いろんなテーマの最新情報を得ることができるので、LD(学習障害)に関心のある方は、ぜひ申し込まれてみては如何でしょうか。
    一般申し込みは12月19日(日)まで受け付けられています。
    【通常申込 参加費】
    会員(一般・大学院生):5,000円
    非会員(一般):8,000円
    非会員(大学院生・親の会):6,000円
    非会員(学部生):5,000円
    お申し込みはこちら → ​http://conference.wdc-jp.com/jald/2021/participant.html​​
    ※​一般公開講演会(プレコングレス)​の参加費は無料です。

  • 教師の立ち方

    集団を前にしたときの立ち方には、意識が必要です。
    ビジネス
    勤務市で講演していただいた菊池省三先生は、
    ​「一人一人に線がつながるように立つ」​
    と言われていました。
    もともとは、斎藤孝さんが、宝塚歌劇団の方の立ち方を解説して言われていた言葉らしいです。
    教師も子どもたちの集団を前にして立ちますが、劇団の人も、観客を前にして立ちます。
    歌手も、そうですね。漫才師も、そうです。
    教師は、立ち方ひとつにしても、そういった他の職業の方に学ぶべきことが、たくさんあります。
    菊池省三先生は、
    「立ったら、肩の力を抜く」
    「3回くらい、ジャンプすべきだ」
    ということも、言われていました。
    菊池先生のお話をお聞きしたのは2ヶ月ほど前なのですが、
    「これは大事なことなので、ちゃんと記録に残しておかなければ!」
    と思った次第です。
    ようやくブログに記録することができました。
    菊池省三先生の映画「挑む」、すばらしかったです。
    2ヶ月前に、第1部を鑑賞させていただきました。
    第2部・第3部もぜひ鑑賞したいと思っています。
    ▼​映画「挑む」第一部、第二部 紹介コーナー
     (教育とコミュニケーションについて考える出版社 株式会社中村堂)

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