月: 2024年6月

  • 逆から読み解く組織経営の本質『サボタージュ・マニュアル』

    ​​​​今年度の締めくくりをすると同時に、そろそろ次年度のことも考えていかなければなりません。
    やはり3月は忙しいですね。
    4月から新しいメンバーで組織を組み直すのは、学校だけでなく民間企業も、そうでしょうか。
    ​組織​というものを考えるうえで、なかなか面白い本があるので、紹介します。


    『サボタージュ・マニュアル 諜報活動が照らす組織経営の本質』
    (米国戦略諜報局(OSS)
    、北大路書房、2015、税込1540円)
    『サボタージュ・マニュアル』、
    つまり、「サボリ」のマニュアルです。
    いかにして組織をダメにするか、というマニュアルです。(笑)
    「こういうコンセプト、非常に面白いなー」と思ったので、ネットで見つけて購入しました。
    もともとは、戦争で敵国を弱体化するために、スパイが敵国内でとるべき行動をマニュアル化したものです。
    一時期、ネット上でかなり話題になったそうです。
    「こういうことをすると組織がダメになる」ということが書いてあるので、
    逆説的に、「この逆をすれば、組織がよくなる」ということもわかる仕組みになっています。
    驚くべきことに、けっこう日常的に「よかれ」と思って僕たちがやっていることが、「組織をダメにする例」として挙げられています。
    たとえば、​会議​です。
    僕たちは組織をよくするために会議をしているつもりですが、
    この本では、組織をダメにする例として挙げられています。
    (詳細はこの記事の最後に述べます。)
    ​リーダーシップ​​についても、少しですが、書かれています。


    ​・「心理的安全」をスタッフに行き渡らせるためには、リーダーシップが重要である​
    ​「君たちの意見が必要だ。私はきっと何かを見落としているだろうから」​
    (p44)


    こういうリーダーになら、ついていきたいと思いますね。ウィンク
    リーダーが傲慢になることは組織にとって損失であり、メンバーのフォローがあって、初めて組織としての活動が成り立つわけです。
    「君たちの意見は必要ない」とはっきり言わないとしても、言外にそれを匂わせている場合もあります。
    そのようなリーダーシップのもとでは、組織として機能しなくなっていきます。
    これは、「学校」という組織だけでなく、「学級」という組織にも成り立つと思います。
    学級の組織と言えば、大多数の学級では、リーダーは「先生」でしょうか。
    メンバーは、所属する子どもたちですよね。
    「先生」が子どもたちの意見に対し、聞く耳を持っているかどうか。
    それが、健全な学級としての分かれ目なのかもしれません。
    ちなみに僕自身は担任を持っていませんが、教職員チームの中でリーダーとして動く場面はあります。
    これを読んで、リーダーシップの観点から、ずいぶんサボっていたなあ、と反省しています。
    もともと、ひとの意見を聞かずに、自分の考えだけでやろうとするところがあります。
    組織のサボタージュを進めていたわけです。
    反省すること、しきりです。号泣
    組織をダメにする例として、​派閥​のことにもふれておきたいと思います。
    人数が多くなってくると、派閥ができてくることが、往々にしてあります。
    ドラマの「半沢直樹」でも、合併後の銀行で、元はどちらの銀行だったかで派閥ができていました。
    この本では、派閥について、次のように書かれています。


    ・人間は興味深いことに、外に敵がいない場合には中に敵をつくって、ローカルな「内集団」と「外集団」をつくろうとします。
    ・ライバル会社との熾烈な争いがあるうちは「敵を外につくることができる」
    (p50)


    本書はアメリカの公的機関が科学的な根拠に基づいて明確になったことを書いてありますので、非常に興味深いところです。
    人間にはそういった性質があるようです。
    学校の先生には異動があるので、これを読んでいるあなたも、4月から派閥のある学校に異動することが、あるかもしれません。
    「そういうものだ」と思っていると、ストレスにはなりにくいかもしれません。
    おっと、これでは解決になっていない。(笑)
    ここまでの引用は、越智啓太さんがアメリカの「サボタージュ・マニュアル」をふまえて日本の読者向けに書いた解説から、引用させていただきました。
    本書には米国戦略諜報局の「サボタージュ・マニュアル」そのものも収録されています。
    そろそろ、「サボタージュ・マニュアル」本文も引用し、その恐るべきマニュアルの一端を明らかにしていきたいと思います。大笑い


    きれいな工場は火災を起こしにくいが、汚れたところでは容易である。
    ・汚れとゴミが十分に蓄積されたのであれば、防火性の高い建物も燃えやすくなるであろう。
    (p84)


    これを読んで、僕の机の周りはいつも汚いので、大変反省しました。
    うおおっ、僕のサボタージュスピリットに机上が侵食されている!
    仕事がパンクして燃え上がるのも、時間の問題でした。
    ううむ、スパイめ。僕の机上を汚くして、燃えやすくするとは、いつの間に!
    あわてて自宅の机上を、少しだけ整理整頓しました。
    あぶない、あぶない。大笑い


    ・何事をするにも「決められた手順」を踏んでしなければならないと主張せよ。
     迅速な決断をするための簡略した手続きを認めるな。

    ・「さらなる調査と検討」のためにすべての事柄を委員会に委ねろ。
     委員会はできるだけ大人数とせよ。(けっして5人以下にしてはならない)

    ・通信、議事録、決議の細かい言い回しをめぐって議論せよ。
    ・「用心深く」するように主張せよ。「合理的」になれ。

    (p113)


    本書の中で最もびっくりするところが、上に引用したところです。
    勤務校は大規模校なので、部会や委員会で代表教員が話し合って決めることが、多々あります。
    そんな中、なかなか会議時間が減らず、簡略化や削減ができず、もうこの頃はあきらめモードで、「これ以上は減らせないよね」という感じになってきています。
    勤務の適正化を図るうえで、「迅速な決断をするための簡略した手続き」は欠かせません。
    ただし、これに対しては「正論」が邪魔をします。
    それによるリスクを検討し、リスクに対する説明責任を検討し、合理的に、用心深く、丹念に準備して、ようやくそのようにすべきだ、という主張がなされます。
    検討に検討を重ねるべきだ、という、一見もっともな主張です。
    何より、リスクに備えなければなりません。
    広くみんなで議論し、時間をかけて、納得できるものを、作り上げていかなければなりません。
    細部まで詰めて、ようやく完成とするべきなのです。
    このとき、それに要する時間的なコストは、あまり考えられていません。
    教職員の給与というのは決して安くないのですが、現状は給特法の壁があり、どれだけ残業したとしても労働に見合ったコストというのは計上されないことになっています。
    民間企業であれば、無駄な会議に参加する人員の時給を計算すると「この会議は〇円分の値打ちがなければならない」ということが計算できます。
    しかし、教員の場合、40人の時間を1時間分とって会議をした場合の自給換算での会議のコストを計算すること自体、ほぼ無意味化しています。そういうコスト意識は大切だと思うんですけど。
    そして、困ったことに、学校には「話し合ったほうがいいこと」が無数にあるのです!
    この本の「組織と会議」のところは、学校の先生こそ読むべきじゃないか、と思いました。しょんぼり
    長くなりましたが、熱が入ってきたので、もうちょっとだけマニュアルを引用します。


    ・あまり重要でない生産品に完璧さを求めよ。
    ・必要な手続きと認可を増やせ。
     1人でも十分なことに、3人が認可をしなければならないように取りはからえ。

    (p115)


    やっぱり、いろいろと身につまされることが多いです。
    たとえば、「学習指導案」とか、内部だけで見合うものだから、文言の一字一句とか、訂正しなくてもいいと思うんですけどね。
    なぜか、みんなで見合って訂正し合う文化が、職員室内には、醸成されています。
    それ自体は悪いことではないのですが…。
    僕は、声を大にして言いたい。
    ​完璧さを求めすぎていませんか!?​
    たとえ外部に出る文書だとしても、誤字脱字レベルのことは、別にあったところで、大した問題ではないのです。
    もっと大事にするべきことがあるのです。
    何を大事にするかを考えましょう。
    そして、大事なことに、時間を集中させましょう。
    選択と集中です。
    なんでもかんでも時間をかけていると、組織が、つぶれますよ!!
    公的機関の場合、税金で運営されている分、市民への説明責任が生じるので、上記のようなことは、非常に多いかもしれません。
    もちろん、税金の使い道は、間違ったことに使わないようにし、説明責任も果たしていかないといけないのですが…。
    このあたりのジレンマは、まだまだ続きそうです。号泣
    いかがだったでしょうか。
    組織運営について考え直したい場合、ぜひ本書を読んで、自分たちの組織を振り返ってみては、と思います。
    ちなみに、続編も出ています。ウィンク
    こちらは、より一層「サボタージュ・マニュアル」を逆説的に利用しようという色合いの濃い本になっているようです。鴻上尚史さんとDaigoさんも、推薦されています。

    『アンチ・サボタージュ・マニュアル 職場防衛篇 組織を破壊から守る9の戦術』
    (R.M.ガルフォード
    ら、北大路書房、2018、税込1980円)
    ​​​

  • 「自分のハードルは、自分で選べた方がいい。」

    昨日の神戸新聞に掲載されていた広告。
    そのキャッチコピーがとても気に入ったので、紹介します。
    ​「自分のハードルは、
     自分で選べた方がいい。」​​

    英語のNHKテキストの広告でした。
    NHKテキスト(NHK出版)公式サイト
    ネットではこのフレーズは出てこないので、昨日の新聞広告限定のキャッチコピーだったのかもしれません。
    NHKテキストの『基礎英語』とか、中高生時代に、めっちゃお世話になりました。
    何十年も続いているのですね。
    サイト上で簡易テストをやっているので、
    久しぶりに英語の問題を解いてみました。
    問題は全8問でした。
    結果は、45点!
    ブランクがあることを考えると、妥当なところでしょうか。

    「解答・解説」を見ると、直感的にはそうだと思ったけれど、頭で考えて別のを選び直した問題が、ことごとく、間違えていました。直感の方が当たっていました。
    もう少し直感を信じたいと思います・・・。
    今は英語を学ぶにしても、いろんな学び方がありますね。
    僕の学生時代よりも、10倍くらいに増えているんじゃないでしょうか。
    今は本当にいろいろな学び方が選べる時代です。
    学校での学習も、変わらなければなりません。
    「みんながするから、する」というのは、そろそろやめていかなければなりません。

    自分のハードルを、自分で選ぶ。
    自分で選んだ目標だから、がんばれる。
    特別支援教育では、かなり以前から「個別の目標」「個別の課題」が重視されてきましたが、すべての子どもたち、すべての人たちに、それを重視する時代が来たと思っています。
    僕も、自分のハードルは、自分で選んで、乗り越えていきます。
    ​自分のことは、自分で決めよう。大笑い

  • 発達障害理解のための基礎と実践講座(竹田 契一・品川 裕香)

    ​​​無料のオンライン講座があって、動画視聴期間が3月末までだったので、遅ればせながらようやく視聴しました。
    非常によい内容でした!

    発達障害理解のための基礎と実践講座
    「発達障害を抱える子どもの社会的自立」
    なんと、まだ申し込めるようです。
    ↓申し込みはこちら
    ​▼第24回 発達障害理解のための基礎と実践講座「発達障害を抱える子どもの社会的自立」​
     ​https://olympia.doorkeeper.jp/events/130211


    <プログラム>


    「読み書きが苦手な子どもの基礎理解と具体的対応」

    ・講師:竹田 契一 氏

    「学力不振といじめと不登校と社会的自立」
    ・講師:品川 裕香 氏

    (申し込みサイトより)


    講師のお二方は、特別支援教育を学ぶ者なら知らない人はいない方々。
    その講演が無料で聞けるとは、またとないチャンスです。
    特別支援教育に関わっておられる方、
    新年度に向けて特別支援教育をしっかり勉強したいと思っておられる方
    ぜひ申し込んで視聴してみてください。
    著書もたくさん出版されておられる先生方ですので、講演が先でも、本が先でもいいですが、ネットの本屋さんで著者名で検索して、気になった本を読まれることもオススメします!
    以下、僕が今回の講演動画を視聴させていただいた感想です。


    「読み書きが苦手な子どもの基礎理解と具体的対応」

    ・講師:竹田 契一 氏 
    <
    僕の感想>
    ・専門的には通級担当者向けの内容ですが、多くの先生方に知っていただきたい内容です。
    通級を新年度初めて受け持つ先生には、特に視聴してほしい!
    ・後半は、具体的な指導方法が紹介されています。
     例えば、僕が指導している子どもの中にも、長音を「こおえん」「ごちそお」という表記だと思っている子がいますが、そういった子どもにどんなワークシートを使えばいいか、示されていました。自分の指導に生かしていきたいと思いました!
    ・単に指導法を紹介されるだけでなく、どの状態になることを目指すのかにも、ふれられていました。
     「自動化をめざす」というのが、ひとつのキーワードかな、と思いました。
    ・漢字が苦手な子に、どの漢字から学習させるのか、という優先順位の話もありました。
     意味が大事なので、「読めて意味が分かる漢字を最初に学習する」というお話は、非常に重要なポイントだと思いました。

    「学力不振といじめと不登校と社会的自立」

     講師:品川 裕香 氏
     
    <僕の感想>

    ・まず「自立」の定義からふれられていたところは、特に障害のある方のライフステージを考えるうえでは、重要なところかと思いました。
    「いじめは絶対にいけないという共通認識が大事」(ゼロトレランス)という主張と、その具体的なところをお話しいただきました。現代の日本の子どもたちの状況を踏まえたお話で、説得力のある内容でした!
    ・子どもだけでなく大人も、「好きな人だけとつながればいい」と考えがちな社会なので、「いろんな人とつながれるようにする」という学校での取組の重要性がますます増している、と実感しました。
    ラジオ体操交換日記など、できるところから、やっていきたいです。
    ・最後の「自分だけは、自分のことをあきらめない!!」という合言葉は、特に心に残りました。


    以下、講師の先生のお話に関係する本の中から、特に僕がおすすめする本です!

    『読み書きが苦手な子どもへの〈つまずき〉支援ワーク』(通常の学級でやさしい学び支援)
    [ 村井敏宏 ]​
    ↑※僕が通級のアセスメントでめっちゃ活用させてもらっている
     「ひらがな単語聴写テスト」がついています!!大笑い
    ​​
    『怠けてなんかない! ディスレクシア~読む・書く・記憶するのが困難なLD』
    [ 品川裕香 ]
     ↑※リンク先の内容紹介だけでも読んでください!!

    ​​
    『心からのごめんなさいへ 一人ひとりの個性に合わせた教育を導入した少年院の挑戦』
    /中央法規出版/品川裕香(単行本)

    ​​
    そろそろ今年度が終わり、新しい年度がまた始まります。
    春休みは新年度準備が非常に忙しいですが、新しく受け持つ子どもたちのために、勉強もしっかりしていきたいところです。ウィンク

  • 新開発「うたいそう」で「世界に一つだけの花」♪

    ​​​今日は、大変画期的な発明をしました♪
    ​うた + たいそう = うたいそう!​

    コロナ禍で学校の授業では歌を思いっきり歌えないことが続いていますが、
    歌は健康にいいのです。
    それに体操をドッキングすれば、これは楽しく、それでいて健康的で、
    身体的にも、精神的にも、とってもいいのです。
    そういうわけで、「うたいそう」を開発しました。
    この体操は、とっても単純!
    両腕を前後に振るだけです。
    これを、腕振りと言います。(笑)
    ぜひ、みなさん、やってみてください。
    動画も作りました!!大笑い

    実は、以前、このブログのアクセス数が258万アクセスを超えたら、
    「世界に一つだけの花」を歌いたい、と
    このブログに書いていたのでした。
    いつのまにか200万アクセス突破!
     (2019/8/19の日記)
    すでに296万アクセスに至っているにもかかわらず、この約束が果たせずじまいだったので、気になっていたところでした。
    (誰も気にしちゃいないと思うけど。)
    そこで、遅ればせながら、1人で歌った録音を、このたび動画と一緒に公開させていただきました。
    伴奏と一緒に歌ったほうが歌がへたになることが判明したので、無伴奏です。(笑)
    カラオケもいいですが、こうやって、1人で何も気にせずに思いっきり歌うのもいいものです。
    この歌のリズムは、体操に大変よく合います。
    あなたも、動画を見ながら、
    レッツ!腕ふり♪
    「うたいそう」で検索すると、5秒前に動画をアップしたばかりなのに、もう検索の上位に出てきました。
    ぜひ、「うたいそう」の合言葉を覚えて、お近くの方に広めてください。
    それではまた、お会いしましょう~。大笑い​​​

  • よいことだけをフィードバックして増幅する ~『見て分かる困り感に寄り添う支援の実際』を読んで

    ​​​​​年度末です。
    今回は、ある1つのサイクルの終わりに意識したいことを書きます。
    年度末に限らず、1時間の授業、10分間の指導など、あらゆるスパンで応用できるはずです。
    少し古い本ですが、『見て分かる困り感に寄り添う支援の実際』という本があります。

    見て分かる困り感に寄り添う支援の実際 通常の学級に学ぶLD・ADHD・アスペの子どもへの手立て 学研のヒューマンケアブックス』/佐藤曉【著】(2006) 【中古】
    位置づけとしては、「特別支援教育の入門書」という位置づけになるでしょうか。
    「支援のありかた」について、かなり具体的に示されています。
    この本の中には、いろいろな手立てが写真つきで紹介されています。
    知識やスキルが不十分な人にとっては、格好の入門書になること、うけあいです。
    一方で、経験が十分にある人にとっても、それぞれの具体例の背景にある「考え方」には、非常に学ぶべきものがあります。
    僕が特に覚えておきたいと思ったのは、本書の第9章「保護者とともに子どもを育てる」のところです。
    p157に、次のような記述があります。


    〇子どもをとがめることばは 一切使わない。
     宿題ノートを見て、「もっときちんと書きなさい」と責めるのをやめ、
     ​「(上手に書けているところを指しながら)この字で書いてね」​​
     とさりげなく言えると、子どもとの関係は変わる。
    (p157より)


    この部分を読んだとき、衝撃が走りました。
    「そうか!モデルを大人が示すのではなく、モデルを子ども自身の中から見つけていくんだ」と気づきました。
    大人は、「こうしろ、ああしろ」は、いっぱい言います。
    僕も、言います。
    言いたくないのに、気づいたら、言っています。
    そして、子どもは、いやになります。
    関係が、悪くなります。
    悪循環です。
    悪循環を、良循環に変えていかなければいきません。
    そのために、どうするか?
    よいことの種は、すでに子どもの中にあるのです。
    見ようとして見れば、見えるはずです。
    見つけるのです。
    子どもの中のよいことを、見つけて、ただ、知らせるだけです。
    それだけで、いいのです。
    p165には、こんなことも書いてありました。


    ​​ 当然、プリントが最後まで終わらない日もある。
     しかし、そういうときは、時間内にできたところまでを切り取ってノートにはった。
     ノートには「できたこと」だけが残るので、宿題への嫌悪感がなくなる。
    (p165より)​​


    最後に残るのは何か、ということ。
    自動的に残るままにしておいたら、
    よいことも、悪いことも、コントロールできないままです。
    最後に残すのは何か。
    それは、決められるのです。
    「できたこと」だけを残すことも、できるのです。
    上に引用したアイデアは、保護者のアイデアだそうです。
    こういうことを思いつくということが、「すごいなあ」と思います。
    僕たち教員は、もっと保護者から、子ども本人から、学ばないといけませんね。
    先ほど引用したページをめくると、冒頭に次のような言葉が、書いてありました。


    ​​ 教師が保護者への対応で困っているとき、
     保護者は、その何十倍も「担任対応」に苦慮している。
    (p166より)


    自分の視点だけに偏ってしまう、自分がいます。
    アドラー心理学で言うところの、「悪いあの人、かわいそうなわたし」状態です。
    視点を保護者に移すことを、さりげなく、そっと教えてくれる本書は、気づきの指南書です。
    いつものように、自分が特に印象に残ったところだけを引用しました
    第9章だけの引用になりましたが、全体は、10章立ての本になっています。
    本書全体の紹介は、紀伊国屋書店のサイトにありましたので、最後にそちらも載せておきます。


    『見て分かる困り感に寄り添う支援の実際』
    通常の小中学校の児童生徒の6%がLD・ADHD・高機能自閉症であるという。しかし専門性のない通常学級の先生方は子どもたちの困り感に合った支援、教育は難しい。そこでその具体的な支援をどのようにしたらよいかが、見れば分かる本。
    目次
    第1章 子どもが安心する環境整備
    第2章 子どもが安心する規律づくり
    第3章 課題と手だてのある授業
    第4章 形式のある授業・保育
    第5章 係・班活動と学級の自治
    第6章 学級の人間関係づくり
    第7章 個別支援はこうする―小・中学校
    第8章 個別支援はこうする―保育園・幼稚園
    第9章 保護者とともに子どもを育てる
    第10章 組織支援の取り組み
    (紀伊国屋書店Webサイト内、書籍情報より
     ​https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784054031524​)


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