カテゴリー: 共に生き、共に育つ

  • 『耳の聞こえない人、オモロイやん!と思わず言っちゃう本』

    とっても素晴らしい本を読み終えました!
    自分の中でホットなうちに、ご紹介します。大笑い

    『耳の聞こえない人、オモロイやん!と思わず言っちゃう本』
    (手話エンターテイメント発信団oioi、編著:大谷邦郎、 星湖舎、2019、税別1500円)


    内容紹介(「BOOK」データベースより)

    耳の聞こえない人はみんな「電話できない」「音楽を聴かない」「カラオケで歌うなんて無理」「全員手話を使う」…。それって実は思い込み!とっても奥深い「聞こえない人の世界」を一緒にめぐってみましょう!

    (商品リンクのリンク先ページより転載)


    聴覚障害者の本音をインタビューした本。
    この本は、本当に、すべての方にオススメしたい本です。
    知らなかったことを知り、考えさせられることで、本書に出合う前と、出合った後で、きっと何かが変わることでしょう。
    ​​クラウドファンディング​で多数の応援を得てできた本​です。
    この本を出版してくださったことに、感謝です。
    これは、本当に、全ての人に読んでほしい。
    いろんな本音が、赤裸々に、書かれています。
    「まずは、知ることから」
    楽しく、面白く読める本ですが、それだけではありません。
    大切なことが、本当に大切なことが、書いてあります。
    この本には、いっぱい線を引き、いっぱい、ページの端を折りました。
    詳しい本の中身はまた改めてご紹介したいと思います。​ぽっ
    oioiさんの手話パフォーマンスは「とっておきの音楽祭」で体験させていただきました。
    とっても楽しかった!
    楽しいことを入り口に、知ってもらう。
    このコンセプト、僕は好きです!

    楽しくバリアクラッシュ! 手話エンターテイメント発信団oioiさん
     (2023/04/26の日記)

  • 一緒に過ごすから分かる! ~星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編』

    以前読んだコミックエッセイがおもしろかったので、続きを買って読みました。
    ​​
    ↓以前買った本のブログ記事は、こちら。
    日本育ちのアフリカ少年のコミックエッセイ! 星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』
    上のリンク先記事を読んでいただければ分かるように、
    アフリカ少年が日本で育ち、暮らしてきた実話が、
    読みやすいマンガになっています。
    ↓そして、こちらが、その続編です!大笑い

    まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編
    (星野ルネ、毎日新聞出版、2019、1100円)
    この本の中に、「インクルーシブ教育」にとっても関連が深いと思えるエピソードが出てきます。
    少し長くなりますが、引用させていただきます。
    p.42「天使が生まれる時」より


    ・小学校に上がった時
     全校生徒が頻繁に僕を見物にやって来た。
     心ない言葉も漏れてきた。
     そんな居心地の悪い状態から守ってくれたのも
     同じ学校の生徒達だった。
     (略)
     僕をかばってくれた守護天使たちの正体は
     保育園で親友になった生徒達だった。
     彼らと保育園で出会った当初は
     彼らも僕を不思議な様子で見ていた。
     よく知らない相手のことを思いやったり優しくするのは難しい。
     直接会って話したり遊んだりして
     初めて同じ人間だと実感できる。


    「インクルーシブ教育」は、障害の有無など、いろいろな違いを包摂して、いろいろな子どもたちが同じ場で共に学ぶ教室をめざしています。
    その対義語は、「エクスクルーシブ」=「排除」になります。
    日本は、同質性社会と言われ、1人だけ違っていることが、排除の対象になりやすいと言われています。
    ただ、人間と人間の相互理解は、幼い頃からずっと一緒にいることで育まれます。
    実は、「インクルーシブ教育」以前に「インクルーシブ保育」というものがあるのです。
    小学校以前の保育園の頃に、どんな子も受け入れて一緒にやっていくという実践のことです。
    こちらのほうが日本では古くから一般的であったかもしれません。
    もうひとつ、本書から特徴的なエピソードを紹介しましょう。
    本書の主人公ルネくんのお母さんについてのエピソードです。
    (本書p68「家族の副音声」)
    アフリカから来たお母さんは、日本語をカタコトでしゃべります。
    ルネくんと、ルネくんの友だちは、そのお母さんの話を一緒に聞いていました。
    しかし、友だちは、後で「半分くらいしかわからんかった」と言います。
    息子であるルネくんは、このことに衝撃を受けます。
    そして、自分が母親の日本語を理解するエキスパートになっていることに気づくのです。
    ルネくんは

    話の理解度は その人と話した時間 共有した時間に比例する!
    ​​​とまとめています。
    「その人と話した時間 共有した時間」の大切さがわかるエピソードです。
    だからこそ、「インクルーシブ教育」では、「普段は別の場所にいる者が部分的に交流する」のではなく、「同じ場で共に過ごすことを基本とする」ことをめざすのです。
    僕が今書いているブログ記事の記事カテゴリは「​共に生き、共に育つ​」ですが、
    意外にも楽しく笑いながら読めるコミックエッセイのなかのエピソードから、
    「共に生き、共に育つ」を考えることができました。
    考えるきっかけは、どこに落ちているかわかりませんね。ぽっ
    最後に、これは「インクルーシブ教育」とは何の関係もないのですが、本書でおまけのように最後に紹介されていた、あるテクニックのことも、書いておきましょう。
    本書はネット上に公開されたマンガがもとになっているのですが、それが人気を呼び、書籍化されたものです。
    人気になった理由はいろいろあると思いますが、著者はネット上で楽しく応援してもらえるように、ある工夫をしていました。
    それが、「ジンクス」をくっつける、というものです。
    例えば、「いいねがつくとたんぽぽの声が聞こえてきます」(p121)というような言葉がネット上のマンガに添えられていたそうです。
    こういう一工夫、いいですね。
    僕は「インクルーシブ教育」を全国に広めたいと思っていますが、そのためにあまりまじめになりすぎるのではなく、こういったユーモアを交えながら、楽しくやっていくことも大切だなあと思いました。
    では。
    このブログ記事に「いいね」をつけると、ひまわりが咲きます。大笑い
    ツイートすると、ツルが飛び立ちます。大笑い

    ▼​『耳の聞こえない人、オモロイやん!と思わず言っちゃう本』
    日本育ちのアフリカ少年のコミックエッセイ! 星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』
    5/12(金) オンライン無料「『一緒じゃないとあかんねん』――フルインクルーシブ教育の町大阪府豊中市で生きる」​​​
  • 通常学級内の子ども同士での教え合い(「つながりこそが大事」)

    昨日の投稿​に続き、インクルーシブ教育関連の僕の過去の発表原稿から、「これは、今も皆さんに伝えたい」と思った内容をご紹介します。
    今回のテーマは、「通常学級内の子ども同士での教え合い」です。
    インクルーシブ教育を考えるうえで、とても重要なテーマであると思います。ウィンク


    通常学級内の子ども同士での教え合い
     教師が通常学級での授業に入り込んで支援することが有効であっても,「その子だけにつく」という方法は,担任や周囲の子どもたちにとって,「あの先生に任せておけばいい」と関わらなくなってしまうというデメリットがある。
     通常の授業時間においては,担任や周囲の子どもたちと対象児童とのつながりこそが大事である。
     漢字を書くことが苦手な児童が,周りの児童と一緒に漢字テストに取り組む中で,成果を出していった事例がいくつかある。
     あるクラスでは,漢字テストで基準点をとらなければ再テストを受けることが繰り返されていたが,該当児童は漢字を書くこと以前に読むことがなかなかできていなかった。そこで,漢字テストの問題の漢字をすべて読むためのシートを作成し,通常学級用に担任に手渡した。担任はそのシートをめくりながら読めたものには印をつけていき,その印が増えていくことを励ましていた。そうするうちに周りの子どもたちがその子どもを応援するようになり,ついには全部の漢字が読めるようになって,周りの子どもたちと一緒に大いに喜び合ったと聞いている。
     ほかにも単学級でクラスの結びつきが大変強い状態で高学年に上がってきたあるクラスにおいて,漢字の問題を隣の子ども同士でお互いに出し合う,という取組があった。相手のことを十分理解している状態で子ども同士が関わると,相手のためを思って漢字を出題したり,相手に分かりやすいように間違いを指摘したり,心から相手を応援するように声かけをしたりということが自然になされた。
     間違いを指摘されてもその友だちとの関係が良好であれば受け入れられる。むしろ,教師から間違いを指摘された時よりも,次はがんばろうという意欲につながる。その結果,めきめきと漢字が覚えられるようになっていったことがある。
     そこに通級担当は全く関わっていないが,それこそが目指すべき状態であると感じている。
    (2018 N市人権教育大会レポート「読み書きに困難のある子の学習保障」より抜粋)


    子どもが主役の教室になっているでしょうか?
    ともすれば、子どもの代わりに自分が主役になってしまっていないでしょうか?
    教室は、子どもたちのためのものです。
    子どもたちに、ゆだねましょう。大笑い
    この原稿は通級担当の立場から書いたものですが、子どもたちの学びを支えようとクラスの中に入っている大人に心がけてほしいことを書いたつもりです。
    出すぎて、ませんか?
    同じように「支援」を仕事にしている方々に、もしも参考になるところがあれば、幸いです。ぽっ

  • 「べてるの家」の記事へのリンクを復活させました。

    明日は、「インクルーシブ教育」の話をするため、神戸に行ってきます。
    たぶん、「あんたはどこの馬の骨やねん」と思われます。しょんぼり
    そのため、「私の経歴」というスライドをひとつ入れようとしていました。
    学校勤務なので、その関係の経歴だけ入れようと思っていたのですが・・・
    昨日ちょっと思うところがあって、学校とは関係ない活動も、入れておこうと思いなおしました。
    大事だと思うんですよね、
    学校とは、ちがう活動
    僕の場合、仕事に大きく影響を与えたと思える「学校外での活動」が、2つあります。
    2006年の「​北海道のべてるの家の訪問​」。
    2015年以降、ほぼ毎年関わらせていただいている、丹波篠山の「​とっておきの音楽祭​」。
    2つとも、このブログの過去記事で、取り上げています。
    よろしければお読みいただければと思います。
    実は、「べてるの家」を訪問した時の日記は、埋もれてしまっていて、書いた僕でさえ見つけるのが大変でした。
    その記事のことを参照しているはずの別の記事も、リンクが機能していなくて、元記事にたどり着けない状態でした。
    そんなわけで、下の2006年の記事にも、今更ながらリンクを加えて、記事をちゃんとたどれるようにしています。ウィンク
    自己のアイデンティティを言い切るということ(例「明治ですから!」)
    「べてるの家」のことは、数か月前に読んだ、次の本にも出てきました。

    『生きづらいでしたか? 私の苦労と付き合う当事者研究入門』
    [ 細川 貂々 ]

    貂々さんの、コミックエッセイ。
    書かれていることは、みんな、本当のことです。
    この本は、とにかく読みやすくて、とってもおススメ。
    自分には、思い当たることがありすぎて、涙なしでは読めない本でした。
    そして、だからこそ、勇気をもらいました。
    「べてる」のことは、書きだすときりがないのですが、ひとつだけ紹介すると、上の本の中に、次のような記述が出てきます。


    ・「べてる」には

     人の視線や評価を気にする文化がないんですよ
     あれをやったらどう思われるか?っていう文化がないから

     すぐに自分の言いたいことを言えるんです
    (p53 向谷地さんの言葉より)


    明日は、自分をさらけ出してこようと思います。大笑い

  • 「支援」は、しすぎないこと

    今日は、インクルーシブ教育の学習会で話をしてきます。
    大きくざっくり言うと、「学校での支援のあり方」みたいな話になる予定です。
    その冒頭で示そうと思っているスライドが、こちら。
    勤務校の職員研修用に作ったものです。

    上のスライドで唯一線を引いているところが、
    ​しなくていい支援はしない。​ぽっ
    学校には、いわゆる「支援員さん」がおられて、いろいろなサポートをしていただいていて、ほんとうに助かっています。
    でも、ときに、「べったり付きすぎ」て、依存を生んでしまったり、友達同士でサポートし合うことを阻害してしまったりすることもあります。
    僕自身も今までに、親切心から「支援を要する子」につきすぎてしまった反省があります。
    支援をしすぎないことは、ほんとうに大事だと思っています。
    昨日​紹介した本の、昨日の引用ページをめくった続きのところに、こんなことが書いてありました。

    『生きづらいでしたか? 私の苦労と付き合う当事者研究入門』
    [ 細川 貂々 ]


    ・どんな問題やトラブルでも
     その一つ一つは大事な経験の一部なので
     簡単に取り去ろうとしないように
     心がけています
     (p54)
    ・べてる的な文化の中で仕事をする専門職は
     「何をしないか」を見極めることが大事
     (p55)


    失敗体験を積み重ねすぎてしまって自信をなくしてしまっている子には、成功体験に導いてやることも、必要かもしれません。
    でも、基本は、子どもには失敗する権利もあるのです。
    2日前の記事​で、クラスに入り込みをして、支援をするという話を書きましたが、その場合に僕が心がけているのは、「離れて見ておく」の比率をなるべく多くすることです。
    「何もしていない」ように見えるのが、一番いいと思っています。ウィンク
    P.S.
    僕は子どもの頃から大のマンガ好き。
    子どもの頃に読んだ「奇面組」の中に、次のような言葉が出てきたのを思い出しました。
    親切心の逆効果
    親切にしたいという気持ちは大切だけど、それが裏目に出ることもあるので、気をつけたいところです。
    自戒を込めて・・・しょんぼり
    ​​
    ▼​特別支援教育にかかわる標語をつくってみた!
    「インクルーシブ教育」を考えるテキスト『「みんなの学校」をつくるために』

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