もっとも大事な2つは、「運動」と、「仲間との連帯」 ~アンデシュ・ハンセン『メンタル脳』その2
一昨日の『メンタル脳』読書メモは、「その1」とタイトルコールしていました。
今日が、「その2」です。(最終回です。)
『メンタル脳』 (新潮新書)
(アンデシュ・ハンセン、新潮社、2024/1、1100円)
若者向けの本書ですが、以前僕が読んで感動した『運動脳』と同じように、運動の効用も分かりやすく紹介されていました。
「成績を上げた実験」という項目を引用します。
・週2回の体育の授業以外にも、生徒が毎日身体を動かせるように計画されました。体育の授業のない日には30分の運動の時間が組み込まれたのです。
・校長はこの「パルス(心拍数)・トレーニング」が生徒を最も強化したと感じたそうです。
・前ほどストレスや不安を感じなくなり、自信もついたのです。
(p130~131より)
『運動脳』でも、メンタル面における運動の効果が科学的に書いてありましたが、ここでもアンデシュ・ハンセンさん、やはり運動を推しておられます。
経験的に、僕も、大変うなずける話だと思いました。
一時期「朝の読書」というのがはやりましたが、「朝の運動」というのも、毎日の習慣として取り入れてみると、よさそうです。
「運動」のほかにも、『メンタル脳』が推しているものがあります。
本書の後半には、「笑うこと」について、特に、「みんなで笑うこと」について書いてありました。
「みんなで笑うことの意味」というところです。(p143~)
お互いに知り合いでない人たちであっても、みんなで笑うことによって、脳内に多くのエンドルフィンが放出され、痛みを我慢できる時間が増えたそうです。
「幸福」を感じている、ある部族について書かれているところも参照しておきます。
本書のまとめとしても使えそうな記述でした。
・(幸福度に)特に強く影響していること
「よく身体を動かしていること」
「仲間と連帯していること」
(p183)
一般には「運動」「質の良い睡眠」「友人」の3つがメンタルの不調から僕たちを守ってくれると言われているようですが、本書では、上の2つさえ満たされていれば不眠も非常に少ないということが書かれていました。
そうすると、もっとも大事な2つは、「運動」と、「仲間との連帯」ということになります。
今、学校教育の中でも、「1人で学ぶ」というスタイルから、「仲間と学ぶ」というスタイルへの転換がなされてきています。
僕も、そのスタイルを推奨しているひとりです。
子どもたちが幸せに学校生活を送るために、「運動」と、「仲間との連帯」は、意識して重視していった方がいいかもしれませんね。
▼アンデシュ・ハンセン『運動脳』その4 ~「運動以上に記憶力を高められるものはない」
(2023/02/10の日記)
▼アンデシュ・ハンセン『運動脳』その6 ~「体育の授業を毎日実施したら、●●でもよい成績を取った」
(2023/02/12の日記)