【実践】漢字の読み書きが困難な子どもがみんなと共に学び合えるようにする提案授業(小4「漢字の広場」の授業) ~僕は、こう考えたんだ。~

ずっと書きたかった、9月13日に僕がした授業について、書きます。
13日のブログ​に、ちょこっとだけ書いていた授業です。
​漢字の読み書きが非常に苦手な子どもが、いきいきと参加する
小4国語「漢字の広場」の授業​
です。

漢字の広場」というのは、光村図書の国語教科書にある小単元です。
ある小学校での授業実践が写真付きでネット上で公開されていました。
どんな教材かを知ってもらうため、そちらへのリンクをまず貼っておきます。
僕が授業したページと同じページの授業です。
   ↓
▼​4年生 国語「漢字の広場」
 (栃木県大田原市立両郷中央小学校ホームページ内)
上のサイトを見ていただければわかるように、「漢字」の学習をする授業になります。
#「漢字の広場」だから、当たり前かな。

正確には、前年度に習った漢字の復習ですね。ウィンク
前年度に習った漢字を使って、文を考えて、書く」というのが、想定される学習内容になります。
ただ、その想定の通り普通に授業をやったら、僕が通級でみている子は、何も書かないまま、授業が終わってしまいます。
一般的には、普通の4年生は3年生の漢字は当然読み書きできると思われているのかもしれませんが、僕の想定している子や、その子に似たところがある子は、前年度に習った漢字の読み書きが基本的にできません。「できる」前提で授業を計画されたら、そういう子はおいてけぼりです。
#やめてー。置いてかないで~。しょんぼり
なので、僕は、「漢字」がメインでない「漢字の広場」の授業をしないと、その子が実質的にほとんど参加できない、と考えていました。
そこで、「漢字」がメインでない「漢字の広場」の授業というのを考えました。大笑い
そして、担任にお願いして、「僕に代わりにクラス全体で授業をさせてくれ」と頼みました。
#「漢字の広場」なのに「漢字」を最重要視しない。
#そういうチャレンジをするのが、大好きです。
#へそまがりです。
#インクルーシブな授業を追究するため、あえて、実験的に、挑戦してみました。
​ここから、僕が考えたアイデアについて書いていきます。​

​まず、前提として、​班での協働学習​とします。​
個人の「一人学び」に任せてしまうと、クラスで数人、書けない子が想定されます。
書けない子がいても、周りの子が関わるという時間・環境を保障してやることが必要です。
そういうことは、以前該当のクラスで社会科の授業をした時にも、念頭に置いていました。ぽっ
支援を要する子どもも一緒に学ぶ小4社会科の授業実践にチャレンジ!
今回の授業の場合で具体的に言うと、一人ひとりがそれぞれ漢字を使った文作りをするのではなく、班でひとつの物語を考えさせることにしました。
班員による、リレー作文です。
そうすることで、書けない子の順番がまわってきてその子が困っていたら、周りの子が一緒に考えて、文を作っていくことができます。
また、上のリンク先の、前の社会科の授業でもやったのですが、
「動作化」「劇化」​
が、楽しくするためのキーになります。
従来の国語授業は、子どもたち全員が言葉の理解や読み書きができる前提に立ちすぎていると思っています。
#そんな子ばかりじゃないんだってば!
#いろんな子がいます。
#学びにくい子のことも、考えて~
具体的には、班のみんながリレー作文で考えた物語に、動作をつけさせます。
あとで、考えた物語を発表する時に、実演させます
これだけで、かなり楽しくなります。
子どもたちの目が離せない、楽しい発表になります。
#実際、そうなりました。
#楽しすぎて、たまらなかったです。
#演技派が、いっぱいいました。

授業実施前日に、石川晋さん(NPO法人授業づくりネットワーク理事長)に、
「こんな授業を考えているんですけど、どうでしょう?」
と、プランを聞いてもらっていました。
お話しする中で、僕の頭の中のプランは、さらにくっきりはっきりしてきました。
#石川晋さんとのオンライン対話を月1回やっています。
#漠然と考えていたことがくっきりはっきりするすばらしい時間になっています。
やっぱり対話しながら整理していくって、大事です!
​班のなかでの「対話」と「動作化」で、
各自が創作した物語文を劇化する授業にする​
ことが、この時点で決定しました!
では、ここからは具体的に、どんな授業だったかを、前日までの準備と、当日の実際に分けて、レポート風にお伝えします。スマイル
<事前準備 3点>
使用する漢字のカードを作成(実際は使用せず)
 「この漢字を使って書く」というのをカードにして班ごとにくじ引きみたいにして引かせることを考えていました。
 ただ、カードの準備は、授業の実施が急遽1日早まったので、結局準備できませんでした。
#次回は、カードも用意するかもしれません。
ワークシートの作成
 班ごとに1枚ワークシートを配るということを考えていたので、
 「こんなワークシートでさせようと思いますが、いいですか?」
 と、2日前に担任に渡していました。
↓こんなのです。

担任からは、「とても、いいですね!」と言ってもらいました。ぽっ
使い方としては、
(1)班で相談し、どちらの物語の6コマの絵に沿った物語を作るかを選択します。
(教科書には、おむすびころりんと、浦島太郎の物語の絵が時系列で並んでいます。)
(2)上に並んでいる数字のところに、文を考える人の名前を書いていきます。
   (リレー作文なので)
(3)1の数字の下には物語の1つめの絵に合う文を書き、2の数字の下には次の人が2つめの絵に合う文を書く・・・というふうに、リレー形式で、続けていきます。
(4)4人班を想定しているので、5番目と6番目のところは、それぞれ、1番と2番の人がもう1回入ります。
#5~6人の班だと手持ち無沙汰な人が現れるかもしれないので、4人班としました。
#2巡目に突入します。

なお、本番では漢字が全く書けない子がいることを想定し、
その順番の子は、文を考えるのであって、書くのは他の人が書いてもよい
と説明をしました。
#書けない子にとっては、「他の子と一緒に文を考える」のが、めあて。ウィンク
#子どもによっては、漢字を書くことは必ずしも重要ではない。

Padletで情報共有の場所を作成し、リンクを取得し、クラスのチームズに貼る
 ※Padletについては、9月12日のブログに書きました。
  Padletをご存じない方は、下の過去記事を先にお読み下さい。
   ▼【ICT活用授業】Padletで共有!
 各班が考えた文は、文ごとにPadletの電子掲示板上にアップしていき、
 「ほかの班の人は、こんな文を考えている!」
 というのが、途中で随時みんなから確認できるように考えました。
 そうすることで、文を考えるのに困った場合に、それを参考にして考えることができる、と思いました。
 #一人一台端末の有効な活用法として言われている「途中参照」です。
  (勤務市ではそういう使い方が一部で奨励されています。)
 #全部できあがる前の、途中の段階で、各自が参照し合えます。

 この授業のために、ずいぶん前に、Padletで次のような場所を作っていました。
 ↓

実は、Padletでは、上の画面の形式とちがう投稿形式も、選べます。
「シェルフ型」というのが、今回の授業に合っているかも、と直前に気づきました。
迷いに迷った末、今回の授業は、シェルフ型を採用することにしました。
↓こんなやつです。

上の画像は、実際に授業で使ったPadletの画像です。
なので、画像内に、子どもたちが投稿した文がすでに入っています。
ただ、子どもたちが考えた文の著作権は子どもたちにあるので、ここでは読めないように加工しています。
#めっちゃおもろいので、ほんとは読んでほしかった。
#該当範囲を範囲選択してサイズ縮小してからもとのサイズに戻して、簡易的にぼかしています。

「シェルフ型」は、「1」の数字の下に「1」のグループの投稿をし、
「2」の数字の下に「2」のグループの投稿ができるといった使い方ができるのが、特徴です。
各数字の下にある「+」ボタンを押せば、そのグループに投稿できるのです。
#自分で判断して、グループに分けて投稿できる。
今回の「漢字の広場」は、「6つの文を班で順につくる」という課題だったので、「1」から順番に、各班から投稿してもらいました。
タブレットは、班に1人だけ取りに行かせ、班に1台としました。
#このクラスの子は、日頃タイピングゲームに興じているので、タイピングが速い子が多いです。
#Padletを使わせるのは初めてでしたが、ばっちり、投稿できていました!

​​​​​​​​​​
実は、計画段階では僕が各班の進捗状況を写真に撮って、それを随時アップしようかと思っていましたが、そんなことをしなくても子どもたちで途中状況をスムーズにアップしていけていたので、「案ずるより産むがやすし」だな、と思いました。
#おかげで僕のすることが減って、ラクになりました。(笑)
おっと、すでにめっちゃ長く書いてしまいました。
すでに当日の様子も混ぜて書いてしまっていますが、
当日の授業の詳細レポートは、また明日、改めて書きます。
明日も休日なので、ぜひ、見に来て下さい!ウィンク
​​
当日の授業は、ほんとに、楽しかったです。
ぜひ、記録に残しておきたい授業になりました。大笑い
それでは、また明日!

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