「好奇心のスイッチ」が入ると、子どもは自ら学びだす! ~『探究の達人』その2
前回に引き続き、この本に書かれていた内容を、参照していきます。
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『探究の達人 子どもが夢中になって学ぶ! 「探究心」の育て方』
(神田 昌典・学修デザイナー協会、実業之日本社、2023/3、税別1500円)
上の商品画像には載っていませんが、この本のオビに書いてあることは、僕は、大賛成です。
・「好奇心のスイッチ」が入ると、子どもは自ら学びだす!
(オビより)
前回はいきなり「あとがき」を参照したので、今日は順番通り、「まえがき」から参照しましょう。
この本の「まえがき」では、「探究学習」のメリットが、以下のように書かれています。
・子どもたちは、自分の夢と学びが直結する
・保護者は、自分が取り組む仕事が探究学習にも関係するので、
子どもたちとの共通の話題が増える。
・教師は、(略)児童・生徒との対話の時間を重視するようになるので、授業準備に時間がかからないようになる。
(p5)
探究学習を主体とした学習にすることで、教師の働き方改革にもなるようです。
「大人も子どもも、一緒に学ぶ」というのは、理想的だな、と思います。
前回の日記では「日本の教育が、結果よりもプロセスを重視し始めている」ということを、書いていました。
では、探究学習のプロセスでは、どのようなことが起こっているのでしょうか?
僕が象徴的だと思えたところを、以下に引用します。
・グループワークでは、
多様な意見を聞いて、思考を深める、
妥当解を見つけ出す
(p67)
たとえば「地球温暖化の解決方法」なんて、正解は分からないし、「これが正解」と思えることがあっても、実現には様々な困難にぶちあたるわけです。
人との協働においても、同じです。
だからこそ、「妥当解を見つけ出す」というのは、正解のない今の時代だからこそ、非常に重要なことではないかと思います。
本書には、高校の「総合的な探究の時間」の先進事例だけでなく、小中学校の探究学習におけるおもしろい取組も、多数掲載されています。
また、ところどころに、外国の事例も出てきます。
たとえば、
「シンガポールや上海では、総合学習のような探究的学習を日本以上に優先してやっている。
その結果、生徒が主体性や独創性を発揮し、失敗から学ぶ時間的な余裕もできた」
といった、2012年のPISA調査の報告書からの内容が紹介されたりしています。(p90)
興味を持たれた方は、ぜひご一読いただければと思います。
なお、本書には、学校以外の場での「探究」の場も紹介されています。
どちらも東京にあるので行けそうにありませんが、興味深い施設です。
▼パナソニック クリエイティブミュージアム「アケルエ」
▼TNM & TOPPAN ミュージアムシアター
最後に、子どもがもつ疑問の例として、本書の最後のほうに、こんな疑問が載っていました。
それを紹介して、終わります。
「ピカチュウの10万ボルトって、どのくらいの強さなんだろう?」
(p193より)
アニメやゲームがきっかけになって、「探究」の旅が始まることもありますね。
「学ぶ」とは、本来、そういうものではないか、と思えます。
ちなみに、上の太字の疑問を検索にかけると、なかなか興味深いことが次々と分かってきました。
探究の過程において、学びが学びを生み、次々と気になってくることが増えてくることが、体験できます。(笑)
#暇な人は、検索してみてください。
▼「自立」とは? そして、なぜ、学ぶのか? ~孫泰蔵『冒険の書 AI時代のアンラーニング』その7
(2023/08/23の日記)