孫泰蔵『冒険の書 AI時代のアンラーニング』その1
昨日のブログ記事のテーマが
「新時代の働き方と生き方」
だったので、
そのつながりで、僕が大変感銘と衝撃を受けた本を紹介したいと思います。
後で参照したいページの端を折ったら、半分ぐらい折ることになってしまった本。
そのくらい、ページをめくるたびに、衝撃を受けた本です。
長くなるかもしれませんが、おつきあいください。
この本です。
『冒険の書 AI時代のアンラーニング』
(孫 泰蔵、日経BP、2023/2、1760円)
7月31日のブログで、ちらっとだけ、紹介していました。
本格的に、こちらの中身を紹介していきたいと思います。
まず、表紙がとっても、魅力的。
上の商品画像ではよくわかないので、拡大します。
どこかで見たようなアニメーションイラスト。
はい。そうです。
「君の名は」や「天気の子」の作画に関わられている方が、本書にも関わられています。
それなのに、中身は「教育」に関する本なんです。
この時点ですでに、今までの常識をぶっとばしています。
これまでの常識にとらわれない「教育」を追究することで、
新しい時代の新しい子どもたちを育てようという強い意志が感じられます。
まさに、「転機の子」です。
#ごめんなさい。これは僕が考えました。引用じゃないです。転機の子。
#さっき誤変換で出てきたので、ネタとして使おうかと・・・
上の画像だと、オビのオモテしか、見られませんよね。
オビのウラには、次のようなことが書かれていました。
新しい時代に必要な、
新しい気づきが満載
・才能や能力は迷信。AI時代には全く意味がなくなる
・イノベーションは論理的思考では生まれない
・大事なのは、学んだ知識や成功体験を捨てること
・学びにも仕事にも、「遊び」を取り戻すことが大切
・自立とは、頼れる人を増やすこと
一読しただけでは意味が分からないことが多数あると思いますが、
「え?どういうこと?」と、詳しく知りたいことがありませんでしたか?
僕は、「才能や能力は迷信」という言葉が、一番心のフックにひっかかりました。
これについては本書の第3章の「能力という名の信仰」で、詳しく書かれています。
それは追い追い参照していくとして、
とりあえず、順を追っていきましょう。
まず、同書の冒頭の「はじめに」には、次のような記述があります。
・学校で行われている教育の内容がその意味をどんどん失いつつある
(p4)
・自分の考えを表現するのにちょうどいいところがあれば、いくらでも引用して使ってかまいません。
僕の許可を得る必要はありません。
・大事なのは、考えや情報が共有されることなのですから。
(p5)
どんどん引用してシェアしてかまわない、ということを著書の冒頭で書かれているのは、前田康裕先生も同じでした。
AI時代の教育の今後を見据えておられるかた同士の、共通点をこんなところで感じました。
↓前田康裕先生の本もオススメです。最新刊!
『まんがで知る デジタルの学び2 創造的な学びが生まれるとき』
(前田 康裕、さくら社、2023/7、1800円)
「情報」の持つ意味が、時代を追うごとに、どんどん変わっていっています。
著者のご厚意に甘えて、引用をどんどん行いながら、新時代の教育について、みなさんと共に考えていければと思っております。
つづけます。
少しずつ、中身に入っていきます。
先ほど引用したのは、「はじめに」のところです。
その後、目次があって、本文の最初は、「父からの手紙」から始まります。
(「第1章」の前です。)
なんだか、映画「君たちはどう生きるか」に、近いものがあるかもしれません。
さて、手紙には、こんなことが書かれていました。
・自分がやりたいと思うことがいつでもできるのと同じように、
勉強だって やりたくなった時にいつでもできる
(p14)
これは、いわゆる「生涯学習」の考え方です。
人間は、一生をかけて、常に学び続けていけるのです。
この考え方自体は文部科学省も昔から言い続けている気はしますが、
実際は、今の日本で学び続けている大人の数は、諸外国に比べてとても少ないそうです。
#前回のブログで紹介した鴨頭さんの講演で言っていました。
本書を通じて繰り返し述べられることではありますが、
「学校」や「学び」といったものを、
僕たちはもっと柔軟に捉え直していかなければなりません。
おっと。「第1章」の内容に入るまでに、前置き部分だけで、こんなに字数をとってしまいました。
今日はここまでにして、
「第1章」以降の本格的な内容に関しては、また明日以降、紹介させていただきます。
では、また、明日!
▼「考え方の違いなんて、当たり前」 ~工藤 勇一×鴻上尚史『学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか』その2
(2022/09/23の日記)