ダニエル・ピンク「やる気に関する驚きの科学」 ~『TEDトーク 世界最高のプレゼン術【実践編】』その5
『TEDトーク(実践編)』の本を読み返しています。
今回が、第5回です。
『TEDトーク 世界最高のプレゼン術【実践編】』
(ジェレミー・ドノバン)
▼第1回:ベンジャミン・ザンダー「音楽と情熱」
▼第2回:ベッキー・ブラントン「私のホームレス体験」
▼第3回:「○○からはじめよう!」
▼第4回:エイミー・カディ「ボディランゲージが人を作る」
今回紹介するTED動画は、すごいです。
講演から、片時も目が離せませんでした。
僕たち教育者が、おそらく最も重視していること、
「やる気」についての、科学的論証です。
それも、驚きの論証です。
その名も、「やる気に関する驚きの科学」
ダニエル・ピンク 「やる気に関する驚きの科学」(TED, YouTube版)
▼「TED日本語」版(英語と日本語の字幕の併記表示が可能)
詳しくは動画を見ていただければと思いますが、この内容はいつも心に留めておきたいことです。
要約すると、次のようなことが語られています。
・報酬が機能するのは、単純で機械的なことに関してである。
広い視野で柔軟な発想をしなければ解けないような問題解決においては、
報酬がかえってマイナスになる。
・自主性を重んじよう。
自由にさせる時間が多い会社が、驚くべき成果を上げている。
あのGoogle社も、そのひとつである。
要約は僕の個人的な主観が入っていますが、ご容赦ください。
「報酬がかえってマイナスになる」というのは、一見すると信じられない事実です。
疑い深いあなたは、ぜひ、このトークに出てきたのと同じ実験をしてみましょう。
あるグループには、「時間を計るのは、標準を知りたいからです」と言うのです。
別のグループには、「1番になれば、20ドルを差し上げます」と言うのです。
(セリフの引用はp244より)
注意点としては、そのときに解かせる問題は、単純なものではなく、発想の転換を必要とする問題でなければなりません。
単純な問題なら、報酬が出る方が、やる気になるのです。(笑)
似たようなことを、約2年前のブログ記事にも書いた覚えがあります。
▼「報酬が動機を阻害する」 ~行動経済学まんが『ヘンテコノミクス』
(2021/05/03の日記)
そのとき読んだ本にも、大変驚きました。
こちらも大変おすすめの本です。
「報酬が動機を阻害する」というフレーズはとても印象深かったので、今でも記憶に残っています。
僕はよく、やる気を起こさせるために「モノで釣る」という、安易なやり方をとります。
が、それがかえってやる気を低下させる原因になっていたのです。
なんてこったい!
どおりで、そのときはやる気になった気がしていたのに、やる気が続かなかったわけです。
皆さんも、「やる気はお金で買えない」ことに、くれぐれも留意しましょう・・・。
▼中村文昭流「こどものやる気を引き出し、その気にさせる!」
(2021/04/18の日記)