★オススメ! 石川晋×ちょんせいこ『国語ファシリテーション』

​国語ファシリテーション​』の本を、ようやく読み終えました。

『対話で学びを深める 国語ファシリテーション』
(石川 晋×ちょんせいこ、フォーラム・A、2022/12、税別2100円)

4年半を費やしてまとめられた本だそうです。
中身が、とても、充実しています!
国語教育の本として今間違いなくオススメできる内容です。大笑い
ムズカシイ実践はひとつもなく、たぶん今全国の皆さんが普段の授業でされていることと地続きの内容なので、ぜひ読んでもらいたいと思います。
石川晋先生は長年にわたって小中学校両方の授業を、ご自身の学校だけでなく、全国の学校を訪問して実践してこられた方です。その授業を「のぞき見」できる楽しみが本書にはあります。
子どもたちと楽しみながら授業をされている雰囲気が伝わってきますので、ワクワクしながら「こんな授業、自分も体験してみたいな」と思いながら読めますよ。ウィンク

前半は音読についてかなり詳細に書かれており、僕はこの時点でとても感動していました。
この本を読んで、僕は、複数回音読することの大切さに、改めて気づかされました。
​ああ!こんなにたくさん音読しても、いいんだ!​」と気づかされた貴重な授業記録が、そこにありました。
(この本は、石川晋先生の、かなり詳細な授業記録がところどころで紹介されています。)
おかげで、自習の時間に入ったクラスで飛び込みで国語の授業をしたとき、僕の理想のする「音楽のような授業」にかなり近づけた実感が持てました。ぽっ
あれは、担任不在の自習の時間に4年生に入ったときのことです。
「熟語の意味」という小単元のプリントが用意されていたのですが、子どもたちはその単元の授業は受けておらず、いきなりプリントをする予定になっていました。
僕は、教科書の授業をひととおり確認してからプリントをさせた方がいいように思ったので、即興で15分ほどの授業をしてからプリントをさせることにしました。
そのとき、僕は「熟語の意味」と題名を子どもたちに音読させた後、もう1回「熟語の意味」と読んで、追い読みを同じフレーズで2回行うことを、やりました。
こういった「くりかえし音読」を、その小単元の終わりまで、続けました。
たったこれだけで、「かなりちがうな」という印象を持ちました。
これは、すごくシンプルで、やろうと思ったらすぐにできることです。
でも、この本を読んでなかったら、こういったことをやろうという発想が、まず、出てこなかったです。
この本を読んでいたおかげで、楽しい授業時間を子どもたちと共有することができ、とてもありがたかったです。
2回目は、子どもたちの反応が、少し変わるんです。
ただ音読をしているだけなのに、子どもたちと「やりとりをしている」という感じがすごく出てきて、うれしかったです。ぽっ
本書では具体的な授業の中身も多数収録されていますが、何よりも「​なにを大切にして、授業というものをとらえるか​」ということを著者と一緒に考えることができます。
この本をきっかけに自らの興味関心に従ってさらに深めていくこともできるように、脚注も充実しています。
あなたが国語の授業を担当するなら、ぜひ、読んでみてください。 ウィンク
そして、脚注で紹介されていた他の方の本にも、手を伸ばしてみてください。
この本の最後の方には、「授業じまい」の話題も出てきます。
ちょうど年度末でタイムリーなので、本書から引用させてもらいます。
ちょんせいこさんが石川晋さんの授業を言語化されることで、第三者の僕たちのような読者にとっても、すっと入ってくるものになっています。

ちょん:例えば、授業びらきを読み聞かせではじめたら、授業じまいも読み聞かせで終わるみたいな。
    そういう一貫した物語をデザインしていくって、授業でとても大事ですよね。
(同書p228より)

「おわりに」で書かれている
ファシリテーターであるちょんが、ファシリテーションという視点・文脈で価値づけてまとめる」(p236)ということの具体的なかたちが、上の引用箇所にも、非常によくあらわれていると思います。
本書のなかでふれられている授業実践の中にも、ペアでつくりあげる実践がふくまれています。
本書自体もペアで作りあげられたということに、本書の中身と本書の創造とに共通する「実践者」の思いを感じられて、とても興味深いです。
最後に、個人的なことを少し書きます。
最後の方を読んでいると、僕が個人的に晋さんに相談に乗っていただいた「星の王子さま」が「授業じまい」の教材例として取り上げられており、びっくりしました。
「星の王子さま」は僕も大好きな作品で、個人的にこの物語を歌にするという取組をしていて、その歌詞の相談に乗っていただいていたのでした。ウィンク

▼​自作曲「星の王子さま」

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