「なぜクーポン券は小さいのか?」~ビジネス小説『会計天国』から学ぶ
ビジネス小説『会計天国』を読み終えました。
【中古】『会計天国 今度こそ最後まで読める、会社で使える会計ノウハウ』
(PHP研究所、竹内謙礼/著 青木寿幸/著)
夏休みだから本を読む時間があるかな、と、古本屋で10冊ぐらいまとめ買いした中の1冊です。
すでに10冊も買っているのに、なんと昨日も別店舗で10冊ぐらいまとめ買いをさらにやってきました。
計20冊ぐらい、読む本がドバっと増えました。
果たして読み切れるのかー?
さて、こちらの小説は、会計の知識で人助けする、という内容を大変面白く小説化したものです。
その設定が、絶妙です。
(詳しくは、本書をお読みください。)
書いてある会計知識は、経営者へのアドバイスとして書かれています。
でも、経営者ではなく、ビジネスマンではない人が読んでも、
世の中の経営の裏側が分かって、面白いです
たとえば、クーポン券。
僕は、クーポン券が大好きで、新聞の折り込み広告にクーポン券がついていたら、そのチラシは手元に置いておいて、「もしかしたら行くかもしれない」と思って、クルマに積みます。(笑)
本書では、クーポン券について、次のような記述がありました。
・「なんで割引してくれるクーポン券って、あんなに小さくて使いにくくなっているのか知ってる?」
・「面倒臭くてもクーポン券を切り取って保存して使うお客だけに商品を値引きしているの。」
・「値下げするときには、お客をちゃんと選んで行うべきだったのよ。」
・「それなのに、すべての商品を値下げしたから、高い価格で買ってくれるお客にも安く売っていることになるでしょ」
(同書 p129より)
「なるほど」と思いました。
世の中、僕みたいにクーポン券で少しでも安くなるように手間を惜しまない人と、
面倒なことはいいから買えればいい、という人がいるんですね。
僕は昔から、チラシを比較検討して、安いところを探したり、
昨日も、ATMの引き出し手数料が110円かかるから、引き出すのをやめて、
引き出し手数料無料のところまで翌日に行き直そうと考えたりしているタイプです。
世の中、自分と同じような人ばかりではない、というのは、覚えておかないといけませんね。
「いろんな人がいる」ということを前提に考えないと、
経営者としては、機会損失にも、なるようです。
もう一つ、印象に残ったところを、引用します。
いま、学校現場はすごく忙しくて、働き方改革が叫ばれています。
でも、なかなか変わっていかない。
その理由をずっと考えているのですが、本書の中のあるフレーズが、その理由として目に飛び込んできました。
・「人間は忙しいと、今のままでいいと思いがちなんだ。
一課は赤字なんだから、暇にするべきなんじゃよ。
特に、モーレツ社員の桜井課長を意図的に暇にすれば、
心理的に不安になって、新しいアイデアを出してくるはずじゃ」
(同書 p246より)
「学校の先生」って、熱心な人が多くて・・・。
民間企業で言うと、それは「モーレツ社員」ですよね。
そうか、モーレツ社員は、忙しいと、それでいいと思ってしまいがちなんだ。
なんか、超基本的なことなんですが、腑に落ちた感じです。
ぼくはモーレツじゃないので、忙しいのは嫌なんですが、周りは実は忙しくてもいいと思っているのかもしれないですね。
このあたりでも、自分とほかの人では違うかも・・・ということを、新たに認識させてもらった気がしています。
最後の最後、本書の「教え」のポイント的なところを、引用して、終わります。
・「いいかい? 常に
『なぜ、こうなったのか?』と、
自分達の行動を見直すことが大切なんじゃよ」
(p257より)
・「過去のやり方を反省し変わり続けることができる組織こそ、生き残ることができるんじゃ」
(p259より)
いやあ、勉強になります!
本質的なことは、他の業種でも全く変わらず、応用可能ですね。
ほかの仕事でも、プライベートな生活でも、そして子どもたちの学習についても、
普遍的に通じる、本質がそこにある、と思いました。
小説形式で面白く読めて、ためにもなったので、とてもよかったです。
ビジネス用語はそれなりに出てくるので、経営に全く関心がなかったり、予備知識が全くなかったりする人は、読者層として想定されていない気がしますが、社会人ならピンとくることも多いと思います。
興味がありましたら、ぜひ、読んでみてください。
ところで、本書は文庫版が出ています。
僕が読んだのは文庫版じゃないのですが、今読むなら文庫版のほうが良さそうです。
『会計天国』 (PHP文庫) [ 竹内謙礼 ]
そして、なんと、マンガ版も出ていました。
設定やストーリーが面白いので、たしかに、マンガ向けの内容だと思います。
【中古】『COMIC会計天国』 / 竹内謙礼