「うまく話すの禁止」 ~鴨頭嘉人『あなたのスピーチレベルがあなたの年収を決めている』

僕は、話し下手です。
というより、コミュニケーションが苦手です。
論理的な話はできますが、感情を混ぜた話ができません。
結論だけを、端的に言ってしまいます。
すると、話がすぐに終わってしまいます。
イメージが膨らむように、五感に訴えるように話すことができませんし、
ストーリーにして語ることが、できません。
先が気になるように、ワクワクさせるように話すこともできません。
そこで、「話し方」をよくする本を、自分のために、よく読むようになりました。
今日は、その中から、鴨頭嘉人さんの本から、覚えておきたいと思ったことを引用します。

『あなたのスピーチレベルがあなたの年収を決めている』
(鴨頭 嘉人、かも出版、2018、1100円)

この本の中で、僕が衝撃を受けたのが、次の一言です。
​「うまく話すの禁止」​
(p68)
うまく話そうと思っていた、僕の鼻っ柱を折られました。大笑い
もちろん、理由も書かれています。
「うまく話そうとすると、あなたの思いが伝わらなくなるからです。」
(p69)
たしかに、話し方というのは、手段に過ぎません。
学校では特に、話し方や聞き方などについて、観点別に評価する傾向がありますが、
「大事なのは、そこですか?」と改めて問われると、
「・・・・・・。」と、言葉に詰まります。
ほんとうに大事なことは、そこではない、と分かっているからです。
取り繕うことを覚えて、スキルで武装したところで、自分を偽っているのなら、伝わるものは表面的なことだけに留まってしまいます。
表面的なことは、本を読めば、書いてあるのです。
生の言葉で伝わるものは、本心から出た、本気の言葉であり、
僕の「話し方」が不十分なのは、スキルの問題ではなく、
自分の言葉で語っていないからだ、と気付きました。
自分の言葉ではなく、借り物の言葉で語っていると、
聞いている人の心に響かず、右耳から左耳に通り抜けてしまうのです。


・実際の現場では「良い話」が伝わるのではなく、
 「本当に思っていること」と「実際の言行」が一致しているとき、
 その話が相手に「伝わる」んです。
(p74)


なかなか耳が痛いところです。
自分が普段できていないことを、理想として語っても、ウソになります。
語ることはできますが、伝わるとは、思えません。
そんなカンタンなことにも、なかなか気付かずにいました。


・うまく話そうとするのは傲慢であり、素直の反対である
(p75)


「うまく話そうとすること」
そのこと自体の傲慢を、見事に看過された気がします。
僕は子どもの頃、「あなたは素直なところがある」と、褒められたことがあります。
初心を忘れず、素直な言葉で話すことを、一からやり直してみたいと思います。

鴨頭嘉人『コンプレックス・リベンジ』~「コンプレックスは武器になる」
(2022/06/11の日記)
平野秀典『人を幸せにする話し方』4~短所を長所と捉える発想が、あなたを救う!
(2011/02/23の日記)

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です