鴨頭嘉人『コンプレックス・リベンジ』~「コンプレックスは武器になる」
今日は誕生日です。
最近、これまでの自分の来た道を振り返ることが増えてきました。
また、人生を振り返って書かれた体験談も、たくさん読むようになりました。
その中でも、今日は以下の本を、ご紹介します。
『コンプレックス・リベンジ 僕はいじめられっ子だった』 / 鴨頭嘉人 【本】
自分の幼少期を振り返るって、すごく勇気が要ります。
この本の中に、印象的な一節がありました。
・人は”承認”されると輝き出します。
これは、”褒める”とは概念が異なります。
承認とは、褒めることではありません。
(p151より)
アドラー心理学を勉強した時、「ほめては、ならない」と知って、びっくりしました。
ほめることと、承認することとは、どう違うのでしょうか。
本書の著者、鴨頭さんは、次のように言っています。
・承認とは、人と人との関わり合いから生まれるもの。
日常のコミュニケーションのことを指します。
(p151より)
学校での子どもたちとの関わりの中でも、ほめるつもりはなくても、自然と承認している、ということは、よくあります。
よく見ているからこそ、承認できる。
アドラー心理学では「承認欲求」は否定されていますが、鴨頭さんが言うところの「承認」は、僕は、大切なことだなあ、と思います。
鴨頭さんは、コンプレックスから学んだことを社会人としての実践で生かし、成果を上げられました。
マクドナルドのアルバイトから、社員になった鴨頭さん。
スタッフとのコミュニケーションを重視し、会話の量を増やすことで、日本中のマクドナルドの中の最優秀店長に選ばれる快挙を成し遂げられました。
ほかの職場でも活かせると思います。
鴨頭さんは、次のように書かれています。
・スタッフ全員の前日の晩御飯まで把握しているくらいに会話をしていました。
(p157より)
僕は1人でいるのが好きで、コミュニケーションをとるのが苦手なので、同じようにできる自信はありませんが、自分が苦手としていることの大切さを教えていただいた気がしています。
・人を動かすために必要なものは、能力ではなく感情です。
好きか嫌いかが全てです。
(p157より)
僕は、理詰めで考える癖があり、人間関係も理屈で考えてしまいます。
しかし、人間関係は、理屈通りにはいかない。
この本は、著者がご自身のコンプレックスに向き合ってきた姿を赤裸々に語られた本であり、だからこそ、読者が自身のコンプレックスに向き合うことを、強力に後押ししてくれる本にもなっています。
・「コンプレックスは武器になる」
(p170より)
コンプレックスは、人との比較から生まれます。
他人にはあるのに、自分にないものがある。
そう思い込むことから、動けなくなります。
しかし、逆に言えば、そのコンプレックスは、大多数の他人にはないものなのです。
コンプレックスを全く持っていない人など、いません。
コンプレックスを持っているからこそ、コンプレックスを持っている人のことが分かるのです。
スタートはいつも、思いを持つこと。
自分がもしも「かわいそうな人」だったとして、
そんな自分だからこそ同じ立場の人の力になり、役に立つこともできます。
コンプレックスは、人と人とをつなぐボンドかもしれません。
コンプレックスがあるからこそ、つながれる。
つながるための、スタートの立ち位置になる。
発進するかどうかは、自分次第です。
鴨頭さんからの強烈な応援のメッセージを受けて、1つ年齢を重ねた今、気持ちを新たにまたがんばっていきたいと思います。
・「そのコンプレックスこそが、あなたの強みです」
(p177より)
コミュニケーションについての大切さについて熱く語り、聞き手の心に火をつける炎の講演家、鴨頭さん。
でも、子どものころは友達がいなかった、と言います。
コンプレックスは、武器になるんですね。
P.S.
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