指導書に、教科書のルビ打ち/分かち書きのデータあり

​​​​​​​読みが苦手な子の中には、音読の宿題が1人ではできない子が、います。
努力不足ではなく、読むことだけが極端に苦手だったり、漢字の読みが覚えられなかったりして、本人に意欲はあるのですが、たどたどしくなったり、つまったりして、1人では読めないのです。
そういう子の場合、おうちの方が、国語の本の漢字にふりがなをふったり、
担任の先生がふりがなをふったり、言葉の区切りに線をいれてやったり、
いろいろな工夫をされているケースが、あります。
ただ、こういった支援をずっと続けるのは、なかなか厳しいですよね。
小学校高学年以降は、教科書の文章量もずいぶん多くなっていますし、
手書きで支援者が書きこんでやるとなると、かなりの労力です。
そこで、既存のものを利用する、という手があります。大笑い
実は、学校予算で購入していることが多い「指導書」の中には、
教科書のルビ打ちデータや、分かち書きデータが入っていることがあります。
勤務市の採択教科書で言うと、以前は各学年ごとの指導書には入っていなかったのですが、新学習指導要領に切り替わってから、各学年ごとの指導書に入るようになりました。
具体的に言うと、光村の国語の指導書です。
(他社でも、おそらく、あると思います。)
(参考リンク)
令和2年度版 小学校指導書・指導用教材のご案内
 (光村図書公式サイト内)
うそだと思ったら、上のリンク先から、「国語」のリンクを開いてみてください。
指導書」の<CD-ROM>のところに、こう書いてあるはずです。
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当該学年の振り仮名付きの紙面データと「読むこと」教材の分かち書き紙面データを収録しています。
特別支援教育や,日本語が十分獲得 できていない児童への指導に役立ちます。
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実は、これを知らない先生方が、思ったよりも多いようなのです。びっくり
該当のCD-ROMの表面には、でかでかと
「振り仮名付き紙面
 分かち書き紙面」
と書いてあるのに、です。
僕は、こんなにでかい字で書いてあったら、各学年の担任の先生方は、当然ご存じだろうと思っていたのです。
ところが、実は、気づかれていなかったことが分かりました。
今日、読むことが苦手な子どもが多い学年の先生に、「こういうものがありますよ」とご紹介しました。
忙しい先生方にすぐに分かってもらえるよう、ルビ打ち版と分かち書き版をそれぞれ1枚ずつ印刷したものを同時にお見せしました。
「これは、いいですね!」と言ってもらいました。
この話、文字だけだとわかりにくいですよね・・・。
ただ、指導書の著作権は教科書会社にあるので、写真は掲載できないのです。
代わりに、著作権の切れた文学作品である「ごんぎつね」を題材に、
私のほうで作ってみた「たとえば、こんなかんじ」というイメージを載せておきます。
  ↓  ↓  ↓

   △ルビ打ち版イメージ
(ごめんなさい。「わたし」と「もへい」だけ大きくなっちゃいました。他意はありません~。
 「​青空文庫​」からテキストデータを借りてきた際に、もともとふりがながふってあったところが大きくなっています。指導書付属のものは、こんなことにはなっていませんのでご安心を。(笑))

   △分かち書き版イメージ
(言葉の意味の区切りで、少し間隔があいていますね!
 分かち書きには、ルビはありません。
 特別支援的には、ルビと分かち書きの両方が欲しい場合もありますが、
 その場合はデジタル教科書での対応となります・・・。)
つたない自作イメージでしたが、なんとなくどんなものか分かってもらえましたか?
現職教員の方は、指導書の付属データを直接見てもらうのが一番話が早いので、ぜひ一度見てみてください。PDFデータなので、校務用パソコンにデータをコピーしておいて、好きな時に該当ページだけ印刷して使うことができます。
せっかくあるものなので、役に立つのならぜひ使ってもらいたいと思います。
ただ、これを印刷したものを渡しても、子ども本人が「みんなと同じ教科書でないとイヤだ」と拒否する場合もあります。その子だけにする特別な支援がその子を傷つけることがないよう、十分留意することが必要です。周りの子に見られないよう、封筒に入れて家庭用のお手紙として家庭にお渡しして、家での音読だけで使ってもらうという手も、考えられます。そのあたりは、実態に応じてください。決して、お仕着せにならないようにしてくださいね。
なお、こういったデータは、通常学級在籍の子どもだけでなく、特別支援学級在籍の子どもにも有効なことがあります。
ただ、支援学級の担任は通常学級担任用に購入してある指導書をわざわざ取り出して見る機会がないために、気づかれていないケースがあります。
ぜひ、支援学級の先生とも共有してもらって、必要な子どもには使ってもらえたら、と思います。
最後に。
最近話題の「デジタル教科書」の中には、こういったルビ打ち・分かち書きをPC画面上で行うものがあります。
それは、指導書付属のPDFデータとは別のものです。
デジタル教科書におけるルビ打ち・分かち書きについては、以下の過去記事をご覧ください。大笑い
▼​読み支援デジタル教科書「デイジー」をインストール不要でブラウザから利用する!
 (2020/12/26の日記)
​​​​​▼デイジー教科書​をWindowsタブレットでインストールせずに使う方法
 (2021/04/13の日記)

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