「わざとら行動」に対しては、あえて見て見ぬふりをする! ~阿部利彦『発達障がいを持つ子の「いいところ」応援計画』

特別支援教育に関係する実践的な本には、いい本がすでにたくさん出ています。
あまりにいい本がたくさんありすぎて、困ってしまうぐらいです。
今日は、阿部利彦先生の名著
『発達障がいを持つ子の「いいところ」応援計画』から、
「ここぞ」というところを紹介したいと思います。

『発達障がいを持つ子の「いいところ」応援計画』
(阿部利彦、ぶどう社、2006、1870円)
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 目次(「BOOK」データベースより)
 1章 子どもたちから教わったこと
/2章 大人のまなざしを変えよう
/3章 心のストライクゾーンを広げよう
/4章 「いいところ」応援計画とは
/5章 「いいところ」応援計画の実際
/6章 教師による「いいところ」増やし
/7章 家庭や学校でできる「言葉かけ」の応援
/8章 保護者と教師で「いいところ」応援計画をすすめよう
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僕が選ぶ、「ここぞ」というところは、
104ページです。
章タイトルは、
大人が「見過ごす能力」を身に付ける
です。
障害の部分をどう指導するかということよりも、子どもと教師の関わり方の部分です。
このページから、要点だけをかいつまんで引用します。
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・要点を明確にして 「~してはいけない。~するように」と、
 ​譲らない姿勢で「強く短く」指導する​
・「だだこね」や「わざとら行動」に対しては、
  あえて見て見ぬふりをするといった
​ ​「見過ごす能力」​を発揮する​
・見過ごす時と、ここぞと強く指導する時の
 ​​「メリハリ」​​
(p104より引用)
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特別支援教育の専門性とは全く関係ないところですが、こういうところがえてして大事なのです。
子どもとの関わり方における、教育の基本が、本質的に詰まっているところだと思うのです。
実は今日、ここに書いてあるような「わざとら行動」に困らされていました。
「わざとら行動」とは、「先生にかまって欲しくて、わざと悪い行動をしてしまう」というものです。
(この説明もp104による)
子どもによっては、この「わざとら行動」が非常に頻繁にあり、教師である僕たちが「どうしていいか、わからない・・・」と困ってしまっている状態にあるのです。
阿部利彦先生の本を久しぶりに読み返して、大変よいヒントをいただきました。
「わざとら行動」に踊らされないように、「見過ごす能力」を身に付けたいと思います。
ちなみにこの本のほかのページには、子どもを見る視点や、具体的な支援方法も詳しく書かれています。
僕は本書を読んだ時、「書くことの支援」の中にあった「グラフや図を写す時にトレーシングペーパーを使わせる」を読んで、すぐさまトレーシングペーパーを買ってきました。(p123)
もう2年ぐらい前のことです。
買ってきただけで使うのをすっかり忘れていたので、使いたいと思います。大笑い

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