「うちの家はみんなが悪い」と言い合うすてきな家族
『本当の自分』(高木善之 著、『地球村』出版)
を読みました。
道徳の授業実践が紹介されていたのを機に、
注文して手に取りました。
著者の感じ方に触れながら、少しずつ読み進め、
今日、読み終えました。
「生き方」とか「考え方」について、
大変感じさせられる本です。
出会えてよかったなーと思える、すてきな本です。
授業実践というのは、MM小学1634号(2005/9/13発行)
に掲載された、内山義朗先生の「素敵な家族」という道徳授業です。
前掲書の10ページに載っている作文を、
一部穴あきにして考えさせる授業です。
(穴あき部分を( )で表示します。)
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うちの家はみんなが悪い
きょう私が学校から帰ると、
お母さんが
「お兄ちゃんの机を拭いていて
金魚鉢を落として割ってしまった。
(もっと気をつければよかったのに、お母さんが悪かった)
」と言いました。
するとお兄ちゃんは「
(僕がはしっこに置いておいたから、僕が悪かった)
」って言いました。
でも私は思い出しました。
きのうお兄ちゃんがはしっこに置いたとき私は
(「あぶないな」って思ったのに、
それを言わなかったから、
私が悪かった)
と言いました。
夜、帰ってきてそれを聞いていたお父さんは
「 (いや、お父さんが金魚鉢を買うとき、
丸いほうでなく四角いほうにすればよかったなあ。
お父さんが悪かった)
」と言いました。
そしてみんなが
(わらいました)。
うちはいつもこうなんです。
うちはいつもみんなが悪いのです。
(ある作文から)
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この作文の題名をはじめて読んだとき、
「みんなが悪い」というのは、
おたがいに責め合っているのだと思いました。
内山さんの授業でも、子どもたちは最初は
そのような言葉を穴埋めしていたようです。
ところが、教師が「みんな幸せですか?」と問い、検討させることで、
「自分が悪かった」と言い合う言葉をうめる子が表れます。
子どもというのはすばらしいですね。
そして、私も、
「お前が悪い」から「自分が悪い」への考え方の転換をできるように、
自分も気をつけよう、と思ったのでした。
この本の他の内容もとてもいいので、
また紹介したいなーと思います。