ADHDの子どもにとって動くことは必要! ~『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』その1

相談を受けて、いろいろな授業を見に行くことをしています。
すると、なかには、よく動く子ども、常に何か触っている子、考えなしに行動して雑に済ませてしまう子がいます。
そういったお子さんのなかには、ADHDの診断を受けているお子さんもいます。
さて、はたして前提として、授業中に落ち着きなく動くことは、いけないことなのでしょうか。
もしかすると授業者は、子どもたちが動かずにだまって話を聞くことを前提に、授業を組み立てているかもしれません。
その場合、授業中に動く子は、「いけない」存在になってしまいます。
でも、その子どもの側からすれば、どうでしょうか。
もしかするとその子どもにとっては、動くことは、必要なことなのかもしれません。
動くことが学ぶために必要なタイプであれば、それを保障してやることが、学習権の保障になるのではないでしょうか。
そういったことが、次の本の中の一節にも、書いてありました。

『学習指導の「足並みバイアス」を乗り越える』
(渡辺道治・フォレスタネット、学事出版、2021、1980円)
本書の内容は次回以降もふれたいと思いますが、まずは今日のところはp61~63「動きの足並みバイアス」というところを、ご紹介します。
以下、引用です。


■動きの足並みバイアス
 学習中は静かに座っていなくていい
・ADHDの子どもが学習する時には、足でリズムをとったり、足をぶらぶらさえたり、椅子をゆらしたりすることは必要な行為との結果が出た。
 (p61 ​アメリカのセントラルフロリダ大学の発表​より)
・普通学級において2~3割程度の子どもは、何らかの配慮や支援が必要な子どもであり、その中において例えば「学習中に動かすことが必要」などの配慮が必要である
 (p62 杉山登志郎『発達障害の子どもたち』をふまえた記述より)
  
  『発達障害の子どもたち』 (講談社現代新書) [ 杉山 登志郎 ]
・授業で集中が切れたら、この飛び石をポンポンと移動して、自分の席に戻る。
 欧米の学校では、こうしたことが普通に認められています。
 (p63 「バランスストーン」について書かれた記述より)
  ​
  バランスストーン(楽天で販売しているもの)
​・「動くこと」を禁止事項ではなく、より良い学びを実現する上での「必須要素」としてとらえることで、学習の場づくりは大きく変わります。​
(p63)
※中に挿入した画像やリンクは僕が見つけてきたものです。


僕もけっこうこのブログの中でいろいろなことを紹介してきたつもりですが、本書もまた、いろいろな情報を紹介しつつ、今の日本の教育現場にとって実現可能な提案を、かなり具体的にされています。
3年前の5月に出版された本ですが、内容は全然古びていません。
「足並みバイアス」が気になっている方は、ぜひ、お読みください!大笑い

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