「虹の彼方に」リコーダー奏に簡単パートを追加♪
前回に続いて、リコーダーの話題です。
音楽会でするリコーダー奏の曲が難しすぎるので、少しでも演奏しやすいように、第2パートを作りました。
曲は、「虹の彼方に」(にじのかなたに)。
これは、名曲です!!
#名曲なので、たしかにこれを音楽会で演奏したいという気持ちは、わかる。
僕の作った第2パートを勤務校で採用するかどうかはこれから決まるのですが、そちらのほうは音楽専科の先生のご意見をいただいて、さらに修正をしています。
ただし、そちらは、非公開。
ここでは、僕が作った原案の第2パートのほうを公開します。
実は、没になった音符も、自分としてはけっこう気に入っているところがあるんです。
作るときに、「こっちより、こっちのほうがいい」と比較検討しながら作っていったので、思い入れがわくんですよね。
音楽専科の先生からのご意見を受けて、勤務校の先生方に見せる楽譜は、音楽的に正しく無理のないものに修正したのですが、それでも「音楽的には確かにそのほうがいいんだけど、個人的に、こういくのが好きなんだ」みたいなところがあって、もとの楽譜も残しておくために、こうやって公開しました。
#昔「星の王子さま」の劇の挿入歌を作った時も、演出家の人に言われて手直ししたバージョンを本番に使ったのだけど、実は手直し前のほうが個人的には気に入っていました。
↓はい。それが、この楽譜です。
(カワイ「スコアメーカー」で演奏させています。)
「虹の彼方に」(にじのかなたに)リコーダー2部 動く楽譜
※再生できないときは、YouTubeの文字を押して別画面で再生してください。
「虹の彼方に」のメロディは、普通に演奏すると、かなり難しいです。
もともとのメロディが楽譜の上の段、第1パートです。
主旋律は、とにかく音域が広い!
リコーダーでミから上の音はサミングと言って親指を立てて半分だけ穴をふさぐ奏法をしますが、そのサミングが、かなり出てきます。
また、シのフラットとドのシャープも出てきます。
初めて見たときは、「なんじゃこりゃ」と思いました。
第2パートの方では、とりあえず、サミングで鳴らす音はいっさいなくしました。
また、ドのシャープも、なくしています。
#シのフラットは、曲のキーとなる音なのでなくせませんでした。
また、8分音符で速く指を動かして演奏しないといけないところも、演奏しやすいようにしています。
運指よりも、タンギングやロングトーンの基本ができていれば演奏できるようにしました。
#そういう話、前回、しましたね。
実は、簡単にしたはずの第2パートと言えど、低い音はけっこう残っているので、そこまで極端に演奏しやすくなったわけではありません。
たくさんの穴を両手でふさがなければならない低い音を鳴らすのは、けっこう大変ですが、そこはがんばってもらわないといけなくなりました。
#もともとの主旋律パートはいっさい変更せずに第2パートを付け加えているので、主旋律が低い音のとところは同じように低い音を出さないと、そこで高い音を出してしまうと主旋律より目立ってしまうからです。
そういうわけで、今回はリコーダー奏の「演奏しやすい版」を用意するという具体例をご紹介しました。
こういう、「全体でおこなうもの」を、苦手な子も参加しやすいように複線化するという手法は、僕はどんどん考えていっていいんじゃないかな、と思っています。
教材に合わせるのではなく、目の前の子どもたちに教材を合わせる。
教材が一つしかなかったとしても、子どもに合わせた第2、第3のバージョンを新たに作る。
大事なことじゃないかなあ、と思っています。
あなたは、いかが思われますでしょうか?
最後に、難しい主旋律を子どもたちが吹けるように運指を示した動画も以前作っていたので、そちらも貼り付けておきます。
こんな難しい曲に挑戦する子どもたちに、拍手です。