今の大学受験はもはやペーパーテスト重視ではない! ~『探究の達人』その1
昨日のブログ記事で、
・自力で読み・書き・計算をしなければならない必然性は、機械の進化により、どんどん減ってきています。
といったことを書きました。
「学校ではいまだに個人に読み・書き・計算の力をつけようとしているが、それってどうなの?」という問題提起をおこなったつもりです。
ただ、そういうことを言うと、昔から
「そうは言っても、大学受験がペーパーテストだから」
という反論が、根強くあります。
僕が高校生だったウン十年前に、僕は「高校の授業はまるで大学受験のためにあるみたいだ」と思いました。
それがそもそもおかしいような気がしますが・・・。
今でも、結局、「受験で読み・書き・計算が要求されるなら、子どもたちに読み・書き・計算をさせなければならない」という理屈は、強くあるようです。
ただ、大学受験も、変わっていっているようです。
ここからは、次の本の中に書かれていた内容を、参照していきます。
『探究の達人 子どもが夢中になって学ぶ! 「探究心」の育て方』
(神田 昌典・学修デザイナー協会、実業之日本社、2023/3、税別1500円)
以下は、上の本の「あとがき」で、書かれていたことです。
・「総合型選抜」は、各大学が求める学生像に合った受験生を、それぞれ工夫した方法で選抜します。
「学校推薦型選抜」は、出身高校の推薦基準を満たした受験生を、面接や小論文で選抜します。
「一般選抜」は、ペーパーテストを中心とした試験で選抜します。
・2022年に全国の大学に入学した新入生のうち、半数以上が「総合型選抜」と「学校推薦型選抜」で受験して入学したと報じられました。
この動きは今後も加速していくことが予想されます。
(p210)
一般的なペーパーテストで入学した人が半数以下だなんて、驚きです。
「ほんとかな?」と思ったので、調べてみましたが、下のサイトには比率の数字なども詳しく載っていたので、本当のようです。
▼大学受験は「総合型選抜(旧AO入試)」重視の流れに。東大生が考察
(Yahooニュース、2023/8/27記事)
#記事の後半は、早めの対策で勝者になろうといった書きぶりなので好きではありませんが・・・
知りませんでしたが、これが、今の大学受験の実情のようです。
上の本自体は、「探究学習」についての、最新に近い本です。
僕は、高校の学習指導要領が改訂されたことは知っていましたが、
「総合的な探究の時間」という教科が新設されたことは、この本で初めて知りました。
2022年度からの新設なので、できたてほやほやです。
小中学校における「総合的な学習の時間」の発展形なのだそうです。
日本の教育が、結果よりもプロセスを重視し始めていることが、うかがえます。
上掲書「あとがき」の続きのページでは、外国の受験の最新の変化についても、書かれています。
・アメリカの共通テストSATは、2021年に、英語、数学、科学、歴史、外国語の5教科20科目からなるSAT Subject Testsを廃止し、英語と数学のみとしました。
2021年には、アメリカの名門大のひとつであるカリフォルニア大学がSAT等の共通テストを実施しないと発表しました。
これからは、ペーパーテストが得意とする「知識量」や「正確な思考」の評価が大学入試から離れていく傾向にあり、「これまで何を経験したか」「これから何をしたいのか」など個人の経験と考えに対する評価が重視されることでしょう。
(p211より)
これまた、「ほんとかな?」と思ったので、検索して見たところ、ハーバード大学の記事がヒットしました。
#疑い深い(;^ω^)
▼ハーバードにペーパーテストはない 求められるのは「人とつながる力」
(朝日新聞GLOBE+、2016/3/6公開、2018/12/17更新)
大学受験は、変わろうとしています。
この波が、小中学校までおりてくれば、「ペーパーテスト重視」というのは、本当に古くて意味のないものに、変わってきそうです。
僕は大学受験や高校の学習については詳しくないので、補足意見等、詳しい方からいただけたら、助かります。
ぜひ、コメントをお寄せください。
僕の認識違いや誤解している部分がもしあれば、ぜひ教えてください。
よろしくお願いいたします。
なお、「探究」というのは今後のキーワードになりそうなので、この本の読書メモは、次回も続けたいと思います。
では!
▼eラーニング教員免許更新講習で、初めてテストを受けました。
(2019/06/30の日記)
▼2021兵庫県公立高校入試問題速報
(2021/03/13の日記)
▼子どもと一緒に勉強する、という大人の姿勢 ~『下剋上受験』
(2014/08/17の日記)