【紹介】「日本型インクルーシブ教育への挑戦 ― 大阪の「原学級保障」と特別支援教育の間で生じる葛藤とその超克 ―」(ネットで無料で読める論文)

​インクルーシブ教育​」について考えを深めたいところ、こんな論文をネットで見つけました。

​「日本型インクルーシブ教育への挑戦
 ― 大阪の「原学級保障」と特別支援教育の間で生じる葛藤とその超克 ―」​

(原 田 琢 也・濱 元 伸 彦・堀 家 由妃代・竹 内 慶 至・新 谷 龍太朗、2020-03-31)
タイトルからして、非常に興味深いと思いました。
単なる「​インクルーシブ教育​」ではなく、「日本型インクルーシブ教育」となっています。
​​インクルーシブ教育​​」は世界の潮流であり、世界ではスタンダードになりつつあります。
しかし、日本でそのまま外国のまねをしようとしてもなかなかうまくいかない・・・。
だからこそ、「日本型インクルーシブ教育」が求められているのです。
この論文では、すでにあるその代表的なものとして、大阪の「​原学級保障​」が具体的に取り上げられています。
「原学級保障」とは、支援学級在籍の児童生徒が、通常学級にこそもともとの学籍がある(=原学級)ことを何よりも重視し、通常学級の教室で他の子どもたちと共に過ごし共に学ぶことを保障してきた、大阪近辺で行なわれている取組のことです。
この論文では、5人の研究者が5つの学校を継続的に訪問された結果、それぞれの学校での様子を、客観的な視点で報告されています。
こういった論文をネットで読める形にしていてくださるのは、とてもありがたい!
誰でも下のリンク先にアクセスすれば、無料ですぐに読めますので、ぜひ、ご覧になってください。ウィンク
https://kinjo.repo.nii.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=13&block_id=17&item_id=1123&item_no=1
 (金城学院大学リポジトリ内 該当論文のページ)​
ダウンロードすれば後からでも読めます。
PDFファイルなので、Edgeで開けば、本文に部分的に色を付けることもできます。
僕は、デジタルでもアナログでも、線を引きまくりました!
全部拝読しましたが、自分がやっていることとつながることが、かなりありました。
自分がやっている「自分流インクルーシブ教育」と言えるものについて、「こういうのもありなんだよなあ」と知れて、勇気をもらえる内容でした。大笑い
その一方で、今の日本の学校制度がもつ課題も、かなり明らかになっていると思えました。
それはたとえば「硬直性」(p32)などの言葉で随所に語られていました。
日本型インクルーシブ教育」の道は決して平坦ではありませんが、あきらめずに少しずつでも前に進めていきたいと思います。
「インクルーシブな学校は、つねに進行している学校である」
(p46、ブースとエインスコウの言葉より)


「共に学ぶ教育」とは( 「普通学級での障害児教育」本の内容まとめ2)
 (2006/07/28の日記)
インクルーシブ教育:推進へ法的整備を -豊中シンポ(毎日新聞)
 (2010/03/01の日記)

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