福島正伸『真経営学読本』2 ~「『みんな大好き!』って言ってみたらどうだろう」
福島正伸さんの集大成本の読書メモ、第2回です。
(第1回はこちら。)
『真経営学読本』
(福島正伸、きんざい、2016、税別2500円)
たぶん、今だからこそ、自分にとって大事なことが、書いてあると思います。
福島正伸『真経営学読本』
2(p145からp265まで)
(・太字部分は、本の引用。
顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)
・他人や環境というものは、決して思いどおりにならないため、他人や環境に期待すればするほど、不満となって自分に蓄積されていきます。
(p150より)」
・他人や環境は気にせず、自分がどうしたいのかだけを考えるようにするのです。
そうすれば、「こうしてほしい」「ああしてほしい」という意識は、「こうしたい」「ああしたい」「こんなこともしてみよう」という意識に変わります。
(p151より)
←こんなカオで、最近、怒っていることが多いです。
すべて、他人や環境のせいにしていることの結果です。
福島さんは「自立型人材」ということを言われています。
「自立型人材」には5つのキーワードがあります。
その1番目が、「自己依存」です。
徹底した他者依存の否定です。
「自分自身に期待する姿勢」です。
他人は変えられませんが、自分は変えられます。
自分が、何をするかです。
他人に不満を持ち、他人に変わってほしいと思っていた自分を反省します。
他人は、変わるかもしれないし、変わらないかもしれない。
それは、コントロールできないことです。
コントロールできないことに視点が向いていると、不満が出ます。
自分のできることに、視点を移すことですね。
・「自分が、ほかの人たちのために何ができるのかをいつも考える」
(p173より)
ページは飛びますが、関連するページです。
具体例は、割愛します。本書をお読みください。
視点が他者に向いているかが、試されていると思います。
試しているのは、自分自身です。
自分が、自分を試しています。
アドラーは、「幸せとは、貢献感である」と説きました。
自分のことより、他人のことばかり考えている人のほうが、幸せなのです。
どうせなら、幸せな方が、いいですね。
・社長は、今日の売り上げだけを見ていたのではなく、明日をイメージして、そのための仕事を今日していた
(p200より)
いきなり「社長」と言われても「だれやねん」と思うと思いますが、例によって詳細は割愛します。それは本書を読んでいただくとして・・・
上のページで紹介されている社長さんの例のように、「貢献」というのは、今できていなくても、それができる未来を想像するだけで、ワクワクしてきて、幸せになるという効果があります。
貢献できている未来を想像することで、先取りして幸せになれちゃいます。
自分がする仕事も、どうせなら、しあわせな他者を想像しながら、ワクワクしながらやりたいと思います。
ここまで読んでも、「私の周りの状況はとても厳しいので、とても幸せになれない」と思っている方のために、福島さんが、疲れて暗くなっている人に助言した、とっておきのアドバイスもご紹介します。
・「『みんな大好き!』って言ってみたらどうだろう。
社員の人たちに会うたびに『大好き』って言うんだ。
きっとあなたも周りも明るくなれると思うよ。」
(p240より)
「大好き」は、魔法の呪文です。
あなたにも、大好きなものが、きっとたくさんあると思います。
大好きな人も、たくさんいて、いいのです。
そして、好きになるのは、きっと、とてもカンタンなのです。
呪文を唱えるだけで、いいのです。
大好きなものに囲まれていると、思うか、思わないか。
それで、天と地ほど、違いがでます。
仏教では、まわりのもの自体に色はなく、色は自分がつけている、とされています。
自分がつけている色なら、自分の好きな色をつけることも、できるはずです。
周りが明るい色に染まるか、暗い色に染まるかは、見ている自分が決めることなのです。
本書には、このアドバイスを実際に実行した後の話が載っています。
「大好き」作戦は、いったんは周りが引いてしまうことになりますが、その後、別のワークも続けることで、明るい毎日がやって来ます。
実際には、「大好き!」と臆面もなく言えるのは、子どもの特権かもしれません。
まあ、僕もこんな記事を書いているからと言って、実際に「大好き」と言いまわることは、できそうにありません。
でも、子どもたちに「大好き!」と言ってもらえると、とても元気をもらえることは、経験的に、実感しています。
「大好き!」はやはり、魔法の呪文なのです。
わが子が習っていたヤマハのピアノ教室には、「大好き!」というテーマソングがありました。
とてもすてきな曲です。
最後に、これを読んでくださったあなたへの「大好き!」の気持ちをこめて、この歌を贈ります。
童心に帰って、聴いてみてください。(^^)
長くなりました。
続きはまた次回!
次回は第45章「人を育てる」からを参照します。
福島さんには『メンタリング・マネジメント』という著作がありますが、まさにその話が本書の中でもふれられています。
人に影響力を与えるすべての人に読んでほしい話です。
よかったらまた次回も、見に来てください。
『メンタリング・マネジメント 共感と信頼の人材育成術』
【▼電子書籍】
(福島正伸、ダイヤモンド社、2012、税別1200円)
▼通常書籍
(福島正伸、ダイヤモンド社、2005、税別1500円)
▼「ついてる」と先に決めてしまえば、ついていることばかり思い出す
(2022/12/22の日記)