西郷孝彦『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール』
先ほど、「校則」と打とうとしたら、「拘束」と出てきました。
「校則」とは、「拘束」である。
そんな校則は、いやだ!
最近は、「ブラック校則」なんていう言葉も出てきて、
理不尽な校則を見直す動きが、全国的に加速しています。
僕の子どもの頃とは、少しずつ変わってきたと思っています。
みんなが過ごしやすい学校ができていくといいな、と思います。
前回のブログで映画「夢みる小学校」のことを書きました。
今回はそのつながりで、西郷孝彦先生の本、『校則なくした中学校』をご紹介。
「拘束なくした中学校」というタイトルでも、しっくりきそうです。
『校則なくした中学校 たったひとつの校長ルール
定期テストも制服も、いじめも不登校もない!
笑顔あふれる学び舎はこうしてつくられた』
(西郷 孝彦、小学館、2019、税別1400円)
内容紹介(「BOOK」データベースより)
目標はただ一つ、「すべての子供たちが3年間を楽しく過ごせる」こと。
目次(「BOOK」データベースより)
第1章 あれもこれも「ない」中学校
(服装自由の登校風景/定期テストをやめた ほか)
/第2章 「ない」中学校に、こうしてなった
(怒声の飛ぶ朝礼/子どもは管理するものか ほか)
/第3章 子育ては15歳までー親と子の関係
(養護学校の子にとっての「一日の重さ」
/子どもは甘やかしていい ほか)
/第4章 学校レポート
/“これからの子どもたち”の育て方
(3Dプリンターで心臓を作る/エッジを立てろ ほか)
(リンク先書籍情報より転載)
【同書電子書籍版】(楽天Kobo)[ 西郷孝彦 ]
西郷先生が校長をされていた桜丘中学校。
定期テストをなくした、というのを初めて知った時、僕はかなりショックでした。
「なくせるんだ!」と思いました。
その内幕が、同書では明かされています。
定期テストはありませんが、代わりに、もっと範囲のせまい小テストが頻繁に実施されるそうです。
学習習慣をつくるうえでは、たしかに、この方がいいかもしれません。
この本の中では、「積み重ねテスト」や「ミルフィーユテスト」という名前で紹介されています。
(p12)
ナイス、ネーミングですよね!
宿題はなく、「積み重ねテスト」に向けて、各自が自分なりに準備して臨むそうです。
子どもたちの自主的な学びに委ねています!
「後日放課後に受けられる、
敗者復活の『チャレンジ・テスト』も用意されている」とのこと。
「通知表の成績には、良いほうの点数が反映される仕組み」
になっているため、子どもたちもがんばりがいがあるのでしょう。
(p13)
テストは何のためにあるのか、を考えさせられます。
テストは、子どもたちのためにあるはずです。
教師が評価をつけて、子どもたちを順序付けるためにあるのではないはずです。
桜丘中学校でのテストは、子どもたちへのフィードバックとして機能しています。
桜丘中学校の生徒たちは、テストは自分たちのためにあると分かっているのではないでしょうか。
だから、がんばれるのですね。
一般的な学校の常識を覆す桜丘中学校の日常ルールを、もう一つ。
桜丘中学校では、授業中に寝てもいいことになっているそうです。
(p126)
同じページに「仮眠の有効性は、科学的に証明されている」と書かれているのが痛快です。
日本人は働きすぎで、寝る間を惜しんで働きますが、そのほうがかえって非効率です。
勉強も、同じです。
人生、休み休み行きましょう。
勉強も、ね。
(関連する過去記事)
▼「どんな子どもも、それは1つの個性であり、正解である」 ~映画「夢みる小学校」
(昨日の記事です。)
▼桜丘中学校の前校長、西郷孝彦先生の講演を視聴しました。
(2020/11/14の日記)