小2音読劇「ふきのとう」で起こった大感動の思い出
昨日の日記に、「予定通りにいかないことこそが面白い」と書きました。
それに関連して、自分の体験の中で、思い出したことがあるので、書きます。
小学校2年生を担任したときのこと。
国語の単元で、音読劇をしました。
その年は2回目の2年生担任でした。
各教科の内容があらかじめ分かっていたので、最初から「国語」の物語単元は音読劇で通そう、と思っていました。
その一発目が、くどうなおこ作「ふきのとう」でした。
当時はインクルーシブ教育に先進的に取り組むA市にいました。
支援学級在籍のAさんも、クラスの中にいて、いっしょに国語の学習を進めていました。
Aさんには、音読劇の役割分担の中では、最後の方に出てくる、「こんにちは」だけを担当してもらいました。
日常的に使う挨拶の言葉ですし、5文字だけの、短い言葉です。
「これだったらAさんも言えるかな」と思っていました。
これは、タイトルにもなっている、ふきのとうのセリフです。
最後の場面では、たくさんのふきのとうが顔を出します。
他の子が次々と「こんにちは」を言った後、他の子たちをまねて、同じように言えばいいようにしていました。
発表会の本番当日。
Aさんも、ちゃんとはっきりとセリフを言えたのですが・・・
なんと、Aさんは、「こんにちは」を、「わ」ではなく「は」と言っていまいました。
思わず、みんながどっと笑いました。
でも、それが、全然失敗を笑うような笑い方ではなく、心から楽しそうな、明るい笑いだったのです。
明るい笑い声が巻き起こったすぐ後、Aさんはもう一度、今度は「こんにちわ」と、言い直しました。
そして最後のナレーション。
別の子が、「もう、すっかり、春です」
で、幕。
期せずして起こったハプニングと笑いにより、フィナーレはより一層感動的なものになりました。
このことは、たぶん、一生忘れません。
クラスメイトたちのあの笑い声は、昨日のブログ記事の中で引用した
「あなたのありのままが面白いよね!」というメッセージ
そのものだったなあ、と思います。
子どもたちの世界は、ほんとうに、すてきです。