「助ける」のではなく「共に生きる」 ~長岡秀貴『サムライフ』
いつも持ち歩いているちっちゃいカバンに、小さめの本をしのばせています。
ちょっとした隙間時間に読むためです。
ちょっとした隙間時間にしか読まないのでなかなか読み終わりません。
それがもどかしかったですが、少し前にやっと読み終わりました。
長岡秀貴(ひでたか)さんの文庫本『サムライフ』です。
『サムライフ』
長岡秀貴さんの本は、これが2冊目。
1冊目に感動したから。手を伸ばした本です。
1冊目については、先月の日記で取り上げました。
↓
▼長岡秀貴『ダッセン』
(2021/9/11の日記)
今回の本も、『ダッセン』同様、アツイ本でした。
『ダッセン』がいかにして生まれたのか、
どのように周りの人に広めていったのかが詳しく書かれています。
最後の最後に、ついに、著者の夢だった、新しい「学校」ができあがります。
感動です。
本書には印象的なシーンがいくつもありますが、それらは本書を読んでいただくとして、ここでは「あとがき」より少しだけ引用します。
僕が非常に共感した内容が、象徴的に語られていると思ったところです。
かわいそうだから、不憫だから、その人たちを救ってあげるんだなんて微塵も思っていない。
誰もが幸せに生きる権利を持っていて、誰もが幸せを望んでいるはず。
「助ける」のではなく「共に生きる」ことによって、自らが持っているポテンシャルに気付き、そして自らの足でその幸せへの道を歩き出してほしい。
(文庫版あとがき p267 より)
「助ける」のではなく「共に生きる」
僕の場合、仕事柄、障害のある人との共生社会の実現に向けての言葉として、幾度となく聞いてきた言葉です。
しかし、この言葉を、特に障害があるとかを限定しない、誰もが幸せになる学校の設立の志としてお聞きすることで、「障害に限ったことではないな」という思いを強くしました。
この方の志は、対象を限定しない。
自分は公立小学校の教員ですが、この志にふれ、改めて、対象を限定せず、「共に生きる」学校にしていきたいと思いました。
この『サムライフ』、なんと映画化もされているようです。
非常に興味深いです。