1人1台タブレットで音楽会の曲の予習をしよう!※2023/5/7追記

2学期には例年、大きな行事がたくさん控えています。
その中でも特に大きな行事。
それは、​運動会​音楽会です。
今は特に、コロナ禍での全校行事の開催ですので、大変気をつかいます。
本番の開催形態もそうですが、それに向けた練習のあり方も悩みの種です。
しかし、なかには工夫されて取り組まれている学校もたくさんあります。
下の教育雑誌を発売日に買って読んでいたのですが、とても役に立つ情報が書いてありました。
(この雑誌は、いつもいいことが書いてあります。大笑い

「教育音楽 中学・高校版」2021年 09 月号
(音楽之友社、2021/8/18発売、2000円、合唱曲ベストセレクションCD付き)
音楽の先生向けの専門的な教育雑誌ですので、現場の先生が今まさに悩んでいることに対する情報提供がされています。
本誌の中では、とある中学校の音楽の先生が、合唱曲の譜読みを1人1台タブレットでするということを書かれていました。
「なるほど!」と思いました。
ほかにも幾人かの先生が1人1台タブレットの有効活用について書かれていて、そのどれもがうなずけるものでした。
「おお!コロナ禍での味方として、タブレットは使えるなあ」
と思った次第です。大笑い
ちなみに「譜読み」というのは楽譜を見るだけで音が分かる人向けの表現なので、通常の小中学生であれば「音取り」がこれにあたります。
​音取り​というのは音の高さを確かめて、どんな旋律を自分が演奏するのか、把握することです。
音取りは普通、楽譜を見ながら音を確かめます。
楽譜を見ても音が分からない人は、ピアノとかCDとかで音を聴く必要があります。
音楽の授業時間内にこれをすると、これだけでかなり時間をとるだけでなく、理解には個人差があるので、授業時間内だけでは自分の演奏する音が分かるようにならない子が、一定数います。
合唱や合奏で子どもたちがよく知っている曲をする場合を考えてみましょう。
子どもたちは、主旋律(メロディ)なら、よく分かっています。
ところが、ハモリのパートや伴奏パートになると、とたんにどんな音で演奏するのか分からなくなることが、非常にありがちです。
合唱の下のパートとかは、音が分からないので主旋律を歌っちゃったり、音が分からないので黙っちゃったりすることが、「あるある」です。しょんぼり
1人1台端末で音取りをさせるというのは、つまり合唱の下のパートだけの音源を聴かせたり、鍵盤ハーモニカの演奏でどこをどの指で押さえてどう動かすのかを動画で見させたりすることを想定しています。
楽譜の読めない子供にとっては、これが自分の手元のタブレットでいつでも確認できるのはすごくありがたいはずです。
なにしろ分かりにくいところは巻き戻して、そこだけ何回も部分再生をすることができますからね。
音源の用意は、楽譜を元に教師が音楽ソフトで打ち込んで作成するとか、教師が演奏した録音を使用することが多いでしょうか。
教師の準備の手間は要りますが、子どもたちにとっての有効性を考えると、これは、非常に有効な手立てだと思います。
早速僕も音楽会の曲のパートの音取りが各自でできるよう、準備をしてみました。
小学2年生向けの鍵盤ハーモニカ2重奏「おどるポンポコリン」です。
(作曲:織田哲郎  編曲:松田昌)

上の動画は一般公開用バージョンですが、学校の子どもたちに向けては、楽譜を表示させて、「ドレミ」などの階名もつけて、お手本演奏がより分かりやすいように用意しました。
そちらは限定公開にしているので一般の方は見られません
 2023/5/7 一般用にも公開しました!
 


演奏の音は、音楽ソフトで僕が打ち込んだものを鳴らしています。
YouTubeの場合、JASRACと包括的使用契約を結んでおり、JASRAC登録曲の演奏を公開する場合の著作権料は、YouTubeの会社が代わりに払ってくれることになっています。音楽制作ソフトでの「打ち込み音楽」も自ら演奏しているとみなされます。
市販のCD音源をそのまま使ったりするのは、基本的にNGです。
(参考サイト)
▼​YouTube等の動画投稿サービスでの音楽利用について
 (JASRAC、2020.9.15、2021.3.31更新)
1人1台端末で児童生徒のみが視聴する場合、「授業での使用」として著作権法第35条の例外規定が適用される場合も、あります。
以前から、音楽会の曲の模範演奏を事前に子どもたちに聴かせることについては、「おうちでCDを聴いて練習してきてね」といったことをすることはありました。
僕の場合、特別支援学級の子が音楽会に参加するにあたり、
「その子が演奏しやすいように、簡単バージョンにパート譜を直す」
「その演奏を自宅で何度も聴いて覚えられるように、CDにして渡す」
ということを、よくしていました。
これについては著作権の取り扱いが気になるところではありますが、以前音楽の教科書の教科書会社に問い合わせをしたところ、基本的には著作権法上の例外規定が適用されるとうかがったことがあります。
もちろん、著作権者の利益を損ねるような営利目的を含む利用はNGですが、学校で子どもたちのためにおこなうことについては、ある程度許容されているのが実情です。
ただ、僕も著作権の専門家ではありませんので、微妙な場合は専門的な判断ができるところに問い合わせをされることをおすすめします。
1人1台タブレット端末での視聴に限っては、不特定多数への公開ではないため、基本的には

「お手本の演奏を事前に聴いて、予習する」

「自分たちの録音を仲間内で共有して、セルフチェックする」

「家での録音を教師に送って、教師にチェックしてもらう」

といった使い方は、多くの場合、著作権的にはセーフだと思います。
せっかく1人1台端末が入ったのですから、著作権侵害に配慮しつつ、子どもたちにとって有効な使い方は積極的におこなっていきたいものです。ウィンク
P.S.
今回拝読した雑誌の著作権特集によると、既存のYouTubeへのリンクをはることも、基本的にはOKのようです。
ただ、たくさんあるYouTube動画の中には市販音源をそのままアップしているなど、著作権を侵害しているものも混ざっているので、その点はご注意ください。

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