「ゲーム」と「きょういく」2~「ゲーム脳」論争についての私信

「ゲーム」と「きょういく」について 

もう8年も前のことですが、小学校教師向けのメールマガジンに
ゲーム擁護論のようなものを投稿して掲載されたことがあります。 
いわゆる「ゲーム脳」というキーワードで
ゲームが悪者にされていたことについての反論です。
僕の「ゲーム」の教育的効果に関する基本的な考え方が書いてあります。

以下、2002年10月に、「日刊・小学校教師用ニュースマガジン」に掲載された
僕の文章を転載します。 
もともとは、メルマガ編集長あてにお送りした私信です。(^^)

(なお、転載に当たり、リンクアドレスは最新のものに更新しました。)

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日刊・小学校教師用ニュースマガジン 編集長様
いつも楽しく読ませていただいております。
にかとまと申します。
少し前の号で時間がたっていて申し訳ないのですが、
981号で森竹先生がゲームのことを扱われていた件について、
私は2年間のゲーム会社勤務経験がありますので、
> テレビゲームの会社の見解も聞きたいと思いました。
という編集長様のお言葉にお答えすべく、メールいたしました。
おそらく、他にはそんな読者はいないだろうとおもいますので(^^;)
ゲームに関しては悪者といわれることが
多うございますが、
特に最近のゲームジャンルは幅広いものがあり、
それら全般はTVを使うのは共通しているので
「目が悪くなる」というのは納得できるにせよ、
「頭が悪くなる」という、内容悪に関することは
一概にはいえない
と思います。
例えば、将棋・オセロに類するような思考を要するゲーム内容もあります。
歴史物のシミュレーションなど、事実を模した題材のゲーム内容もあります。
反射神経を要するゲーム内容もあります。
そういった具合に、ソフトによって全く変わってきます
「ゲームは体を使わない」ということですら今は一概に言えない状況です。
(特殊コントローラにより、TVの前で楽器型コントローラを演奏する、
 ダンスを踊る、ラケットを振る、体操をする、といったゲーム操作が可能です。)
単純に考えて「ソフト」は無数にあるので、
そのソフトに応じて使う脳の部分も変わってくる
と思います。

ただ、TVゲームの中のある「ソフト」を取り上げて、
これをしたときの脳の状態がどうこう、ということは言えるでしょう。
ソフト内容によってはプレイ時間中緊張が持続するものもあり、
ベータ波を誘発するかもしれません。
一方で、じゃあ逆のソフト内容はないかと探してみれば、
クラシック音楽を指揮するゲームなどでは、
あんがいアルファ波が出ているかもしれません。
(ちょっと強引すぎますが)
参考にされていた「ゲーム脳の恐怖」(森昭雄著)ですが、
ゲームに詳しい人間からすると、
うそを書いていないにしても
最初からゲーム脳の悪い面ばかり強調しようとした意図があるようで
気になります。
この本のレビューをインターネットで検索しますと
例えば次のようなものがありました。
●ネット書店「アマゾン」のサイトより
・最初に仮定ではなく結論ありきですね。自己の用意した結論に都合のよいデ
ータを組み合わせただけの著書に思えます。
・一口に「テレビゲームをする」といっても,ソフトも多様であれば,その遊び方も人によって千差万別であるはずだが,そうした多様性を考慮した実験データがない
「アマゾン」のレビューは以下のアドレスで見れますので、
ご参考までにご覧いただければと思います。
レビューは本を評価するものより批判するものの方が件数は多いようです。
(ネットをしている人の層にゲーム擁護派が多いという理由はあると思いますが)
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4140880368/ref=cm_rdp_product
私はTVゲームを完全に擁護するわけではありませんが、
基本的には、たとえば「TV番組を見る」というような、
ただぼけっと見ていても成り立つような行為とちがって
少なくともユーザーが主体的な判断でゲームに関わらなければならない
という点で、創造力や思考力は育ちうる
と思います。

また、選択肢を選びながら小説を読み進めていくゲームのように
主体的な読書」と呼べるような内容のものは、
いわゆる読書の効用とされる情意面の発達等は同じく発生するものと考えます。
私が心配するのは、脳を使う使わないといったことより、
やはり子供時代は昔ながらの「友だちと外で遊ぶ」というのが
精神的な成長と肉体的な成長のバランスをとるために
必要
だろうということです。
友だちと外でも遊ぶが、中でもTVゲームをして遊ぶ、
というのであれば、さほど心配することはない
のでは
と思っています。
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あなたは「ゲーム」が子どもに与える影響について、
どう思われますか?

 

なお、「ゲーム脳」についての論争の詳細については
Wikipediaにある程度まとまった情報が載っています。
ご参考までに覗いてみては、いかがでしょうか。(^^)

ゲーム - Wikipedia 

 

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