「支援」は、しすぎないこと
今日は、インクルーシブ教育の学習会で話をしてきます。
大きくざっくり言うと、「学校での支援のあり方」みたいな話になる予定です。
その冒頭で示そうと思っているスライドが、こちら。
勤務校の職員研修用に作ったものです。
上のスライドで唯一線を引いているところが、
「しなくていい支援はしない。」
学校には、いわゆる「支援員さん」がおられて、いろいろなサポートをしていただいていて、ほんとうに助かっています。
でも、ときに、「べったり付きすぎ」て、依存を生んでしまったり、友達同士でサポートし合うことを阻害してしまったりすることもあります。
僕自身も今までに、親切心から「支援を要する子」につきすぎてしまった反省があります。
支援をしすぎないことは、ほんとうに大事だと思っています。
昨日紹介した本の、昨日の引用ページをめくった続きのところに、こんなことが書いてありました。
『生きづらいでしたか? 私の苦労と付き合う当事者研究入門』
[ 細川 貂々 ]
・どんな問題やトラブルでも
その一つ一つは大事な経験の一部なので
簡単に取り去ろうとしないように
心がけています
(p54)
・べてる的な文化の中で仕事をする専門職は
「何をしないか」を見極めることが大事
(p55)
失敗体験を積み重ねすぎてしまって自信をなくしてしまっている子には、成功体験に導いてやることも、必要かもしれません。
でも、基本は、子どもには失敗する権利もあるのです。
2日前の記事で、クラスに入り込みをして、支援をするという話を書きましたが、その場合に僕が心がけているのは、「離れて見ておく」の比率をなるべく多くすることです。
「何もしていない」ように見えるのが、一番いいと思っています。
P.S.
僕は子どもの頃から大のマンガ好き。
子どもの頃に読んだ「奇面組」の中に、次のような言葉が出てきたのを思い出しました。
「親切心の逆効果」
親切にしたいという気持ちは大切だけど、それが裏目に出ることもあるので、気をつけたいところです。
自戒を込めて・・・
▼特別支援教育にかかわる標語をつくってみた!
▼「インクルーシブ教育」を考えるテキスト『「みんなの学校」をつくるために』