心理検査・知能検査の本人へのフィードバック方法(「本人向けの報告書式」)

学校などで子どもの困り感が強いときに、個別に専門家による心理検査や知能検査を実施して、その結果を指導や支援に役立てることがあります。
ただ、本人へのフィードバックは、あまり重要視されてこなかった気がします。
特別支援教育をテーマにした雑誌『LD/ADHD&ASD』2022年7月号を遅ればせながら読んでいましたら、最後のほうのページに、大六一志先生が「心理検査の結果報告書」というのを書かれていました。
その記事の最後のほうに、「本人向けの報告書式」(同誌p63)のこともふれられていました。
なんと、「学習アドバイスシート」という、本人向けの報告書式があるようです。


・学習アドバイスシートという、本人向けの報告書式(熊上ら,2016)では、検査結果をグラフで示す際に、目盛りの数値を省略しています。
 この方法ならば一層数値にとらわれることなく、特徴に目を向けることができるでしょう。
(『LD/ADHD&ASD』2022年7月号 大六一志「心理検査の結果報告書」記事内p63より)


僕は、「これは、いいなあ」と思いました。
僕が検査を勧める際にも、「得意なことと不得意なことを客観的に把握して、これからの作戦に生かしましょう」といった提案をすることがあります。
人それぞれ、「みんなちがって、みんないい」のを前提として、一人一人みんな違うのだから、あなたの特性を把握して、その特性に合った指導や支援をしていきましょう、というのが、本来の「特別支援教育」だと思っています。本来の、というのは、もともとの英語である「Special Needs Education」のそもそもの意図である、という意味です。だから、ニーズ(Needs)を明らかにするための検査=アセスメントが重要になるのです。
熊上先生の「学習アドバイスシート」自体は、見ることができていないのですが、こういったやり方があるということだけでも知っておけば、本人に向けて結果を知らせるときに、使えるのではないかな、と思いました。
なお、検査についての一般的な説明は、下の「LITALICO発達ナビ」さんの記事が、分かりやすいです。大笑い
▼​心理・知能検査の結果はどう読むの?IQって何の数値?検査結果の見方・活かし方が分かる『子どもの心理検査・知能検査  保護者と先生のための100%活用ブック』【著者インタビューも】
 (LITALICO発達ナビ、2020/11/10記事)

『子どもの心理検査・知能検査 保護者と先生のための100%活用ブック』
[ 熊上崇 ]

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