「バーチャルな複数の場」をイメージする ~『なぜ僕は、4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか』
『なぜ僕は、4人以上の場になると途端に会話が苦手になるのか』
(岩本武範、2017、サンマーク出版、1210円)
タイトルが面白かったので、買ってみた本です。
ちなみに、僕は、4人以上のグループトークは、大の苦手です。
その場合、基本的に聞き役に回ります。
4人どころか、3人でも苦手です。
やっぱり、聞き役に回ります。
ということは、1対1のときだけですね、僕が話をするのは!(^^;)
そのわりに今日のオンライン会議では「はい、はい」と手を挙げてしゃべっていました。
得意なことだと、しゃべります。(笑)
得意と不得意の差が激しいので、得意なことを期待されている場合は、しゃべれます。
もしも講演依頼をくれたらどこでも行ってしゃべりますので、ご依頼ください。
さて、この本は、ちょっと変わった「会話術」の本です。
グループでの雑談や飲み会が多い若い人とかには、特に、いいかもしれません。
具体例がちりばめられてあって、参考になります。
今回はこの本の中から、1つだけ紹介します。
「謝罪」の話し方についてです。
メインの内容が終わった後、オマケみたいにして書いてあった内容です。
本論よりも、オマケの話の方が面白くて役に立つ、という可能性も世間では多いので、あなどれません。
・「ミスを犯されたとき、相手の頭には、これからそのミスを報告しなければならない顔が3~4人浮かんでいる」という、「バーチャルな複数の場」をイメージすることがポイントです。
・どうすれば相手の顔が立つのかを考えながら解決策を提示していきましょう。
(p197より)
謝る場面を想定するとき、えてして、相手と自分の1対1しか思い浮かべられていないことが多いものです。
少なくとも、僕の場合は、そうです。
ただ、お互いに人間関係の輪の中で生きているのです。
謝られた相手が、この件について報告しなければならない人が、目の前の相手以外に、複数いると考えるのが妥当です。
テンパっている謝罪場面では、それが思い浮かべられていないのです。
だから、相手を余計にいらだたせたり、話が噛み合わなかったりすることも多いのでは、と思います。
・こちらのトラブルによって相手の立場がなくなったことを想定し、相手の立場を戻すことにゴールを置きながら話すのがポイントです。
・親身になって考えてくれているのがわかると、感情的な古い脳が抑えられて怒りがそれ以上高まることはありません。
(p198より)
シンプルに言うと「相手の立場に立てるか」ということなのですが、ここではもうちょっと具体的に、「相手の顔をつぶしてしまったのを、元に戻すことに、一所懸命になれるか」といった形で、提案がされています。
このあたりは僕も苦手なところで、こうやってブログに書いて講釈を垂れるような人間ではないのですが、自分自身の今までの経験から、大事だなと思ったので、引用させていただきました。
謝るようなことは、ないに越したことはないですが、気をつけて過ごしていても、ミスをしてしまうのが、人間という生き物です。
ミスをしない生き方よりも、ミスをすることは織り込んだうえで行動し、ミスをしたときにどう行動するかが、より一層大事なのではないでしょうか。
ミスをきっかけに、相手の信頼を今までより得ることもあります。
ミスしてからが、勝負です。