日本と外国の学校の違い! ~キリーロバ・ナージャ『6カ国転校生 ナージャの発見』その1

昨日​・​おととい​と、アメリカやイギリスの教育の話が出てきました。
ブログを見に来て下さっている方は、きっと「外国の教育ってどうなっているのかな?」と気になっていることでしょう。
#きっと、そうでしょう。
そこで今回は、『6カ国転校生』という本に書かれた、諸外国の学校での様子を参照したいと思います。

『6カ国転校生 ナージャの発見』
(キリーロバ・ナージャ、集英社インターナショナル、2022、税別2200円)
本書は、実際に子ども時代に6カ国を転校生として渡り歩き、諸外国の学校に児童生徒として学んでいた筆者の体験談が語られている本です。
非常に具体的に体験を綴っておられるので、臨場感たっぷりで、おすすめの本です。
説明だけでなく、イラストも豊富に掲載されています。
教育に関心がある方なら、ぜひ、読んでほしいと思います。
僕は、良質の絵本を読んだ後に得られるような「気づき」を、この本を読んだ後に得られました。
きっとあなたも、「日本の当たり前」が世界の当たり前ではないことに、気づくと思います。大笑い
たとえば、普段の筆記具
日本では、当たり前に、鉛筆を使っていますよね。
でも、ロシアは、ペンなんです。
ほかにも、​ロシアでは朝食が学校で出る​とか、驚くべきことが、いっぱい書いてありました。
フランスでは、「多くの人は家族と一緒にお昼を食べるために家に帰る」んだそうです。
親も同じように長めの昼休みがあって家に帰って食べる人が多い」のだとか。(p52)
それぞれの国民性が表れていて、おもしろいなあと思いました。びっくり
一方で、​前回​・​前々回​と同じく、「これでいいのか、日本!?」と思えるエピソードもありました。
この本自体は基本的に、それぞれの国のやり方は違っているけれど、それはそれでいい、といった書きぶりで書かれています。
ただ、僕には、次のエピソードなどは、かなり気になりました。


・わたしは、12歳からベジタリアンになったのだが、そうすると日本の給食で食べられるものはほとんどない。サラダにもハムが入っていたりするし、スープには肉系のエキスが、ごはんは鶏の炊き込みだったりする。そうすると、わたしが口にできるのは牛乳だけ。ほぼ1年間、多くの日、牛乳だけを飲むことが続いた。
(p56より)


日本に来たら昼食に食べられるものがほとんどなくて、牛乳だけ飲んでそれで給食時間は終わりということが1年間続いたとは・・・
「それでいいのか、日本!?」
と思いました。号泣
ただ、筆者は今ではもうずいぶん大人になっています。
この本は自らの子ども時代の各国での学校での生活を、大人になってから思い起こして書かれたもの。
なので、今の話ではなく、過去の話なのです。
だから、今ではずいぶん違ってきていることも、あると思います。
上に出てきたような日本の給食のエピソードも、今ではアレルギー対応などが進んできたこともあり、かなり個別の事情に対応した給食の提供がされるようになったのではないかな、と思います。ぽっ
#アレルギーの子は増えているような気がする。
#食べられない食材を除去した給食が個別に提供されることが増えてきていると思う。

本書では、単純なモノや環境のちがいだけでなく、それぞれの国の教育で重視していることもかなりうかがえました。
それが、とてもおもしろかったです。大笑い
たとえば、次のようなことが書かれていました。
・イギリス → 「ここは個人戦ではないんだ」(p37)
・フランス → 「意見を述べないとここにいる意味がなくなる」(p37)
・アメリカ → 「目的に応じて座り方を変える」(p39)
        「能力に応じて問題を変えることができる」(p39)
        「整列するという概念などなかった」(p44)
        「ここではカラダを動かすことを楽しむのが体育の目的」(p45)
本書は非常に興味深い内容が多く書かれている本なので、また次回も、続きを参照したいと思います。
今日のブログは、p57までを読み返しながら書いたので、次回はp58以降を読み返していきます。
興味がある方は、また次回も、見に来てくださいね。ウィンク

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