アンデシュ・ハンセン『運動脳』その4 ~「運動以上に記憶力を高められるものはない」
『運動脳』の読書メモ、第4回です。
▼これまでの記事▼
第1回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その1 ~運動で、不安を軽減できる!!
第2回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その2 ~ADHDの投薬への警告
第3回:アンデシュ・ハンセン『運動脳』その3 ~うつや不機嫌を吹き飛ばす!
『運動脳』
(アンデシュ・ハンセン、サンマーク出版、2022、税別1500円)
今回は、第5章
「記憶力」を極限まで高める
の章からです。
アンデシュ・ハンセン『運動脳』
4(今回の範囲は、第5章:p208からp250まで)
(・太字部分は、本の引用。
顔マークのあとの緑文字は僕の個人的コメントです。)
・運動以上に記憶力を高められるものはない
(p209より)
本書で一番のビックリかもしれません。
運動が気分を晴らしたり、集中力をつけたりすることは、これまでの経験上も、よく分かることでした。
ところが、本書では、「運動が記憶力を高める」のみならず、他の方法と比べても、運動が一番効果が高いと言っているのです。
驚き桃の木山椒の木です。
「脳トレ」をするより、運動をする方が、効果が高いらしいのです。
・週に3回、40分、早足で歩いただけ
(p213より)
ここの引用は、「たったこれだけで、いいんです。」ということの1つの例として挙げられていたところです。
週に3回、早足で40分歩くだけなら、僕もけっこうやっているかもしれません。
なにしろいつも急いでいるので、歩くときは基本、早足です。
・運動をすれば記憶力はたちどころに改善する
(p218より)
・運動をすると、すぐに記憶力が上がる
・運動と暗記を同時に行うことをお勧めする
(p219より)
本書を読み進めると、さきほどの例よりもさらにすごいことに、「運動をすると」「すぐに」「たちどころに」と書いてあって、腰を抜かしました。
もしこれが本当なら、運動と学習をセットで同時に行うと、すごい効果を発揮することになります。
少し前に僕は、タブレット端末で行える九九の学習ゲームを開発していました。
そのときに、「卓球の対戦のように向かい合って腕を振りながら上り九九を言っていく」というトレーニングも、それとは別に、頭の中で思いついていました。
でも、「ばからしいかな」と思って、頭の中で即座に却下していました。
もしかすると、時間を掛けて九九の学習ゲームを開発しなくても、「エアー卓球九九暗唱」のほうが、効果は高いのかもしれません。
いちおう、「九九チャンツ」というのも開発しているので、その音楽に乗って運動をしながら九九を唱えると、いいかもしれません。
今度やってみようかな・・・。
・あなたが学びたいと思うどんな技術でも、事前に運動をすれば、BDNF分泌の恩恵を受けて、学んだことが長期記憶になる段階でしっかり固定される。
(p224より)
この「BDNF」というのが、とにかく奇跡の物質らしいのです。
本来だったら老化とともに衰えていくところが、BDNFが出ていれば、衰えるどころかむしろ改善するのだとか。
この情報のウラをとろうと、ネット検索したら、婦人画報さんの記事がヒットしました。
▼”BDNF”を増やすのが認知症予防のカギ!記憶力は運動と食べ物でよくなる
(婦人画報サイト、2020/10/1記事)
↑BDNFは運動でも増えるけれど、カマンベール・チーズでも増えるらしいです。(^0^)
いかがでしたか。
全国の受験生諸君、これからは、毎日の勉強の前に運動をすれば、直後の学習の記憶の定着に効果があること、間違いなしです。
僕も、自分の身体で実験をしてみたいと思います。
さて、何を覚えよっかな~。
(覚える以前に、すでに忘れていることが多いので、自分が覚えたいことすら忘れています。)
次回、第6章は
頭の中から「アイデア」を取り出す
の章です。
僕はクリエイター気質なので、実は覚えることより、創造性や発想力のほうに興味があります。
すでにいっぺん読んだことを忘れているので、読み返すのが楽しみです。
では、また、次回!
(またまた、つづく)
▼【休校期間お役立ち情報】その13 登校後の運動を保障しよう(齋藤 孝『子どもの集中力を育てる』)
(2020/05/23の日記)
↑第2回のときにも最後につけましたが、上の過去記事、「運動をしてから学習するとその後の取組が変わってくる」という「パドマ幼稚園」のことを書いていて、今回の記事とも関連が深いと思いました。