「広島県の小学5年生の合理的配慮への道!」
秋といえば、研修の季節です。
オンライン上でも、実際上でも、10月は多くの研修会に参加しています。
そのどれもが学びに満ちていて、とても刺激的です。
今日は、特別支援教育に関わる内容で、皆さんにぜひ知ってもらいたいことをシェアさせていただきます。
広島大学の氏間先生のホームページに、非常に詳しく報告されている内容です。
▼広島県の小学5年生の合理的配慮への道!
(広島大学氏間研究室「うじらぼ」ブログ、2020/11/28記事)
合理的配慮を受けている小学生のお子さん自身が、自分に関することを積極的に情報発信されているというのが、素晴らしいです。
一般的に小学生の時分は、まだ自分の言葉で伝えることが難しかったり、たくさんのことを頭の中で整理することが難しかったりします。
そのため、当事者の声を直接的に明確に知ることは難しく、多くの場合、大人が「こういうことかな?」と慮ることをしていると思います。
が、この事例は違います。
たくさんの情報発信の中に「自分研究」というパワーポイントがあるのですが、自分のことを客観的に分析しておられて、とても小学生とは思えない内容です。
これだけ詳しく自分の困り感に伝えられる小学生は、ほかにいないのではないか、と思います。
このお子さんが「自分研究」の最後に書かれていることを引用します。
なぜこのレポートを書いたかと言うと、
大人の自閉症の人がこのレポートを書いて提出しても
あまり大人は理解してくれなさそうだから
子供である僕がレポートを書いて伝えようと思いました。
今の日本は、自分の努力や力ではどうにもできない事を
限界まで頑張らなければいけない。
その結果、心の病気になり、不登校の子が増える。
その原因を僕が自分研究して、発表することにより
世の中の大人に知ってもらって、僕みたいに困っている人を救える
きっかけになると思って調べました。
(「自分研究」最終スライドより)
素晴らしいと思いませんか?
このお子さんが書かれたものはほかにもたくさんありますが、特に「苦手な漢字を好きになる実験」は面白かったです。
漢字を覚えるのが苦手な子どもたちの思いに寄り添うために、ぜひこちらも併せてご覧ください。
特別支援教育に長く関わってきた者として、当事者の思いを知り、それをふまえることが最も大切なことであると感じています。
合理的配慮についての理解を広げるためにも、ぜひ、こういった当事者からの発信を、多くの方に見ていただきたいです。
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