7/22の豊中のフルインクルーシブ教育に関する学習会を視聴して


今日は、7/22(土)にあったオンラインの学習会の感想を書きます。
インクルーシブ教育に関するオンラインの学習会として、今、ノリにノッていると思われる学習会です。ウィンク
↓これです!
▼​豊中市教育長、『国連に日本の状況を伝えに行き、特別支援教育廃止勧告出して貰って、信じてやれば叶って出来ると思った豊中育ちなウエダの話』も聞いて、豊中市のインクルーシブ教育のこれからを語る
 (公式サイト、申込受付終了)
なんて長いタイトル!(笑)大笑い
タイトルでお名前が出てくるウエダさんは障害当事者で、僕とほぼ同年代の方です。
今回は少年時代や青春の日々の思い出を含めて、これまでのことをたくさん語っていただきました。
僕とかなり共通することが多く、「そう、そう!」と思って聞いていました。
いわゆる「障害当事者ならではの苦労話」といったものではなく、豊中で同年代の友達に囲まれて育って、いろいろありながらも楽しく過ごしてきたぜ!といったお話でした。
これこそが、フルインクルーシブが生み出すものだなあ、と思います。
つまり、なんら特別なことではない、フツーの日々なのです。
ウエダさんは、最初の学校が養護学校だったので、特にそのギャップを感じてこられたんだと思います。
ウエダさんの後で、教育長が話をされる、というのが、この会ならでは。
市長も教育長も、市をあげてインクルーシブ教育を大事にされていることが伝わってきます。
(市長は今回ではなく前回の学習会でお話しされました。)
後半の座談会では、前半に触れられたことだけではなく、もっと周辺的なことも巻き込みながら、本質的なことに切り込んでいったように感じました。
少しだけ、紹介させてください。
ウエダさんが
「世の中で障害のある人の話を聞くってことが、感動ポルノと思われている。
 かかわったことがないから、一緒に育っていないから、
 障害って苦しいもんやなと思われている」
と発言されると、
会の主催者である小国先生が、
「チャットであったように、だれが障害児をつくっているのかという議論にもつながってくる。」
と応えられました。
「だれが障害児をつくっているのか」
この視点は、そんじょそこらの学習会では、なかなか出てきません。
登壇者だけでなく、チャットからも、そういった指摘が出る。
日ごろから日本のインクルーシブ教育についての問題意識を抱き続けている方々だからこその視点だと思います。
もしかすると僕がこれをブログで書くにあたって、この表現に関して解説をしたほうがいいのかもしれませんが、中途半端な解説では解説にならないと思うので、やめておきます。しょんぼり
あとは、「障害のある子と共に学ぶ教室では、センセイが今よりもっと大変になる」という懸念に対しても、非常に興味深い議論が行われました。
そのなかで、「子どもたち同士がお互いを分かり合ってやっていくから、センセイが手出ししなくてもいい」といった話が出てきました。
ただ、これについても、あまりかいつまみすぎると議論の的を外してしまう気がするので、これ以上書くのはやめておきます。
小国先生は
「日本はパターナリスティックになりすぎ。保護の観点が強すぎる。
 そういう問題も提起してくださった」
と言われていました。ぽっ
最後の最後、思いがけず「通級」を含めた議論がなされました。
小国先生が、
「多様な教育の場というのが分離を生んでいるという指摘がチャットである。
 通級の問題も今後大きな問題になっていく。通級をどう使いこなすのか?」
「通級が新しい分離別学制度につながってしまうのではないか?」

と、皆さんに投げかけられていました。
僕は通級担当ですので、
​​「通級が新しい分離につながってしまったら、絶対にアカン!」​​​
と思っています。
そのことはかなり意識しながら取り組んでいるつもりです。
なので、つい、チャットに2度も書き込んでしまいました。
我慢していたのですが。(笑)
今回も、非常に学びの多い学習会となりました。
豊中のフルインクルーシブ教育に関するオンライン学習会は、これで3回目。
インクルーシブ教育の魅力がいろんな立場の方から伝わってきました。
と同時に、今の日本の国全体の、インクルーシブ教育にかかわる課題も、少しずつ明らかになってきた気がします。
僕の知り合いの先生方もたくさん視聴されていたようで、チャット欄に次から次へと書き込みがある中に、見知った方のお名前も何度もお見かけしました。
僕も刺激を受けて、なんと​2度も​​チャットに書き込んでしまいました。
こういう参加者多数の学習会は、チャットに書き込みすぎると他の方の発言がちゃんと読まれなくなるような気がしてなるべく自重しているのですが、今回は、あまりにも書きたくなったので、書いちゃいました。
まあ、いいよね。ぺろり
1度目は、次のようなことを書きました。
「通級担当者はもっと通常学級の教室に入っていって、
 通常学級の授業を変えるために、
 チームの一員としてかかわっていくことが必要だと思って、
 私もやっています。」
私が今度話をすることを頼まれている高校通級の研究会のなかで、詳細はお話しする予定でいます。
ただ、誰でもできるようなカンタンなことだと思っています。
「通級」に関しては、その後のチャットでも、「通級はずっといる場所じゃないと考えて作っても ある以上はずっといる場所になってしまうのです」という書き込みがありました。
僕は、このことをとても重大な指摘だと思いました。
そのチャットへの返信のつもりで、次のようなことも、最後に書きこませていただきました。
​「通級や支援級の担当者が子どもを囲い込んでしまうのが問題。
 通常学級の場の中につなげていくように動くことが大事」​

と。
日本全国で、支援学級や通級の担当になった人で、クラス集団の他の友達とつなげようと日々工夫をされている方が、ごまんといると思っています。
支援学校の先生の中にも、居住地の同年代の友達とのつながりをつくろうと努力されている方は、いらっしゃるでしょう。
そういう方々の取組を、もっと公に出していかないといけないのではないか、と思っています。
インクルーシブ教育を真に進めていくためには、そういった運動が、不可欠だと思っています。
このブログも、その一端としてお役に立つものになれば、幸いです。
なお、このブログ記事は7/22の学習会の詳細に部分的に言及しているところがありますが、主催者団体の許可を得て書いたものではありません。
公開後にご連絡は差し上げようと思っていますが、場合によっては一部修正したり削除したりする可能性がございます。
ご了承ください。
それでは、また!スマイル

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