日本育ちのアフリカ少年のコミックエッセイ! 星野ルネ『アフリカ少年が日本で育った結果』

なかなかおもしろいコミックエッセイを読みました。

まんが アフリカ少年が日本で育った結果
(星野ルネ
、毎日新聞出版、2018、1100円)
この本の中に、なんと、僕の大好きな「スイミー」の授業エピソードが出てきました。
星野ルネさんはアフリカ生まれの日本育ち
日本の学校教育を受けて育ちました。
(それも、僕と同じ兵庫県!)
小学校2年生の国語教材「スイミー」も勉強しています。
ルネさんは「スイミー」の話に大変勇気づけられたそうです。
そうです。
仲間のほかの魚たちはみんな赤いのに、スイミーだけは真っ黒ですものね。
だからこそ、ルネさんはスイミーに自分のことを重ねて、すごく感情移入したのだとか。
そういうことが、あるんですね。
「スイミー」は大好きでしたが、今までそんなふうにこの話を読んだことがありませんでした。
「そうか。そういう読み方もあるのか!」と、新しい視点を獲得した思いです。
ルネさんは本書のマンガの中で、「スイミー」のことを、
幼少期の僕の黒い小さなヒーロー」と語っています。(p28)
ほかにも本書には日本の学校教育に関する著者の思いやエピソードが、ところどころに散りばめられています。
メインはマンガなのですが、マンガで語られるエピソードに添えられていた、
次の言葉には、ドキッとしました。
人間は一人ひとり違うのに、
 全員が同じでなければならないって教育は正しいのかな?」(p40)
ルネさんは基本的には日本のことを好意的に描いてくださっています。
でも、中には、日本の中で見た目が違うことで差別的な見方をされたり、息苦しさを感じさせられたりする場面もあります。
本書はマンガなので、とても親しみやすく、楽しみながら読んでいけます。
でも、それだけでなく、読んでいく中で、「日本」を少し離れた他者の視点から捉え直し、考え直すことのできる、好著になっています。
興味を持った方は、ぜひ、本書を読んでみてください。ウィンク
この本、とってもよかったのですが、なんと、続編が出ていました。
こちらも、気になります!大笑い
   ↓

まんが アフリカ少年が日本で育った結果 ファミリー編
(星野ルネ、毎日新聞出版、2019、1100円)

▼​大人の浅はかさを子どもがカンタンに見破る時代になった
 (2023/02/06の日記)

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