『ファシリテーター完全教本』

​​​​​​​僕のパソコン棚の上には、本がいっぱい置かれています。
「読み終わった後、ブログで紹介したい本」です。
その中で、とても分厚くて、ずっと鎮座ましましている本があります。
今日は時間がありそうなので、その本を紹介します。
​『ファシリテーター完全教本』​です。

『ファシリテーター完全教本 最強のプロが教える理論・技術・実践のすべて​』
(絶版、リンク先は古本)
特別支援教育コーディネーターとして、ケース会議の円滑な進行をめざして買った本です。
簡単に言うと、話し合いの司会進行の極意が書いてあります。
ただ、すべての人間関係に使えます。
すなわち、すべての「授業」で使える本だと思います。
本書を読むと、プロのファシリテーターが細かなところまで入念に確認されていることに愕然とします。
自分自身の考えや思い込みを前提にしないよう、ありとあらゆることをメンバーに確認しながら進めています。
本書から、本当に重要だと思ったところだけ、引用します。


『ファシリテーター完全教本』
読書メモ ロゴ
・相違は学びの機会である


​​・自分がもっている情報は 問題解決と対処に必要な情報の一部だ
​・知る必要があることをすべて知っているわけではないと自覚する
・自分の見解をみんなと共有し、ほかの人たちが別の見解をもっているかどうか確認する
​・1人ひとりが異なったピースを持ち寄るジグソーパズルのようなものとして会話を見る​
・1人ひとりがどんなピースをもっているのか、どうしたらそのピースをぴたりとはめこめるのかを一緒になって見つけ出す
・自分のもつ情報や展望は限られているのだということを自覚する。
・自分の視点からは一定の物事だけしか見ることができないのである。
​・「自分が問題の一因となっており、そのことに気づいていない可能性がある」​​

​​​
(p64-65より)
スマイルこれらは、最も根幹的な、「基本想定」というところの記述です。
 「みんなちがって、みんないい」とか、お題目としてはきれいな言葉で多様性を尊重したふりをして、実際は相違を学びの機会にしていないことが、ごまんとありますよね。
 自戒を込めて、覚えておきたいところです。
 特に、僕の場合、自分のことは本当に見えていません。
 言ってもらわないと、気づかないのです。
 だから、こちらから確認する。
 こちらから、訊いていく。
 本書を読んでいると「まどろっこしいな」と感じることが正直多かったです。
 でも、それが必要なことなのですよね。
 面倒がらずに、確認する。
 自分だけの視点で、進めない。
 簡単だけれど、これができていなかったです。
 逆を言えば、「これさえできれば」というたった1つのシンプルなポイントなのかもしれません。
 あくまでも、僕の場合・・・です。
 次に、
「ファシリテーター自身の感情をコントロールする」というところの記述も、見ておきましょう。
 自分自身の感情、というのも、僕の場合、非常に重要な自滅要因だととらえているからです。しょんぼり

​​​・まず、慌てないこと。​​​
​・すぐに介入する必要はない。​​
・深呼吸して1、2、3……と10まで数える
・いま、不安を感じている、これは悪いことだと思ったとしたら、感情にさらにもう1つの感情を上乗せしたことになる。
​​​(p264-265より)​
びっくりこのブログでも、感情の取り扱い方について、たくさんの本を読んで勉強してきたことを書いてきました。
 いつだったか読んだ本にも、でっかく太字で書いてあった気がします。
 「あわてないこと」
 これもまた、シンプルですが、できていないです。
 子どものときに見たアニメの中で、一休さんも言っていました。
 「あわてない、あわてない。
  ひとやすみ、ひとやすみ」
 今度自分が会議を進行するときや、授業を進行するときには、心の中でお念仏のように唱えておこうかと思います。
 これ、本当に常時心の中で唱えていてもいいくらい、大事なことじゃないでしょうか。
 能力や経験が足りないのではなく、落ち着きが足りないから失敗するのだ、ということを、僕はこれまでの人生の中で、いやというほど学んできました。
 おそらく、失敗要因の、第1位です。
 「あわてない、あわてない。
  ひとやすみ、ひとやすみ」ウィンク

​​・即興を生きたものにするためには、差し出された贈り物を受け取る必要がある​​
​​・それらを使って演技するのを拒んだら、即興劇はそこで終わりである。
​(p268より)​
ぽっ最後に、「即興」というキーワードが書かれたところを引用して、終わります。
 僕は即興が大の苦手です。
 予定されたとおりにするのなら、できるのです。
 しかし、アドリブがききにくいです。
 でも、即興を楽しめないと、人間関係は楽しめないのです。
 そういうことを、僕は大学演劇で教わりました。
 大学の劇団に1年間参加して、即興で合わせるって面白いし、楽しい、ということを味わいました。
 それが、苦手な人間関係を何とか楽しんでやっていこうとしているエネルギーの源泉になっています。
 「現在」を英語で言うと、「プレゼント」。
 プレゼントを受け取れないと、もったいないですよね。
 僕は、もったいないのが、大嫌いです。
 だから、僕は、受け取ろうと思います。
 今かかわりのあるすべての方からの、
 プレゼント。



今さっきこの本の購入履歴をネットで見てみたら、2010年でした。
10年以上前に買った本でした。
買ってから、おそらく3~5年くらいかけて、じっくり読んでいきました。
(なにしろ長い本なので・・・)
こうやって今日この本を紹介できて、ほっとしています。
ちょっと一区切り、ついたかな。
今日は地元で劇作家・演出家の平田オリザさんの講演を聞いてきます。
即興演劇とファシリテーションは、すごく密接な関係があると思っています。
きっと、明日の教育に役立つ話が聞けると、期待しています。大笑い

▼​【人間関係・コミュニケーション】に関する過去記事一覧
森時彦『ザ・ファシリテーター』1 ~小説で学ぶファシリテーションの凄さ
 (2013/05/14の日記)
2000回記念! 今後に向けて
 (2021/03/30の日記)​​
 ↑今後の目標として「
コラボレーション」「ファシリテーション」というキーワードを今年の3月に書いていました!ウィンク

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